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転職活動の方法

この記事の概要

  • 主に大学生や、数年以内に新卒入社した人に向けて、転職の方法を書きます。将来転職することを選択肢に入れた企業選びをしたい人、今の会社にこのままいてよいのか不安な人、転職活動の方法が全く分からない人などの参考になればと思います。

  • 大卒以上向けです。

  • 民間の営利企業かつ大手ホワイト企業の正社員を目指す人向けです。

  • 心身ともに健康な状態であることを前提とします。なお、ケガや病気によるキャリアの中断については、企業は善意的な配慮をしてくれません。プラスマイナスゼロになるか、空白期間や再発のおそれがある分マイナスになるかのどちらかです。それをふまえた上で、医師等と相談してどうするか決めてください。

まず最初に決めること

転職活動のタイミング

  • 現職に在職中か離職中かは重要です。絶対に、次の仕事が決まる前に今の仕事を辞めてはいけません。欠勤や休職の状況まで聞かれることは通常ないですが、現在在籍中か否かの報告が必要なので、とにかく何をしてでも在籍し続けてください。どうせ辞めるつもりなら嫌われても怒られても平気です。一度ゆっくりしたい人は、内定先への入社時期を遅らせるよう交渉すればよいだけです。

  • 離職中の人が不利な理由の1つは、「前職がよほど嫌だったんだから逃げる目的で転職活動をしてるんだろうな。嫌なことからすぐに逃げる人なんだろうな。」と思われるからです。また、次の仕事が見つからないのに離職することは、計画性がないとも思われます。

  • 2つ目の理由は、「既に離職中であれば時間をかけて仕事を選べない立場にあるんだろうな。」と思われるからです。中途採用では給与交渉等も重要になってきますので、相手に弱みを見せるのは得策ではありません。また、エージェントからゴミ求人を勧められやすくなるのも同じ理由です。

  • 最低でも3年は働かないと不利というのは本当です。特に新卒の1社目を3年以内に辞めた人は、社会人としての基本的な業務に耐える忍耐力がない、就職活動時にしっかりとした将来設計をしていなかったなど、非常にネガティブな印象を与えます。第二新卒という言葉は転職仲介業者が勝手に生み出しただけで、採用担当者の頭の中には存在せず、単なる社会不適合者と思われると認識した方がよいです。

  • 賞与は、評価対象期と支給日のいずれにも在籍していないともらえない会社が多いです。4月から9月の評価に応じた賞与を12月に支給する企業の場合、9月末まで在籍していたとしても、12月の支給日に在籍していなければ1円ももらえないということです。したがって、6月や12月に賞与を貰い、7月や1月から転職する人が多いです。

  • 企業は採用にあたってエージェント手数料等を消費します。これは4月~3月で予算が決められることが多いので、1月くらいになると予算消化のために求人が増える傾向があります。

  • また、採用できる人数も、年度単位でカウントします。年度のはじめの頃は「もっといい人がいるかも」と求職者を選り好みしてなかなか内定が出ず、1月くらいになって枠を使い切らないともったいないという理由で適当に内定を出しがちです。

  • さらに、人事担当者は採用目標数のノルマを負っています。これについても3月締めなので、目標を達成するため、1月くらいから合否基準が緩くなりがちです。

  • 一方で、3月中盤以降になると、既にノルマを達成してしまっている可能性が高まります。これらをふまえると、1月から2月くらいに就職活動をして、3月や4月の入社を目指すのが最も合格可能性が高いと言えます。

  • 社内手続きや入社初日のオリエンテーション、給与計算の都合上、毎月1日のみが中途入社可能日である企業が多いです。

転職エージェント選び

  • 社員紹介、リファラル採用、コネ採用等を除くと、転職に利用するものは転職エージェント一択です。これ以外は必要ありません。求人サイト、スカウトサイト等はあまり良い求人が多くないうえ、エージェント限定のいわゆる非公開求人というのが多数あるためです。ここが、誰でも自由に応募できる新卒採用との大きな違いです。むしろエージェントを利用しないと、良い求人を見逃すことすら頻繁にあります。

  • エージェントによっては、エージェントが紹介する求人の中から選ばないといけない場合があります。こういうエージェントはたいていゴミ求人を押し付けてくるだけなので、自分でエージェントが持つ求人を検索し、自由に応募できるエージェントを探した方が良いです。

  • エージェントは、紹介した人が転職に成功すると、1年目の想定年収の30パーセント程度を報酬として企業から受け取ります。このため、エージェントとしては、他のエージェント等経由ではなく自社から採用してくれそうな企業に対し、良い人を紹介する傾向があります。そこで、企業は「これは貴エージェント限定の非公開求人だからよろしく頼むよ」と、お願いします。これが、非公開求人に良い求人が多い理由です。

  • エージェントは0次選考を行うことが仕事です。すなわち、求職者が「この企業に応募したいです」と名乗りを上げた場合、まずエージェント内でその求職者を本当に企業に紹介してよいか判断し、そのフィルターを通った人のみ、企業に書類が送られるということです。

  • このエージェントフィルターの内容は、企業が事前にエージェントに伝えている希望に沿うかです。具体的には、現職の業務内容や会社規模、年齢、性別、学歴、転職回数等、あまり公にできない採用基準を含めた様々な条件があります。

  • つまり、企業としては、フィルター作業を自ら行うのが面倒なので、エージェントに任せているということです。ちなみに、エージェントによっては、「この求人は女性限定だから男性は無理です」などとオフレコで教えてくれる担当者もいます。

  • 新卒エージェント同様、転職エージェントにも胡散臭い企業が多数あります。私が知る限り、リクルートエージェントが最もオススメです。次点でDODAです。大手は求人数が多いことが一番の理由です。

  • また、私が採用担当として受けた印象では、リクルートエージェントは企業に対して求職者をゴリ押ししてくれます。一人の求職者として受けた印象では、リクルートエージェントは求人を検索できるアプリが使いやすいと感じました。さらに、エージェントはよく過去の紹介実績等をもとに面接で聞かれることを事前に教えてくれるのですが、リクルートエージェントはその精度が高いです。

  • エージェントは原則として1社で十分です。ただし、全く違う複数の業種や職種を目指している場合、複数のエージェントに登録し、エージェントごとに違う希望を伝えると便利です。

求人への応募手続き

エージェント登録

  • ホームページ等からエージェントに登録します。すると、早ければ10分、遅くても1日以内くらいに電話またはメールで連絡がきます。そこで、最初のエージェント面談の予定を決めます。

  • エージェント面談は、60分から90分程度であることが一般的です。ここで、転職したい理由や希望する業界や職種、希望年収、希望勤務地等が一通り聞かれます。

  • エージェント面談は0次面接だと思ったほうがいいです。つまり、「給料高ければなんでもいいから紹介してください」とか、「前の会社はパワハラきつかったんでやめました」とか「今は社内ニートです」とかは言わない方が良いということです。詳しくは後述しますが、特に転職理由や現在の業務内容については、エージェントに対しても、面接で言える話のみをしてください。給与や休日等の求める条件については、本音で話しても大丈夫です。

  • ということは、エージェントに登録する時点で、転職理由と現在の業務内容、志望業界や職種について、矛盾のない説明ができるようになっていなければならないということです。建前としては、このあたりの相談に乗ってくれるのもエージェントということになっていますが、それは現実とは違います。エージェントは企業からお金をもらっているので、汚い本音を聞いてしまった人を企業に紹介しにくいです。

  • どうしても誰かに相談したい場合は、適当にマイナーなエージェント等を見つけて登録し、エージェント面談の練習をするとよいです。そこで慣れたら、本命エージェントに登録しましょう。

  • エージェント面談は、対面、オンライン会議、電話などいろいろあります。

  • エージェントがあまりにも転職が難しい求職者だと判断した場合には、サポートを断られることがあります。具体的には、年齢の割に多数回転職している、重度の病気がある、求める条件が無謀すぎでありエージェントが「それ無理だよ」と伝えても全く聞き入れない等です。

  • エージェントの担当者に嫌な人がいるのは事実ですし、個人の相性があるのも認めますが、エージェントから見ると求職者は商品です。良い商品を仕入れられると簡単に企業に売りつけることができ、担当者は楽してノルマを達成できます。したがって、はっきり言うと、エージェントに嫌な対応をされるのは自分の商品価値が高くないからだと理解した方が良いです。そういう人はたとえ担当者を変えてもらっても、満足のいく転職は難しいです。

  • 断るべきところは断ったり、無視すべきことは無視する必要がありますが、一方で、エージェントには丁寧に接した方が良いです。特に、メールや電話の連絡はできるだけ即レスを心がけましょう。繰り返しになりますが、エージェントは0次面接官なので、エージェントへの心証を良くしておくことが極めて重要です。

履歴書・職務経歴書の作成

  • エージェント面談が終わると、履歴書と職務経歴書をエージェントに提出するよう求められます。基本的に、この後応募する全企業に対して同じ履歴書と職務経歴書を提出します。これが、複数の遠すぎる志望業界・職種がある場合にエージェントを複数使い分けた方が良い理由です。

  • ある程度業界や職種を絞ったとしても、当然企業により違いはでてきます。そこで、履歴書には自己PRやいわゆる転職活動の軸のようなものを記載し、個別企業への志望動機等は書かない方が無難です。もちろん、担当者に頼めば企業ごとに別の履歴書を出してもらうことも不可能ではないと思います。

  • 職務経歴書については、エージェントがテンプレートを持っています。また、エージェントに提出すると、担当者が添削してくれます。

  • 職務経歴書は、できるだけ詳細に書いた方が良いです。ちなみに、多くの人が話を盛ります。営業成績1位の人や売上を20パーセントあげた人、プロジェクトマネージャーをした人、最速で管理職になった人などが大量発生します。これらは基本的にバレないので、嘘をつき放題となっています。

  • ただし、エージェント面談と同じく職務経歴書についても、嘘をつくならエージェントに対してもそのようにする必要があります。嘘のつき方を教えてくれるエージェントはいません。

  • どの程度の嘘なら許されるかは何とも明言しがたいので、就職活動の時の感覚を思い出してください。総じて、「ちゃんと話を作れば意外とバレない」です。特に、優秀な同僚の話を自分の話のように語る人は結構いると思います。

  • ここまでの準備が終わると、いよいよ求人に応募できます。応募方法は、求人を探して「応募する」ボタンをクリックするだけなので、簡単です。

エージェントからのおすすめ求人

  • リクルートエージェントやDODAの場合、専用アプリ等を使い、自分で求人を検索できます。この際、「エージェントのオススメ」みたいなフラグが立っているものもありますが、無視しましょう。そのフラグの有無にかかわらず、応募したい会社のみ応募したほうがよいです。

  • エージェントは「ここなら受かりそう」というレベルの求人をおすすめしてきますが、転職活動に時間制限はありません。ゆっくり落ち着いて、自分が入社したいと思える企業にのみ応募しましょう。総じて、自分のキャリア選択を他人に任せるとろくなことがないです。

  • 多くのエージェントにおいて、サポート期間が決められています。しかし、その期間を過ぎても無料で簡単に延長できるので、全く気にする必要はありません。転職を急かされても、堂々と無視してください。

  • エージェントから応募社数が少ないと怒られることもありますが、これも無視しましょう。エージェントはさっさと転職先を見つけさせて終わらせたがっているだけなので、きっぱりと断ったり無視する能力が必要です。

  • そもそも、求職者がエージェントに登録する目的は、非公開求人を閲覧したり、事務手続きの一部を代行してもらうためであり、エージェントに職探しをしてもらうためではないということを覚えておいた方が良いです。良い求人を自分で探して、自分で応募するのが基本です。

求人選びのコツ

  • 基本的に全て職種別採用です。経験重視です。しかし、稀にポテンシャル重視で未経験OKの大手求人もあるので、探してみる価値はあります。また、ITコンサル職の求人で、現SIerエンジニアの人を募集するなど、特定の前職からの職種転換を希望者している人を探している求人もあります。

  • 企業の求める能力や経験は、たいてい大げさに書いています。多少足りないと思っても問題ないですし、謙遜しなくても良いです。記載通りにぴったり一致する人がいないから、いまだに求人が出ていると考えるのが妥当です。

  • 求める要件は、必須要件と尚可要件にわかれています。尚可要件はもちろん、必須要件すら満たしていなくても受かることはわりとあります。

  • 給料については交渉次第であり、希望通りでなければ簡単に辞退できるので、最高年収さえ確認すれば問題ないです。最低年収はあまり気にしなくて大丈夫です。

  • 休日やその他の条件については、新卒時と同じくOpenwork等で調べてください。

選考過程

書類・適性検査

  • エージェントによる0次選考のあと、企業に履歴書と職務経歴書が届きます。企業によっては、別途メールで志望動機等を提出させられますが、新卒のエントリーシート等に比べるとかなり軽めです。

  • 書類選考は新卒の10倍くらい通りにくいと思ってください。基本的にほぼ全部書類で落ちます。その理由は、会社別の履歴書やエントリーシートが必要なく簡単に応募できるため、応募者数が多いからです。また、新卒は1学年しか求職者がいませんが、中途ではあらゆる年齢の人が応募してきます。それにもかかわらず、採用枠は新卒より少ない企業も多いです。

  • 書類に通ると、適性検査があります。新卒と同じくSPI等で言語、非言語、性格等の受験をします。テストセンターの企業はほとんどなく、各自が自宅で受けることが多いです。SPIは新卒と中途では別の問題が用意されていますが、具体的にどう違うのかはよくわかりません。

面接(全体の流れ)

  • 書類選考や適性検査に合格すると、面接の連絡が来ます。流れに沿って適当に日程調整などをします。面接時間は夜20時くらいまでのことが多いので、早めに仕事を終えるか、テレワークの場合は仕事の合間に実施することをおすすめします。

  • 面接の前に、エージェントから面接の情報を知らされます。具体的には、面接時間、面接官の役職や人数過去の面接で聞かれたこと、合格率などです。求職者からエージェントに質問をすることも可能です。

  • 面接後には、エージェントに感想や面接官に聞かれたことの提出が求められます。感想は企業まで筒抜けになっている場合があるので、しっかりと口止めをするか、企業に見られても良いことを書くのがおすすめです。

  • もちろんおすすめは後者です。すなわち、エージェントに提出するアンケートは、面接で伝えられなかったことを伝えるなど追加でアピールする場だと認識すると良いです。

面接(質問の内容)

  • どの質問にどう答えるべきかをここで全部書くとキリがないので詳細は割愛しますが、転職理由、現職の業務内容、志望理由の3つは、高確率で聞かれるので準備した方が良いです。

  • 転職理由は、どんなに前職がゴミだったとしても、絶対に悪口を言ってはいけません。あまりにもひどい前職の場合は同情は得られると思いますが、同情がプラス点に変わることはありません。キャリアップ等、前向きな理由を答える必要があります。

  • 現職での業務内容について、面接はあくまでも転職先へのアピールの場なので、転職後の業務と関連付けてわかりやすく話す必要があります。その一方で、社外秘情報を話し過ぎないように気を付ける必要があるのでバランスが難しいです。また、日々使い慣れている社内専門用語を当たり前のように使ってしまうと、当然面接官は意味がわかりません。

  • 経験や実績が重要なので、相対的に志望理由の重要度は落ちます。また、他社がタイミングよく求人を出しているとは限らないので、「なぜ弊社なのですか?」などと詳細に深掘りされることも少ないでしょう。

  • 全体的に、行き当たりばったりの転職ではないというアピールをすることが重要です。現職との共通点や相違点、キャリアの軸などを説得力をもって話すことが求められます。

  • 新卒採用と異なり、面接官は将来の上司となる人であることが多いです。そのため、個人同士の相性のようなものも重要視されがちです。

給与の交渉

  • 中途採用の求人票では、年収欄が「500万円~800万円」など、幅がある記載の場合があります。この場合、面接の途中などで自分で欲しい金額を相手に提示する必要があります。大抵、各面接の最後に希望年収を聞かれます。こちらの希望額以上になることは基本的にないので、高めに言いましょう。

  • 転職後の年収は、基本的には現在の年収と同じか、それよりも少し高いくらいになることが多いです。したがって、現在の年収を多めに申告すると得をしやすいです。

  • 内定後に源泉徴収票の提出を求められ、現在の本当の年収がバレることがあります。しかし、これはあくまでも税務処理上の都合なので、採用担当者が源泉徴収票を注意深く見ることはありません。したがって、現在の年収が採用担当にバレることはほぼないと思います。バレたら、「勘違いしてました」「間違って伝えました」などでごまかしましょう。

入社希望時期の交渉

  • 入社希望時期についても、各面接の最後に聞かれます。基本的には、早ければ早いほど好まれます。しかし、現実的には現在の業務の引継ぎや、残っている有給休暇の消化等があると思います。そこで、内定の2か月後から3か月後くらいまで引き延ばすのが一般的です。それ以上になると、企業側が採用に難色を示すことが増えます。

  • ということは、あらかじめ有休を計画的に使っていた方が良いということです。多くの会社では40日まで蓄積できますが、これは営業日換算すると丸2か月です。これだけで2か月使ってしまうと、引継ぎに使える期間がなくなってしまうことになります。日頃から、有給温存は多くても25日くらいまでと考えておいた方が良いです。

内定後

  • 内定承諾を長期間保留にするのは難しいです。また、一度内定を承諾するとエージェントサービスを打ち切られるので、承諾後辞退も実質的には不可能です。したがって、第一志望から順に最終面接を迎えられるよう、応募タイミングや選考タイミングをうまく調整する必要があります。

  • 内定承諾をすると、あとは企業ごとに色々と連絡が来て、書類を書いて提出するなど新卒入社時と同じです。

今の会社の辞め方

  • 内定を承諾するまでは転職活動をしていること自体を会社の人には隠しておきます。

  • 内定を承諾したら、まずは直属の上司に「退職したい」と伝えます。そうすると、直属の上司から手続きの方法を教えてくれます。

  • この際、いきなり辞表や退職願を書く必要はありません。メールや口頭で十分です。これらの書類は会社指定のフォーマットがある場合が多いので、自分で書いても無駄になりますし、上司も困ります。

  • 上司が引き留めてきて辞めさせてくれない場合は、上司の上司にお願いしましょう。それが無理なら人事に伝えるのもアリです。

  • 人事を含め会社の誰もが引き留めてくる場合は、退職願を独自に作成し、それを人事に提出します。また、退職願はPDF化して、メールで送っておくと証拠が残ります。この際、会社のメールアドレスはいつ使えなくなるか分からないので、個人アドレスから送りましょう。

  • 退職代行業者も数万円程度で見つかるので、使うのも手です。これによって特に不利益を受けることはありません。

  • ほとんどの場合、上記のようなトラブルになることはないと思います。会社からの指示に従い書類を提出すると、あとは退職を待つだけです。いままでお世話になった人たちに挨拶をしたり、自分の業務を引き継いでくれる人に詳細に伝えたりしましょう。

  • 会社に私物を大量に置いている人は、少しずつ持ち帰った方が良いです。場合によっては、会社から自宅への郵送も検討します。

  • 個別の挨拶が面倒になったのか、稀に全社員宛にメールで挨拶を送る人がいます。特に社員数が多い企業の場合、メールサーバーに多大な負荷がかかり迷惑なのでやめましょう。

  • 現職の仲間の連絡先を交換していると、何かと得です。例えば、中途採用では前職の経験を買われて転職することが多いので、機密漏洩にあたらない程度で前職についての最新情報を聞き出したりするのに使えます。

  • 住民税は、課税時期と支払いタイミングにズレがあります。退職時に、現職で発生した住民税を一括して天引きしてもらえる企業が多いので、そのようにお願いすると楽だと思います。この場合、転職先ではしばらく住民税が天引きされません。

  • 健康保険証は退職日と同時に有効期限切れになります。その後もしばらくは使えてしまうので、誤って使うと後々かなり面倒くさいことになります。転職先に入社して新しい保険証が届くまではできるだけ病院に行かないのがよいですが、やむを得ず行く場合は、10割負担です。入社後に所定の手続きを踏めば、ちゃんと7割が返還されます。

あとがき

この記事では、転職経験のない若年層向けに、転職の方法について記載しました。
普段は大学生向けに記事を書いていて読者の方も就活生が多いと思うので、今すぐに役に立つことはあまりないと思いますが、一方で、定年まで同じ会社で働くことは現実的ではない時代になっているのも確かです。

そして、中途採用は新卒以上に情報戦です。安易に退職して履歴書を汚してしまったり、怪しい転職仲介業者に騙されてしまったりしないようにする必要があります。
この記事は最低限必要なことを網羅的に書いたつもりですが、実際は抜け漏れがあると思います。今の勤務先に中途入社してきた人に相談するなど、信頼できる情報源を頼ってみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ほしの










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