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寝たきりがピアニストになるまでの話
作曲を始めたきっかけは、数年前に事故で脳脊髄液減少症を発症して寝たきりになり、初めはただ音楽を聴いているだけでしたが、次第に自分でも音楽を作りたいと思うようになり、寝たままでも作曲できるDTMアプリを見つけたのがきっかけです。
作曲を進めるうちに、自分の作曲した曲を自分の手で弾きたい!と思うようになりに、今の状態で弾けるように試行錯誤してきました。
闘病のはじめは、「入院や手術治療を頑張って、病気が治ってからピアノを弾こう」と思っていました。
手術治療さえ受ければ絶対に治る!!!と信じてやまなかったのです。
しかし闘病を始めて何度手術を受けても、3年経っても良くならずむしろ悪くなる一方。
このままでは一生弾けない。
ある時、「〇〇できるようになったら〇〇しよう」という考えが自分を苦しめていることに気づき、そこから今できる最大限の夢を叶えていく事に考え方を変えました。そのうちの一つがピアノを弾く事でした。
今日は、今の寝たままの状態で演奏するまでに、試行錯誤した思い出をブログにします。
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初めは「寝たきりピアノ」や「寝たきりピアニスト」をネットで検索しまくって、寝た状態で弾けるピアノを探していました。
しかし、既存の物で買えるものはこの世には存在しないということがわかったので、初めは床に布団を敷いてその横にピアノを置いて弾いてみたり、
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ベッドの真下に置いて頭と両腕を床にたらすようにして弾いてみたりいろいろ試しました。でもその方法ではうまく弾くことが出来ませんでした。
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自分の作った曲を自分の手で弾くという夢を諦めきれなかった私は次の段階に移ります。
ベッドの上にピアノ台を置いて弾く方法を見つけ出しました。
しかし、寝た状態からでは鍵盤が全く見えず初めは手探りで弾いていましたが、何か目印があった方が弾きやすいと思い「ド」と「ソ」の場所に白のビニールテープを貼りました。
これによって寝たままの演奏が一時可能になりました。
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ペダルはベッド上で踏みます🔻
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脳脊髄液減少症の手術、髄液漏閉鎖術で私の腰にはボルトが埋め込まれている為、腰にクッションを敷きます🔻
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しかし、90度に手首を曲げる演奏は両手に大きな負担がかかったようで、酷い腱鞘炎にかかり全くピアノが弾けない振り出しに戻ってしまいました。
やっとの思いで見つけ出した自分がやりたかったことが出来なくなってしまった悲しさや悔しさで、毎日泣いていました。
でも夢をあきらめきれなかった私は次の段階へと移ります。
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鍵盤を傾けて少しでも見えるようにすれば手首への負担も軽くなるのではないかと考え、
「鍵盤傾け大作戦」の家族会議が開かれました。
父は初め消極的で、痛めない程度の短時間で今までのままで弾けば良いと言いました。
しかし、私はこの腱鞘炎のトラウマで元の角度で弾くのは怖くなっていたので改良することを強く望みました。
母はピアノ台を傾けてこの角度に足がなったらいいのにと持ち上げていたら、父と妹がそれは無理でしょうと小馬鹿に笑っていました。
妹が台の上に三角形の物を置いたら角度がつくのではないのと言い、父がそれなら作れると言って、なんと試作品を作ってくれました。
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そして今の演奏体制が完成しました。腱鞘炎は治っていないので手首を固定する意味でもサポーターをして演奏をしています。
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私はこの寝たきりピアノを弾いている時はいつも思います。
私は起き上がって歩くことができないので、指を使って鍵盤の上を歩きます。
そして私は寝たきりで外に出ることができないので、曲に乗って外の世界に出ることができるのです。
音楽は目には見えませんが、こんなに明るく楽しい世界があるのですから、
私はまた前を向いて歩いていけるのです。
「独自の演奏法について」
私は病気の症状で仰向けになり続けることができないので、驚かれるかもしれませんが練習が全くできません。
練習ができなくとも、何とか人に聴いてもらえる「質の良い演奏」を届ける工夫を考えてきました。
腱鞘炎の手と指そして、手術を繰り返した体に負担がかからないように
「5分以内の一発即興演奏」で収録しています。
それを可能にするのが
●ミスを減らすために難しいコードを使わない。
●腕を高く上げることが痛みで出来ないので黒鍵を出来るだけ使わない。
●トランスポーズ機能を使って、白鍵だけで演奏できるよう移調する。
●頭の中でどんなふうに弾くかを考えながら鍵盤に手を置く。
これが限られた5分という時間の中で最善の演奏をするために私が考えた演奏法です。
...このようにして、今私は作曲した曲を自分の手で演奏することができています。
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...最後まで読んでくださりありがとうございました。
これからも私らしい音楽を作り続け、そして自分の演奏で届け続けたいです。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
星野希望
いつもありがとうございます♡とても励みになります。