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八月の星々(140字小説コンテスト)応募作 part2

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【お知らせ】
ワークショップと140字小説コンテストの受賞作を掲載した雑誌『星々──生きるように書くこと』の表紙装画は、版画作家の花松あゆみさんにお願いすることになりました!
 花松さんサイト http://ayumihanamatsu.main.jp
 Twitter @a_hana111
リターンにも花松さんの装画を使用させていただいたグッズなど企画中です。

8月17日(火)午前10時からの開始となりますのでよろしくお願いします!

月替わりのテーマで開催する140字小説コンテスト。

【8月のテーマ】
作中に必ず『』という文字を入れる。

8月31日までご応募受付中です!
(応募方法や賞品、各月の受賞作などは下記をご覧ください)

受賞作の速報はnoteやTwitterでお伝えするほか、星々マガジンをフォローいただくとhoshiboshiメンバーの記事とあわせて更新のお知らせが通知されます。

応募作(8月6日〜12日・投稿順)

uriko(サイトからの投稿)
テトラポッドに落ちていた海星を持ち帰ってバターで炒めた。潮の味がして美味だった。欠片が舌がちくりと刺したので指で摘まむと虹色に光っていた。少し嚥下してしまったが平気だろうか。心配は杞憂で、夜道に腹が光るので便利だ。怒ってるから光るのかい、と腹を撫でると五回点滅する。どっちなの。
雨雪(サイトからの投稿)
吹きすさぶ雨風のなか帰路を辿っていた。16本骨の傘があるけどこれを使うくらいなら濡れてやる。物持ちの悪い自分がやっと見つけた水色の傘。内側は紺碧の夜空で星柄が散らしてあってはっきり言って一目惚れした。萌えのパワーを舐めるなあ!雄叫びをあげた途端、風で髪束が顔にぶつかった。負けない。
芦田晋作(サイトからの投稿)
星を歩いてみたかった。例えば白鳥座の一つに。乗ってみたかった。星はどれくらいの大きさだろう。熱くて近づけないのだろうか。一周歩くと何日かかるだろう。星から星へ。織姫星から牽牛星へ、天の川を飛び越えろ。そんなことを考えていると、もう実際に青い星の表面に立っていることを忘れてしまう。
芦田晋作(サイトからの投稿)
とうとう、少女は昼に流れ星を見たと嘘をついてしまった。夜に見たと言った時、学校で誰にも相手にされなかったからだ。皆の前で昼に現れて、と祈った。私を嘘つきから正直者に戻してと祈った。昼も流れ星は流れていた。空は毎日祈りを叶えていた。少女は祈り続けた。空は青かった。祈りは叶い続けた。
雨雪(サイトからの投稿)
イヤなことはイヤだと告げる。それだけのことが難しかった時期があって、今日もふいに当時のやり取りがぶり返してしんどかった。夜空に星々を貼りつける作業に勤しむ少年たちの物語を繰りながら、小学生のころ参加した川沿いでの星空教室を思い出す。楽しそうに説明してくれる先生に惹かれていたっけ。
雨雪(サイトからの投稿)
鳥が上空を飛んでいる。白雲の隙間を縫って飛翔していく姿は航空機にはない動きで、そしてあたりまえに静かで思わず見いってしまった。溜め息をつく。手もとのバッグに下がるボールチェーンの先には何もない。金銀紺のラメに彩られた2個の星型ストラップ。まあ、ひとつ残されるよりはマシなのかな。
雨雪(サイトからの投稿)
額に汗して坂道をのぼる。あの日の一番星が同じように見える場所へ。夕陽が落ちる前に。マジックアワーの色合いに満ちた空を雲に隠される前に。知っている道筋が明らかになっているうちに。記憶が辿り着きたい場所に。感情のままに駆けまわった道のりのなんと不安定なことだろう。まだ、坂道は続く。
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