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宇宙人と話すときに恥をかかないために|読書感想文

この宇宙に住んでいるなら、全宇宙の共通教養は身につけておいた方がいい。いつか来る、太陽系外の宇宙人と話をするときに、恥をかかないために。

そう思う人は、この本を読んだ方がいい。
その本とは、ブルーバックスの『宇宙人と出会う前に読む本 全宇宙で共通の教養を身につけよう』である。

本の冒頭、太陽系外にある宇宙ステーションのカフェで、見ず知らずの宇宙人にうっかり話しかけられるところから始まる。
「あなたはどこから来たのですか?」
ここで、「地球」と答えると思ったあなたは、スジが悪い、と著者は言う。

地球は、ご存知の通り惑星で、惑星は自ら光を発していないため、遠くから(太陽系の外から)は見えない。地球の夜空に浮かぶ星々は、すべて恒星で我が太陽と同じく、自ら光っている。
だから、先ほどの宇宙人からの問いには、「自分の惑星の軌道の中心にある恒星(太陽)の場所」を答えなければならない。

なるほど、確かに「全宇宙共通の教養」である。

この本は、宇宙ステーションを歩き回る主人公と、そこにいる宇宙人たちとの会話の間に、著者の解説が入る形で進行する。この特殊な設定に合わせて、物理学の基礎的な説明が載った本だ。

決して簡単で、わかりやすい説明ではない、と思う。
ド文系の私には、正直に言って後半の話は難しい。でも、宇宙の果てしなさと、そこに生きる私のちっぽけさを感じ、日々の悩みを吹き飛ばしてくれる作用はある。

何より、この設定の面白さが、人に話したくなるのである。
私も会社の同僚にランチの時間にひとしきりこの本の話をしたし、友達にも話した。みんな、タイトルを言うだけで、面白がってくれる。

そう意味で、話のネタになってオススメ。
ブルーバックスの本は、最近Kindle unlimitedに追加されたので、読み放題。

というわけで、まだ宇宙人に会ったことのない地球の皆さんに、勧めたい一冊でした。

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