その本は図書館であなたに見つけられるのを待っている
最近、県立図書館や市立図書館で借りた本を家で読んでみて「あっこれほしい!手もとに置きたい!」とAmazonで購入してばかりいる。中古で買う場合も新刊で買う場合もある。
ほしくなる本は決まって、ごはんエッセイや料理本が多いので、私の趣味を如実に反映しているのだけど、こういう書店の新刊にはもう並んでいない、いぶし銀の名作を、図書館の片隅で見つけるのが、マイブームだ。
図書館で借りると、一度家に持ち帰って読めるので、手もとに置くにあたってはずれを引くことがないのは誰にでもわかる利点だと思う。
たくさん本が置いてある書店という場で、短時間の立ち読みによって「自分にとって大当たりの本」を一発購入するのは実は難しい。
書店の売り場というのはぴっかぴかの装丁の本がところせましと並んでいて、お財布の中と相談しつつも「どの本買おう!?」とドキドキワクワクしながら買い物するのは楽しい。すごく楽しい。
だけど、書店でぱらぱら見て「いいかも」と思った本が、家に持ち帰ってみると「思ったより、合わなかったかも」という経験は私にはある。もちろん、その場限りにばーっと読んで、あーおもしろかった、次!というくらいにはもちろんなるのだが、何年も何年も、枕元に寝る前に置いて、読み返すような、そんな人生に寄り添える一冊に出会うには、書店よりも図書館が、良い場合もあると私は思う。
だいぶ前から、最近までの間に図書館で出会った、とっておきのおいしいごはんエッセイばかり、紹介します。
東直子「千年ごはん」
歌人の東直子さんの食べ物エッセイ。季節ごとのふくいくとした香りまで感じられるような、旬を感じられる一冊。言葉の美しさが、またいいのだ。kindleでも買えます。
小気味いい文体で笑いながらサクサク読めるけど、書き手はたぶん、一人暮らしの少ない食費で、どれだけ楽しく、レパートリー広く料理ができるか、っていうことについてのプロだと思う。前働いてた大学図書館で、書架整理をしてて偶然見つけた思い出の一冊。
最近はまっている「寿司屋のかみさん」シリーズ。お寿司屋さんのおかみさんになって数十年の女性がつづる、おいしいおいしいお寿司のエッセイ。私寿司が死ぬほど好きなので、読んでいるだけでもネタを味わった気になって幸せ。シリーズいっぱい出てます。
三冊のうち二冊は、90年代に出た本なのですがどちらも中古でしか手に入らなくてね……!でもめちゃめちゃ中身が良いんですよ。
というわけで、あなたの運命の一冊も、図書館の片隅であなたを待っているかもしれません。
「ずっとつきあえる、一生ものの本を見つける!」
人生の伴侶を見つけるくらいの意気込みで、図書館の書架を回るのもとても楽しいですよ。
あなたもこの週末は、図書館で「宝探し」してみませんか?
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