教壇に立ち続ける 117 今週の反省【note限定記事】
採点業務が終わりません。生徒の課題は早めに返したいのですが……なかなか難しいですね。どうも星野です。今日のお題はいつものやつ。「今週の反省」です。記録もたまっていたので書いておきます。3学期のテストに向けた話も少々。この記事を読んで、参考になったなーとか、いいなと思って頂けたらサポートをお願いします。minneとFantiaはこちら。頑張って更新します……たぶん常勤になったらお休みしちゃうと思うので、今のうちに書けるだけ書いておきたい。
頑張っていること
最近板書の構成を考えるのがうまくなったなと自分でも実感しています。何というか、こうしたほうが視覚的に見やすくてまとめやすいだろう、というのが直感的にわかるのです。例えば、字の大きさはどのくらいがベストなのかとか、座席の位置によって見える黒板の角度だとか、色の対比だとか、矢印の意味の持たせ方だとか、自分の中でルールを決められているのが大きな要因なのかもしれません。最初の板書計画では無かった部分も、生徒の発言やつまずきを踏まえて授業内で即興で書くことが増えまして、それもいい訓練になったのでしょう。とにかく板書を書くときのコツは「デザイン性」にあると思っています。実際の写真をお見せできないのが心苦しいです……具体的には、余白を活かしながら図式化することが大事です。文字だけだと頭に入ってこない生徒もいるので、グラフや相関図、表など整理して伝えることを徹底的に行っています。書き写すのは確かに大変そうですが、このやり方のほうが生徒も理解が進んでいるようです。ただ、注意しなくてはならないのが「やった気になっている」だけにさせてしまっていないか、ということです。書いたら理解できた……と思っているだけで、実際のところ説明できない、みたいな生徒がちょこちょこ見受けられるので、気を付けて指導していかないといけないなと思っています。まずは「文字を読んだら図にする」習慣をつけてもらって、そこから読み取る能力を高めていってほしいと考えていますので、図式化についても今後研究していきたいです。
改善したいところ
一方で私自身の説明下手が露呈した1週間でもありました。生徒に対して指示が通らないことが多く、なんでだろうと首をかしげていたのですが、ひとつには生徒があまり集中してこちらの話を聞いていないことがありました。こちらに注意を向けさせる、何度も繰り返し言葉を尽くして説明することが必要だと痛感しました。それ以上に問題だと思っているのが、私の使う語彙と生徒の知っている語彙の間に乖離があって、何をしてほしいのか生徒にはいまいちピンと来ていない現象です。もちろん生徒に語彙の獲得をさせるのも私の仕事です。口が達者な生徒、読書家の生徒、頭の回転が速い生徒は1回で「何をしてほしいか」が理解できるようなのですが、そうでない生徒は何回言っても通じない……というのが現状です。これを打破するべく今考えているのは、私が説明を平易な言葉で言い換える練習と、生徒に「今何をする時間なのか説明させること」です。お互いの歩み寄りだと思うので、少しずつ訓練していくしかないですが、生徒にも「今は黙って問題を解く」とか「今はノートに意見を書く」とか、メリハリをつけて学習活動に取り組んでもらいたいと思っています。魅力的なコンテンツを提供することも視野に入れながら、最後の授業まで残り数回を大事に実施していく予定です。
実践報告
今週の実践をいくつか。
中学生の授業では「平家物語」に取り組みました。まずこの授業では、古典への導入として2学期に行った「枕草子・徒然草」と繋げ、知識を定着させるためにプリントで復習できるように「係り結びを指摘する」「歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直す」練習に取り組んでもらいました。この時期はコロナの関係で部活動中止に加え、臨時の時間割や入試休み等で時間が少なくなってしまっていたので、自宅でできることをやってほしいと思っているのですが、重い腰はなかなか上がらないようです。興味をひくために、生徒に「無常観」について「武士は命より名誉を重んずる」という話をしたら、「考えられない!」とカルチャーショックを受けていました。そして那須与一が70mほど距離があるのに誤差3㎝で扇を射当てたのを知った生徒がひとこと、「俺もそうなりたいから猟師(マタギ)になる」。思わず吹き出してしまいました。
高校生の授業では「時間と自由の関係について」という評論を扱いました。今は最後のまとめに入っているところです。授業時数が限られている中でまとめきったのは良いのですが、理解が浅いので補填のプリントを作成して取り組んでもらうことにしました。生徒は勝手に筆者の論理を曲解してしまう癖がある(これは意図していないもののようです)ので、あの手この手を使い脱線するよりは、生徒の誤解を修正しながら理解を深める方向で進めていくほうがふさわしいと判断したためです。生徒の中には読書家で論の進み方を理解するのが得意な生徒もいれば、何が書いてあるのか、何を主張しているのかさっぱりわからないという生徒もいるので、できるだけ全員がこぼれ落ちないように指導していきます。
ちなみに、この評論を使って作問したのですが、かなり意地悪な問題を作ってしまったので、反省しています。公開するかは未定です。
最後に反省ノートを。それでは、また。
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