肥え太の自己陶酔

ぼくの名前は、肥え太。
その名の通り、ふとってる。
でもね、太ってから、いいことがたくさんあるんだ。

まず洋服にアイロンをかけなくていいってこと。着ちゃえば、あら不思議。シワが勝手にのびてくれる。

それと、周りの人が自分をみて安心するって言うんだ。
一昔前、ひどく痩せていた時期があってね。その頃のぼくはいつもせかせかしていて、イライラを当たり散らしたり、周りの人を不安にさせたりしていた。
でも太ってからはちがう。ぼくの脂肪がぼくの動きに「重み」をもたらし、また
ぼくの心に「ゆとり」を生み出したんだ。
不思議だね、洋服には少しもゆとりがないのに。

それから、まだあるよ。
これも洋服のことなんだけど、
痩せてた時と違って、いつもどんな服でも
「ピッタリ」体にフィットしてくれる。
洋服に負けないんだ。対等に張り合ってる。
そうそう、ジーンズを履いた時の腰回りが特にいいんだ。
極端な話、ベルトも必要ないからね。というか、ベルトを締めると苦しくて(^◇^;)

冬でも、重たいコートを着なくていい。ぼくの脂肪がいつでも、ぼくの心と体を温めてくれるから。真冬でも、ジャケット1枚羽織れば済むのさ。クローゼットのスペースを邪魔しないし、経済的だし。

そしてぼくが太ってよかった1番のこと、
それは周りにいる子ども達が、ぼくに寄ってくるようになったこと。痩せていた時は、子どもにはあまり懐かれなかったな。
今では親戚の子供なんかが、ぼくの腹に乗っかってきたり、ぼくの二の腕を触ってきたり、ぼくのふくらんだほっぺをぷにぷにしてきたり、ぼくの耳たぶを触りにやってくるんだ。お陰で子供達の人気者だ。可愛いもんだよな、こどもって。

実はまだあるんだよ。
これはびっくりすると思うけど、
太ってから女性にモテるようになった。
意外と多いんだよね、太っている人が好きな女性って。お腹が出ているのがとってもキュートなんて言われたことあるよ。痩せないでね、って泣いてまでお願いされたこともある。いま、結婚相談所に通っているんだけど、ぼくにだけ沢山の女性からのデートの申し込みが集中していてさ、忙しい日々だよ、ははは。

そんな利点がたくさんあるもんだから、
ぼくはこれからもこのままの自分で生きていくつもりだよ。とはいえ、健康には気をつけるつもりだけどね。

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