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ムーブメント・メディスンのこと

いつもよりも少し寝坊した朝、
キッチンでりんごを剥いていると、
次男2歳が私の足元にまとわりつきながら、
「ママの電話でダンスしてよー」
と言ってきた。

この「電話でダンス」というのは、
ムーブメント・メディスンの朝のダンスのことで、
平日の朝7時から15分間、Zoomでつながってダンスをするというクラスに
私はここ1ヶ月ほど参加している。

寝坊して参加しそびれることもあるけれど、
次男にとって「朝の母は踊るもの」として、すっかりインプットされていたようだ。
それはとても愉快なことだなと、ちょっと嬉しくなった。


ムーブメント・メディスンのことを説明するのは難しい。

ムーブメント・メディスン・ジャパンのWebサイトによると、
ムーブメント・メディスンとは、

身体から生まれる自然な動きを通して私たちに備わる叡智を引き出し、生きる力を育てるワークです。

とのこと。

さらには、

ムーブメント・メディスンでは、身体・心・マインド(意識)がそれぞれに持つ“知恵”をひき出していきます。頭から「こうしよう、ああしなければいけない」ではなく、まず身体を動かすことからすべてを始めます。 動かすことで身体は目覚め、進化の過程を記憶した身体自身の知恵と生命力に繋がることができるからです。目覚めた身体が、自由で開かれた心と、目に見えないものを感知し創造するマインドの安全な“家”となります。 そこで初めて3つが一つとなり、生命が最大限の力を発揮するのです。

ムーブメント(動き)がメディスン(薬・癒し)となる。
この古代と現代が融合された教えを実践するのに必要なものは、少しの勇気と好奇心です。人に見せる為ではなく、自分の癒しの為に踊るのです。自分が癒されると連鎖的に周りの世界が癒されていきます。誰かの心から笑っている笑顔を見ると、私たちも理由なく笑いたくなるように。


だそう。

動画を見るとわかりやすいのかな?

各々自由にくねくねしていますね。


ムーブメント・メディスン ジャパン代表で、「朝のダンス」のファシリテーターをしている恵さんのスタジオのHPには、

ムーブメント・メディスンでは、身体から自然に生まれる動きを通して人間が生まれ持っている可能性を最大限引き出し、踊ることで生きる力を育てていきます。

とある。
ふむふむ、「その人の可能性を最大化させる」というコーチングの目的とすごく近いものなんだな。


私は、ダンス経験があるわけではないし、
(友人に誘われてよさこいを必死で踊ったことが、唯一のダンス経験)
どちらかというと身体を動かすのが好きなタイプでもない。
コーチング関係のメルマガで「ムーブメント・メディスン」が身体知のひとつとして紹介されていて、
なんとなく引っかかって調べたところ、この朝のダンスを見つけた。

15分間という気軽さもあり、「なんだか面白そう」という気持ちで参加を決めた。


15分間で実際にやっていること。
まず、ファシリテーターである恵さんが、挨拶してから今日のテーマのことを少し話す。
それから、恵さんのガイドで自分の内面に意識を向けて、音楽に合わせて、各々踊りたいように踊る。
恵さんのガイドは、身体のどこかのことを思い出させたり、その時のテーマに想いを向けたり、今の自分の自由な動きを受容したり(YES!)、
踊っている私達の身体と心と精神が、もっと繋がりやすくなるように、
それらが大きなものとも、もっと繋がりやすくなるように、働きかけてくれる。
決して「こういうふうに踊りなさい」ということはない。
そして、踊り終わって最後の1分は、参加した皆の声を聴いておしまい。

この踊りに振り付けはない。
誰かに見せるために踊るのではない。
何かに捧げるために踊るのでもない。
ただ、自分の動かしたいように、自分にとって心地良いように体を動かす。
「こうすべき」や「こうしてはいけない」はない。
踊れるかどうかなんて関係ない。
誰もがダンサー。
まず、身体を動かす。

テーマは時期よって変わる。
自然のエレメント(大地・火・水・風)に関連したテーマが多いみたい。
今週は「大地と火の融合」。

音楽は週ごとに変わる。
選ばれる音楽にも、テーマにつながる想いがある。
今週は「Prayer to Sanghe Menta」by Lama Gyourmé」という曲。
https://www.youtube.com/watch?v=io2amrkUPOQ
薬師如来への祈りを歌った曲だそう。

音楽はとても大事で、
響くリズムに合わせて、身体が自然と心地よさを見つけていく。
音楽に委ねる。身体に委ねる。
思考を手放す。意思を手放す。
身体が動くことで、「そうだったんだ」と自分のことがわかる。


この朝のダンスの15分を持つことで、
感覚と感性が開く、目覚めると感じている。
そして、感覚と感性が開いた状態で一日を始めると、
なんだかとても楽なのだ。
何もかもをすごく自然に受け取ることができる。
自然にというのは、考えすぎず、ジャッジせず、という感じ。

最近感じているのは、自分を固定しなくて良いということ。
何もかも、変容することが自然であるということ。
今この身体を流れる血は、昨日の血とは違う血で、
今のこの呼吸は、さっきの呼吸とは違う呼吸で、
私は、どんどん細胞が入れ替わり、変容しながら生きている。

この瞬間にも大地からは何かが生まれ、何かが還り、
水は流れ、海に出て、空に昇り、また大地に降りる。
風は動いて何かを運び、ぶつかったり、向きを変えて流れたり、
いつも変わらず輝いているように見える太陽だって
限りあるものが燃えていて、私達に届く光は同じではないのだろう。

私の中にも太陽があり、あなたの中にも太陽があり、
私もあなたも太陽も、変容しながら今ここにある存在で、
きっと大きく大きく繋がっているのだろう。

そういうことを考えるんじゃなくて感じられる、
朝のダンスはそんな時間。


「誰もがダンサー」ってすごくいいなと思う。
身体を動かして踊れば、誰だってダンサーだよ。
「私もダンサー」って声に出してみたら、なんだか嬉しくなって、すごく力が湧いてくるよ。

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