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お題『珈琲』2023.5.12

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お題『珈琲』 *どなたでも参加歓迎!! *晒して楽しい、晒されて楽しい!Win-Win なマガジン♪ *ご利用になる際は、著者の規約に従ってください。規約がない場合でも、自作発言… もっと読む
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<お題:珈琲>音声アーカイブstand.fm

*stand.fmの右下▶️ボタンを押してから記事をタップ!読みながら聞けますー! ▽お題企画『珈琲』 ・ドリップ珈琲/ハチママ 00:52:46 〜 ・創作落語「珈琲(コーヒー)」/Danzig 01:00:35 〜 ・大好きだった/Danzig ・My Starter #coffee/りょう ・ぬるい夜/木山京 ・Cafe【Gifts】/Seiji.Resonance

大好きだった ~男性版~

俺は今、結婚式場の披露宴会場にいる。 今日は、俺の従妹(いとこ)、りょう姉(ねぇ)の結婚式 白いウェディングドレス姿で、メイン席に座るりょう姉 隣には、白のスーツを着たりょう姉の旦那さんになる人・・・ 5つ年上のりょう姉は、一人っ子の俺にとって、 姉のような存在であり、憧れだった。 特に美人じゃないし、これと言ってスタイルがいい訳じゃない。 でも、凄く優しくて、いつも俺を構ってくれてた。 りょう姉の聞かせてくれる話は、俺にとっては、いつも大人の世界の事で、 りょう姉の

【短編小説】ドリップ珈琲

ぽちょん ぽちょん 弁柄色(べんがらいろ)の雫 ひとつ またひとつ ぽちょん ぽちょん 「時間が解決してくれるって 言われてもさっ…」 珈琲の雫が ほら、また生まれ ぽちょん と落ちた 「時が経てば忘れるって言うけどさ…」 雫が落ちる度に 豊潤(ほうじゅん)な大人の香りが 辺り一面に広がる 雫が落ちる度に あの人と過ごした日々が思い出される… あの人と重ねた日々が蘇(よみがえ)ってくる… ぽちょん ぽちょん 「そんな簡単な愛し方してないよっ

約束

大人になったら連れていくと約束していた喫茶店の前を通った。 あれはキミがまだ小学校に入学する前だったね。 ボクが休みの日に仕事がしたくて家を留守にする際、まだ幼かったキミにこう言われた。 「ねぇ、パパ。おとなになったらわたしもつれていってくれる?こーひーのおみせに。」 ボクは満面の笑みをたたえながら、幼いキミを抱っこしつつ大きく首を縦に振った。 コロナが社会を大きく変えたころ、ボクはキミと家族ではなくなった。 やさしいキミはママを一人にはできないからとボクに手紙を残し、

My Starter #coffee

【作品形式】エッセイ・朗読・1人読み(男女不問) 【文字数】約716字 【目安時間】約3〜5分 *朗読など。ご自由にお使いください。 *配信や上演のご連絡を頂けると喜びます✨ 朝、どうにも動けないことがある 仕事も日常生活も 何もかも 体が重くて、億劫(おっくう)で 行動できない そんな時は 簡単にできることから手をつける そう、例えば…珈琲を淹れる 兎印(うさぎじるし)の赤色のやかんに水を入れて、火にかける 注ぎ口がスリムで、ぷくっと丸みのあるホーロー製

大好きだった

私は今、結婚式場の披露宴会場にいる。 今日は、私の従妹(いとこ)、誠司(せいじ)さんの結婚式 白いスーツ姿で、メイン席に座る誠司さん 隣には、ウェディングドレスを着た誠司さんの奥さんになる人・・・ 7つ年上の誠司さんは、一人っ子の私にとって、 兄のような存在であり、憧れだった。 特にイケメンじゃないし、これと言ってスポーツが得意な訳じゃない。 でも、凄く優しくて、いつも私を構ってくれてた。 誠司さんの聞かせてくれる話は、私にとっては、いつも大人の世界の事で、 誠司さん

コーヒーの味は

昼下がりの公園。 仕事の昼休み、私はよくこの公園に足を運ぶ。 それ程大きくはない、目立たない公園 仕事場から少し離れたここは、 会社の人達が誰も来ない、いわば私の隠れ家だ。 私はここで、昼食を食べながら昼を過ごす。 会社はいつも、嫌な事ばかり。 生活も特に充実している訳でもない。 趣味がない訳ではないが、没頭できる程の熱量もない、 まるで、惰性で生きているような私の暮らし。 そんな私の楽しみの一つが、この公園にきて、昼食を食べた後に飲むコーヒー。 コンビニのコーヒ

カフェオレが冷める前に

「ねえ!今度あそこの美術館行こ!」  カフェオレを淹れる横で、キラッキラの笑顔で菜美は言った。 「美術館なんて…珍しいね。どうしたの?」 「じゃーん!!」 見せてくれたチラシには「宮沢賢治展『銀河鉄道の軌跡』」と書かれている。 「へぇ?あのアニメの原画もあるんだ?この写真家さんは…、うわ、すごいね。こんな星空の写真なんて見たことない。」 「ね?!すごくない?超見たいの!行こーよー!」 「うん、週末は…あ、ちょうど七夕だね。」 「私、お休みだよ!雫は?」 「わたしも休み。行く

ショートコント「コーヒー屋さん」

サンドイッチマン風のコントを作ってみました -------------------------------------------------------- ショートコント コーヒー屋さん 客:お、ここが新しく出来たコーヒー屋さんだな、ちょっと入って見よう 客:ガラガラ(扉を開ける音) 店員:はい、喜んで! 客:何だよいきなり 店員:あ、すみません間違えました、前のバイトのクセでつい 客:前のバイト? 店員:ええ、居酒屋だったんです 客:居酒屋だって、客が来たら

創作落語「珈琲(コーヒー)」

えー、毎度バカバカしいお笑いを一席お付き合い願いたいと思います。 世の中には、嗜好品(しこうひん)と呼ばれるものがあります。 嗜好品とは、匂いとか味、そう言ったのもを楽しむものだそうですね。 嗜好品の代表的なものといえば、最近は少なくなりましたが、やはりタバコですかね。 外国にはシガーバーなんて呼ばれる、タバコや葉巻を楽しむ為のお店もあるようですね。 その他には、ガムですとか、お酒、ジュースですとか、 あと、お漬物なんてのも嗜好品の中に入るのだそうです。 そして嗜好品と言

朗読用小説 ぬるい夜

*お題「コーヒー」のテーマで書きましたっ。 短くまとめようとして空回りした感がないでもないです…。 次は台本形式でやりましょっか!  ぬるい夜  風が凪いだ、静かな夜。そんな夜に、私は時折眠れなくなる。  微かな家鳴りや遠く聞こえる車の音、あるいは自分の吐息ですら。眠ろうとする私の前を横切って、落ちそうになった眠りの沼から引き上げてしまう。  物心つく前は、毛布をかぶって葛藤し、そして結局、寝不足な顔で朝を迎えていた気がする。  けれど今はというと、私はベッドを抜け

夜につたう、朝にそよぐ

*お題「雨」の小説その2です。 前回の話がどうしても朗読向きな気がしなかったので、我慢できずに書きました。 …が、かといってこれは朗読向きなんでしょうか…わかんないですね。 よろしければご自由にお使いください。  夜につたう、朝にそよぐ  はしらせていたペンをふと止めて、つい先ほど日付線を跨いだと思った時計に視線を巡らすと、いつの間にやら針は深夜三時の位置へ置かれていた。  もうそんな時刻になったのか。  私は独りごちて原稿に向き直り、物語の中からほんの半歩分だけ外に出

Cafe【Gifts】

【作品形式】朗読・声劇・1人読み・2人読み 【男性:女性:不問】1:0:1 【登場人物】  ・マスター(男性)  ・私(不問) 【文字数】2008字 【目安時間】約10分 ※作品を使用するにあたって,こちらのページをご確認くださいませ。 プロローグ 都心部は人であふれ返っている しかし どれだけ多くの人がいたとしても 『私』という個人に関心を払ってくれる人は ほぼ皆無だ いつしか 心や笑顔を失い 何かに 感動すること 意欲を持つこと 喜ぶこと そうした人間らし

冷めたコーヒー

*朗読用の小説です。 コーヒーのお話をしていたら喫茶店の話が書きたくなって、気付いたら書いていましたが……なんでこうなったのかわかりません。 よろしければご自由にお使いください。  冷めたコーヒー  駅を出た私の背後で、汽笛は薄く雲を漂わせた空に向かい、鳴り響く。旅立つ機関車の姿を、私以外に見送るものはおらず、乗り降りする人影さえいなかった。  忘れられた街とは、こんなものなのだろう。  瓦礫を避け、もしくは革靴で踏み、杖をついて広場を進む私は、どこか異邦の探訪者にでも