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八月の星々(140字小説コンテスト)応募作 part4

part1 part2 part3 part4 part5 結果速報
【お知らせ】
ワークショップと140字小説コンテストの受賞作を掲載した雑誌『星々──生きるように書くこと』の予約販売を兼ねたクラウドファンディングを行っています!
表紙装画は版画作家の花松あゆみさん、リターンの一覧などリンク先をご覧いただきぜひご支援ください!

月替わりのテーマで開催する140字小説コンテスト。

【8月のテーマ】
作中に必ず『』という文字を入れる。

8月31日までご応募受付中です!
(応募方法や賞品、各月の受賞作などは下記をご覧ください)

受賞作の速報はnoteやTwitterでお伝えするほか、星々マガジンをフォローいただくとhoshiboshiメンバーの記事とあわせて更新のお知らせが通知されます。

応募作(8月20日〜26日・投稿順)

ちる(サイトからの投稿)
「のすとらだむす、ってヒトが、この星は終わります、って言ったんだ。これって最終回予告だよね。ぼくの観てる星、終わっちゃうのかなぁ」「大丈夫よ。母さんの昔観てた星だって、もうすぐ終わるって言われてから三回くらい生きのびたんだから」宇宙のどこかで、巨大な画面を前に親子が話し合っていた。
ちる(サイトからの投稿)
「星の観察の宿題なんてつまらないな」屋上で仕方なく夜空を見上げながら、ぼくはため息をつく。「何の観察ならよかったの?」隣に、ぼくと同じ制服を着ているが見たことのない子がいた。「宇宙人の観察!」「そっちのほうがつまらないよ」「なんでだよ」「だって、今君の隣にいるようなやつなんだよ」
ショコラ(サイトからの投稿)
一生に一度のペルセウス流星群を見ようよと、後輩が言った。残業をして忍び込んだ屋上で、見上げた星たちが秘密めいて瞬いている。並んで寝転がれる無邪気さを失いたくなくて、言わせなかった言葉。責めるように流れ落ちる星々を、私は呑み込んでいた。
ショコラ(サイトからの投稿)
星形が上手に描ける人として、クラスメートに自慢してもらったのに、僕は肝心な場面で失敗してしまう。普段はスラスラ描ける☆は、緊張感したせいか、ヒトデのように歪んで僕を嘲笑ってる。転校して初め出来た友達は、責任を感じたような、困った顔で僕をみている。この瞬間、僕はスターになれないことが確定した。
ヒトシ(サイトからの投稿)
昔、北の森には毎年夏の終わりにたくさんの星が降った。人々は星を集めて豊かな黒土の畑に蒔いた。その種はたちまち芽吹き、すくすくと育ち鮮やかな花を咲かせるとたくさんの小さな実をつけた。すすきを揺らす風がそよと吹く頃、その実は風に乗って勢いよく空に舞い上がりそのまま輝く星になった。
キジトラ(サイトからの投稿)
星祭りの夜。ふと気づけば、とある夜店の店先に吸い寄せられるようにしてのぞき込んでいた。色とりどりの…硝子片?いや違う。透き通って危うくて美しい、無数のかけら。「あ、」その隙間に、銀色の尾を細く引きながら飛び込んだものがある。息をするようにしばし明滅し、透明の山に溶けてしまった。
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