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【実録】中国旦那の実家で過ごす旧正月

旧正月(春節)は、日本で言うところの仕事納めから三が日までの大型連休です。
基本的には大晦日の1日と、新年の5日間を合わせて6日間がカレンダー上のお休みですが、みんな前後に休暇をくっつけまくってとにかく休みます。

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我が家は10日間で、長い人では3週間もの休みをとる人も!
仕事初めはだいたいみんな一緒なので、年末の休みを前倒しにするパターンがほとんどです。

この旧正月の連休、多くの人が老家( lǎo jiā )と呼ばれる実家へ帰省します。
中国旦那に嫁入りしたら、そこはもう我が家!
10日間だろうが3週間だろうが、とにかく家族と一緒に行動が基本です。

というわけで今回は、実体験をもとにした旧正月の過ごし方をご紹介します。

私は去年に引き続き2回目の老家( lǎo jiā )なんですが、私の世界がいかにちっぽけであったかを思い知らされるイベント(てかハプニング)が連続して止まらない。

さあみなさんご一緒に、レッツ異文化交流!

嫁入りしたらもう家族

私は日本で嫁入りしたことがないので、比較材料が少ないのですが、それでも中国の嫁入りは私の予想とだいぶ違う。
なんていうか、ガチの実家に帰ってゴロゴロして寝正月と変わらない。

中国では女性が嫁に行ったら、もう相手の家族の一員とみなされるらしいです。
嫁<娘、みたいな印象。

旦那の両親は三食におやつまでモリモリ食べさせてくれて、片付けなんてさせてもらえない。
「せめてこれくらい」と軽い気持ちで、食べ終わった自分のお皿を台所まで下げようとしたら、めっちゃ怒られます。
それが怒られ方もまあ斬新で。

「そんなことしなくていい! さっさとベッドにもぐりこんでスマホでも触って遊んでなさい!」

義父は私のお皿を取り上げて、プリプリしながら台所に消えていきました。
わあ、なんかうちの家族より家族みたい。

隣で豪快に食べて満足した愛息子・ヤンくんは魚の骨もティッシュも散らかし放題でゴロリと横になってスマホに夢中!
さすがだぜ、息子。見習わなきゃ!

こんなカンジで、「あの嫁は…」みたいなシーンはひとつもなく、ちからいっぱい堕落させてもらえる旦那の実家です。
個人差、家庭差があると思いますので、あくまでn=1の例として。

帰り着くなり「寒いからコレ着てね!」と支給されたモコモコパジャマ。中国の田舎では冬の定番スタイルだそうです。
モコモコにくるまれてベッドの上でゴロゴロしたり、パソコンに向かって趣味に没頭したり。

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食事の準備も片付けもしなくていい、むしろ食事のことなにひとつ考えなくていい。
洗濯も掃除もしなくていい。

出かけるところがないド田舎だから、食卓とベッドを往復するだけでいい。たまに必要なトイレがすごく遠い。

ここにパソコンとスマホとWifi回線させあれば、私にとっては天国と同義!
SNSチェックして、読書に中国語学習、合間にまたSNS、それから執筆して、YouTubeとSNSと…
エンドレスで楽しめます。

老家、サイコー!

すっと渡された〇〇と驚愕の一言

とはいえ、楽しいことばかり続くわけもなく。

夜になって、すっと渡されたのは洗面器と、新品の手ぬぐいみたいな薄手のタオル。
義父はニコニコしながら私に言いました。ヤンくんの通訳によれば…

「これにお湯をはって、タオルで手と顔と足と尻をきれいにしてから寝るんだよ」

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え?
なになに?

その4箇所が同列に扱われる?
洗い桶ひとつとミニタオルで、それ全部イケる?

「みんなそうしてる!」

洗い桶と義父の顔を交互に見つめる私の横で、ヤンくんが満面のドヤ顔です。

そうです。
実家にはなぜか風呂がない。

普段は公衆浴場に行ってるとか。それも2,3日おきに。

人生の全経験を総動員しても、激しめの妄想をいくらかき立てても、全然思いつかない。
どうやってみんな、尻と顔を! まとめて! きれいにするの!!!

結局、前回も今回も洗い桶は活躍しません。

ヤンくんに(かなり強めに)リクエストとして、近所のスパランドみたいな大きめのマッサージ屋に併設されているシャワーに行ったり、ひなびたビジネスホテルを時間貸し利用したりして、顔と尻どころか全身くまなく洗わせてもらっています。2,3日おきに。

毎日お風呂に入らないといけないって、幻想だったんだな、と。
私の世界はぐんと広がって、週に数回のシャワーだけで十分快適! と感謝できるようになりました。

さらにすごいのは、同じく中国旦那に嫁いだ友人Aです。
私は上海付近の沿岸部の田舎、彼女は山奥の田舎。同じ田舎でも、明らかに異種でした。

洗い桶を手渡されるところまでは一緒ですが、彼女は2週間以上の滞在で、一度もシャワーを浴びないそうです。

「髪の毛がねえ、髷を結った相撲取りみたいにそりゃもうテッカテカ!」

と自分で言って笑う友人A。
私の田舎は町みたいなもので、彼女の田舎はまさに農村らしい。

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郷に入れば従うとはこのことで。
私達はそれぞれの田舎でのライフスタイルを享受しています。

老家、サイコー??

食事は三択:宴会か、ごちそうか、〇〇か

実家でぬくぬく過ごしていれば三食みっちり食べさせてもらえる。幸せ。

外に出れば、旦那の旧友との宴会か、親戚との宴会か。
これまたホント親戚が多くて、毎晩のようにメンバー総入れ替え。

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今日は父方の叔父一家で、明日は母方の叔父一家、あさっては母方の叔母のいとこの・・・

ヤンくんが説明してくれるけど、理解が追いつかない。
口頭じゃムリだから! 家系図はよ!

宴会の食事もそれはそれは豪華で美味しいので、個人的には満足なんですが。
とにかくおしゃべり大好き、そしてプライバシーとかぶっちぎりの中国式会話。

結婚したら次は結婚式、それから子どもね!
で、いつなの?
もー、早くしないと〜

みたいな夫婦で話し合いが必要な繊細な部分も、ドスドスざっくり斬り込んでくる。
しかも代わる代わる、毎晩。

私はまだ会話しなくていい(できなくてもいい)けど、ヤンくん、これ、大変だろうなあ。

ちなみに、中国語勉強中の外国人特例みたいな扱いでほっとかれていますが
中国語カンペキな友人Aは、中国式の旧正月の挨拶テンプレ(父方or母方 x 叔父or叔母 で異なり、すんごいパターン多いらしい)を暗記しまくってから宴会に臨むそうです。

実家でごちそうか、宴会で美味しい食事か。
それらと同じくらい多いのが、餃子。しかも水餃子、てかゆで餃子。

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大晦日には晩会(紅白みたいな、毎年恒例の歌番組)を見ながら、家族で餃子づくりをするのが旧正月の過ごし方。
そして年が明けてから毎日一食は餃子。皮から手作りで美味しい。うん、美味しいんだけどさ。

日本でお雑煮を食べ続けるのとすごく似てる感覚。中国ではゆで餃子を食べ続けるのが新年です。

老家、うん、老家。

旧正月は毎日が異文化交流

いかがでしたか。
我が家の旧正月、ご堪能いただけましたか?

日本でフツーに嫁に行くよりかは、中国でフツーに過ごしているほうがアドベンチャー感があって、ヤンくんやヤンくん家族に感謝しまくりです。

旧友や親戚たちも、言葉がわからないなりによくしてくれます。
みんな! 今年もよろしくね!


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