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たぶん小説になる予定。今書きためているところです。
あらすじ
浪人し、就活も失敗し、あとがない主人公浅霧遥香。
そんなある日、彼女に異変が襲った。
それは今流行りの異世界転生…
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2020年10月の記事一覧
Knight & Mist 一章-2 戦場2
瞬間、遥香はとっさに目を閉じた。
ーー殺される……!!
身の毛のよだつような恐怖の予感に突き上げられるようだった。
が、体は頑として動かない。
「テメーの望んだ戦場で、ただ固まってるだけなんてな」
哀れみとも蔑みともつかない言葉でイーディスが言った。
そして、
「あばよ。戦うことも逃げることもできねー無能なその他大勢さんよ」
イーディスは持っている剣を大上段に構えーー
Knight &Mist 一章-1 戦場1
次の瞬間、ひどい全身の痛みがした。
遥香は、とうとうやってしまったかと思った。
焼けるように熱かった。
ーーこれが飛び降りたときの痛みなのか。
遥香はあたりを見回した。
そのときだ。
爆音がした。
ツー……
爆風で鼓膜がやられたらしい。瞬間的に何も聞こえなくなった。
耳鳴りを我慢しながらあたりを見渡す。
周囲はカオスだった。
逃げ惑う人。そして炎。そしてお
Knight & Mist 序章
序章
ここに一人の女がいる。
アイデンティティという妄想に囚われた女だ。
我々は答えを知っているだろう。
"自分探しはまやかしで、無駄である"と。
彼女は違う答えを持っていた。
"自分はいつも断崖絶壁の淵に立っていて、海風に吹きさらされている。いつ落ちてもおかしくない"
彼女はいつも思う。
"ただ、それよりも怖いのは"
"いつまでその絶壁に立っていようと思えるだろう。気を抜くだけ