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音楽コラム

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#ヴァイオリン

認知症の方たちへ届ける音楽の役割とは

ヴァイオリニストでもある夫は、認知症の介護施設で働きながら、ご利用者さまのために毎月コンサートを企画し、先月とうとう、100回目を迎えることになりました。 周りからは、その価値が本当の意味では理解されていないとしても、わたしは家族として、また同じヴァイオリニストとして、誇らしい気持ちでいっぱいですし、彼を心から尊敬しています。 彼の想いに賛同し、数年前からわたしも度々参加させて頂いておりますが、全身全霊で真剣に聴いてくださる姿に、いつもこちらが癒されるばかりです。 皆さ

周波数セラピーとは

バイオリンという楽器は弾くたびに、何度も調律を行います。 その日の湿度と温度に左右されるだけではなく、練習の中で弦を指で押さえ、弓でこする度に、ズレが生じるからです。 人間の体もまた然り。 この地球でさえ常に揺れているわけですから、固定されたものなど、ひとつとして存在しないのかもしれません。 音についてお話をするとき、風鈴に例えることがよくあります。 うだるような真夏の暑さの中、音を聴いたからといって、物理的に温度が下がる訳ではありません。ですが「美しい音」が存在す

私の中の松岡修造(仮名)を手放す

クラシック出身の演奏家の大半は、幼いころから体育会系の練習と根性論を叩き込まれるせいか、大人になっても、限りなく低く設定された自己肯定感に悩まされるというのは、よくある話です。その結果、辿る人生は2択。 自分をいじめるか 他者を攻撃するか 幸か不幸か、わたしは前者となって、DVを始めとした様々な暴力を、数十年に渡り引き寄せ続けた訳だけれど、先日、体のケアをお願いしているRさんから、ニューロオリキュラを受けたところ 「ハートのうしろに、暑っ苦しい情熱の塊みたいな存在がい

男性性と女性性の統合

ヴァイオリンリサイタルまで、あと2週間とすこし。 今までは、ピアニストさんとお互いの世界観を照らし合わせ、音を探ってきたけれど、ここから先は「ひとつの音」としてふたりが融合していかねばなりません。 そう考えたとき、自分の中に、女性性に対するブロックが根強く残っていることを発見しました。 そう。わたしは、自分が女性であるという事実を受け入れるのに、とても抵抗があるのです。 生まれ変わったら、絶対に男性になって、ひとりの女性をしあわせにしたい。 それが、わたしの昔からの

音楽家の言語は擬音である

最近の一日の至福の過ごし方は、午前中に家事と妻へのサービス(嫉妬深い文鳥ヨーヨー)を済ませ、蔵へこもって8時間ほど練習。 家へ戻って簡単な食事と妻へのサー(以下略)、ダンベル運動と軽いジョギングを7〜8km、半身浴をして就寝というもの。 こんな生活が一生続けばいいのに、と願いつつ、今だけ限定のしあわせを噛み締めています。 今夜は、走りながら見上げた夜桜と月がとてもきれいでした。 眠る前にnoteの皆さまの記事を拝見しながら、きょうは言葉をひとことも発していないなぁと思

エゴと友達になる

先日、わたしの楽器を作ってくださった工房を訪れて、リサイタルに合わせたセッティングに一新してもらったところ、すべての感覚が今までの1/3以下の力で済むようになってしまい、あまりの軽さに途方に暮れて、3日間蔵へ籠もり、必死で糸口を見出していましたが・・・・4日目の本日、やっと光が見えてきました。 その方法を採用すれば、どんなに身軽になれるのか、頭ではわかっていても、今までしがみついてきたものを手放すというのは、何かしら抵抗がみられるものですね。その努力は無駄ではなく、必要な過

アロマチャクラ音楽会セッションのご感想

わたしの身体は、背骨を境としてイザナギとイザナミのように、左半身が男性性、右半身が女性性に微妙なバランスを取りながら、完全に分かれています。 そのような身体と付き合いつつ、自分ひとりではうまくいかないとき、全幅の信頼でもって体のケアをお願いしているRさんに、調整をお願いしていたある日 「音についてぜひ、お話をして欲しい」と企画して頂いたのが、アロマチャクラ音楽会でした。 豪雨が降りしきる中、一流のヒーラーさんが集結した、ありがたくも緊張する一日を振り返りたいと思います。

音楽家のためのコーチング

人は情報処理を5つの感覚で捉えているようです。 視覚(目)83% 聴覚(耳)11% 嗅覚(鼻)1% 味覚(舌)2%    触覚(皮膚)3% 優位な感覚(大抵2つ以上の組み合わせ)を知ることで、自分の強みに焦点を当て、長所を伸ばしていくことができます。例えば 「海をイメージしてください」 と言われて、何が思い浮かびますか? ①波の音や、かもめの声、こどもたちの楽しそうな笑い声でしょうか? ②映画のワンシーンのように海の映像やイメージが見えるのでしょうか? ③それと

僕だけがいない街

今月はNetflixで公開を心待ちにしていた『スタートレック:ディスカバリー』シーズン3を、夜な夜な少しずつ観賞するのが、毎日の楽しみでした。 観賞を終えて、他にも何か観てみようかな、と2017年に劇伴で演奏させて頂いた「僕だけがいない街」を思い出しました。 無音映像を観ながらの録音でしたが、それだけでも惹き込まれる何かがあって、ずっと気になっていたのです。 【あらすじ】 主人公の藤沼悟を襲う「リバイバル」といわれる、時間が勝手に巻き戻る不思議な現象は、そこで起こる事件

乗り越えるために与えられた傷

以前、演奏のお仕事で素晴らしい演奏家さんとの出会いがあって、この方が捉えているであろう音の世界に、心が震えたことがあります。 わたしは普段、お相手の了承なしに、リーディングのようなことはしないよう心がけているのですが、このときばかりは、どういう訳か、勝手に見えてしまった映像とメッセージがありました。 まずは鋼のように強靭かつ硬直した左半身と、首の根元に差し込まれた4本のボルトの映像。 「これらは音の深淵を探り、音と向き合わせるために、自分で設定した負荷」 というメッセ

地から風へ抜けるコンサートプログラム

4月10日に企画しているクラシックコンサート・・・緊急事態宣言も明けていないこの時期に、どうにもお声がけしにくく、noteとブログにひっそりと載せていただけだったのですが、予約サイトにログインしたところ、残席20席となっておりました。 そのうちのおひと方がnoteでフォローさせて頂いているokuraさまで、宣伝までしてくださって・・・ 人間の姿をした天使さんってほんとうにいるんだな、と涙しました。ありがとうございます! 今回のコンサートプログラムでは、地の時代を代表する

風のような音を出す

音をエゴの力で発すると、物質に変化して、そのまま跳ね返ってくる。 愛の波動から発すると、体を通り抜け、相手のハートまで届く。 愛の波動とは、見えないものを、想像する力なのだ。 風のように優しく、力強くありたい。

ヴァイオリンリサイタルのお知らせ

昨年の秋から見送っていたリサイタルですが、2021年4月10日(土)14時から、やなか音楽ホール(西日暮里駅徒歩4分)にて、予定通り開催することに決めました。 まだ自粛期間も明けておりませんが、さらに先へ日程を伸ばすことは難しく、また、予定していたよりも、ずいぶん長い時間をかけて準備してきたこともあって、ここでひとつの区切りをつけたいと、勝手ながら思っております。 席数はホール収容人数の半数以下とし、入り口での検温・手指の消毒、休憩時間意外にも、曲間に5分程度の空気の入れ