ホースと共に遙かな旅へ

「にほんの里100選」に選ばれた葉山町上山口の里山に、葉山ハーモニーガーデンはあります…

ホースと共に遙かな旅へ

「にほんの里100選」に選ばれた葉山町上山口の里山に、葉山ハーモニーガーデンはあります。タロウとルーカスという2頭のウマと交流しながら、皆様が「生きること」、「生きていること」を実感してくださることが、私たちの何よりの幸せです。

最近の記事

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目次:馬に訊いてみよう!

ウマの進化の歴史は5500万年と言われています。 ヒトは200万から300万年。 ヒトがウマと共に暮らし始めたのは5000年から6000年前。 ウマがこの地球上に現れたのが24時間前だとすると、 ヒトが現れたのは約1.3時間前 ヒトがウマと暮らし始めたのは約8秒前。 わかったつもりでいても ヒトはウマの何を知っているのでしょう。 これから以下の目次の項立てで、記事を投稿していきます。 各章の記事で、「ウマ」を、子どもさんやパートナー、 誰か他の人に置き換えてみてはいか

    • 【自分自身との関係】3年の時を経て

      1. 言葉の限界 最後にnote記事を投稿したのが、3年前の2021年3月でした。 それまでは、タロウさんとルーカスという2頭の馬との交流を通じて気づいたことや、この2頭とふれ合った方々のことを投稿しました。 ここで記事を読んで下さった方々の共感やコメントのやりとりが、大切なエネルギー源であり、そのおかげで書けていました。 ある時からふと、投稿することが後ろめたいというか、うまく言えませんが、馬との交流で日々起こることが、言葉にできないことの方がはるかに多すぎて、これを言

      • タロウさんとルーカスの動画

        今年の1月末。 冬の寒空に、カメラを持った男性が1人。馬場の柵でたたずんでいました。 「こんにちは。」と声をかけたら、その男性は笑顔で「こんにちは。(^^)」と返し、静かにタロウさんとルーカスを眺めています。 何か言いたげな顔をして、馬場から離れ、畑の方に行き、そしてまた馬場に帰ってきました。 その様子を見ていた写真撮影が得意な長女が、「あの人、すんごいカメラ持ってるよ。」と、気にせず厩舎作業をしている私に言いにきました。 「そうなんだ。すごいところに気がつくね。さすがだ

        • ルーカスの涙

          ルーク! すまない。 私が悪かった! ルーカスの馬房の上の扉を開けたとき、 ルーカスは、しっかりと頭を上げ、目から大粒の涙をポロポロこぼして立っていました。 その姿を見た瞬間に、私は自分の心の弱さと未熟さ、そしてルーカスの悲しみをすべて、一瞬で悟り、そして、自分がルーカスにとった態度を猛烈に後悔しました。 ルーカスは、涙をこぼしながら、静かに私に言いました。 「あなたには、私の心が通じないのか。」と。 ・・・ その日の朝、ルーカスと私は馬房の中で、あるやりとりをして

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        目次:馬に訊いてみよう!

          【よみがえる遺産】タロウとルーカスは、絶対に離してはいけない!

          自分がこれまでに書いた記事の中で、最も読まれた記事に、もう一度日の目を当てよう。そして、自分の次にクリエイターさんをお2人指名して、その輪を広げていこう!という、チェーンナー (CHAINER/クサリみたいにつなぐひと)さんの企画。↓↓ 青猫さんから、私と青猫さんとの「笑いのツボ」がかなり近いということで、ご指名バトンがきてしまいました。(^^; 青猫さんの楽しい愛情溢れる腹筋崩壊記事へのコメントと、私がこれまでに投稿したホースハーモニーの記事とでは雰囲気が全く異なり、「笑

          【よみがえる遺産】タロウとルーカスは、絶対に離してはいけない!

          タロウさん、パートナーとの悲しい別れ(木曽馬編)

          お母さんや群れの仲間達と結ばれた、穏やかで温かい絆を突然断ち切られたタロウさん。 悲しみと不安に心が張り裂けそうな気持ちで、泣いても暴れても、その思いは誰にも通じない。 馬運車の暗くて外が見えないバンに、何時間も閉じ込められて運ばれてきたタロウさん。 今回もちょっと長くなってしまいました。 最後まで読んで頂ければ嬉しいです。 タロウさんの新たな居場所と生活 着いたのは山梨県の乗馬クラブ。 対馬と違って、甲斐の山々の冬は風が冷たく、気温が氷点下に下がり、地面が凍ることは珍

          タロウさん、パートナーとの悲しい別れ(木曽馬編)

          タロウさんの悲しい別れ(母馬編)

          前記事「タロウとルーカスは、絶対に離してはいけない!」で、100%私の都合で心ないことをしてしまい、タロウさんを危険な目に遭わせてしまった失敗について書きました。 私が知る限り、これまでにタロウさんは確実に2回は、悲しい別れを経験しています。タロウさんの心の優しさを考えると、おそらく2度ならず、3度も4度もつらい別れを経験しているかも知れません。 もしかしたらそれはタロウさんに限らず、生き物すべてに言えることかもしれませんが。 タロウさんの悲しみを知るには、まず、タロウさ

          タロウさんの悲しい別れ(母馬編)

          タロウとルーカスは、絶対に離してはいけない!

          2017年5月8日は、待ちに待ったタロウさんとルーカスが、ここ葉山にやって来た日です。 タロウさんは山梨県の、ルーカスは埼玉県の乗馬クラブから、それぞれ私の馬の先生が経営する御殿場の乗馬クラブへ移動し、そこで2ヶ月を共に過ごしてから、この葉山にきました。 先生は他の厩舎から分離された、馬の分娩専用の独立した厩舎を、わざわざ二つの広い馬房に仕切り、タロウさんとルーカスを隣同士にして下さいました。 「これから、この2頭で葉山で生涯を送ることになるのだから、いきなり葉山で一緒

          タロウとルーカスは、絶対に離してはいけない!

          聖書の勉強しませんか?

          2,3年前の真夏の暑い盛りに、若い女性がお二人で、「聖書の勉強しませんか?」と言って、いらしたことがありました。 この記事は青猫様の【泥棒にお茶を出したい】 の記事を読んでのお話しです。お相手は泥棒ではありません。 その日は、日射しが強烈で、とても熱い日でしたから、私はお二人をすぐに縁側の風通しの良い、日陰に座って頂き、冷たいリンゴジュースをお出しました。 石田三成の故事にならって、一杯目は氷多めで薄めに、2敗目は氷を普通に、濃さもオリジナルで出しました。 お二人は冷

          聖書の勉強しませんか?

          あなたの声を聞かせて

          あなたの声を聞かせて

          圧迫質問にならかった面接試験

          毎年、8月になると思い出すことがあります。 平成一桁の時代。 当時、私が所属していた組織の教育課程の、最終段階の面接試験のこと。 この教育課程の卒業時の成績で、以後のキャリアがピラミッド構造のどこまで登れるか、その大筋が決まります。 この時の面接試験はとても重要な、ほぼ卒業試験のようなものでした。 一人ずつ名前を呼ばれ、会場となっている講堂に入ります。 面接時間は一人約20~30分くらいだったでしょうか。 待機している私の前を、 「死んだ。」とボソッと一言いって、うつむい

          圧迫質問にならかった面接試験

          門を叩け、さらば開かれん

          なんか、大仰(おおぎょう)なタイトルですみません。 昨日の記事に書いた、真昼の星を探した元パイロットとは、 旧帝国海軍中尉 坂井三郎氏のことです。 1992年4月、「零戦の真実」という1冊の本が講談社から出版されました。 20代の時、書店でこの本を見つけたときは驚きました。 「坂井三郎って、まだ生きてたの!」でした。 当時はまだインターネットなど普及していませんでしたから、本当に驚きました。大変失礼なことですが、てっきり故人と思い込んでいました。 坂井三郎と言えば、

          門を叩け、さらば開かれん

          真昼の星を探せ!

          今から約80年前、真昼に星を見ることを試みたパイロットがいました。 はじめは空が明るくて、星は全く見えませんでした。 そのパイロットは、薄暮時に見える一番星を毎日眺め、その星が現れる時刻と方向を確かめました。 毎日、毎日少しずつ少しずつ早めに、一番星が現れる方向を見ました。 あるとき、いつもよりもだいぶ早い時間に、その方向にチラッと光る点を見つけましたが、まばたきした瞬間、その光を見失ってしまいました。 次の日は、まばたきしないように、慎重に星が出る方向を見ました。 ま

          あらっ、タロウちゃんいなくなっちゃったの?

          ある日の早朝。 タロウさんとルーカスに朝飼い(朝食)を着けていたときのこと。 犬の散歩で厩舎の前を通ったおばあさんが、 「おはよう。あらっ、タロウちゃんいなくなっちゃったの?」 このおばあさん、ここ数ヶ月、腰と膝を悪くされていて、しばらく外に出ることを控えておられました。 私:「えっ? タロウいますよ。」 おばあさん:「どこに?」 私:「目の前に。」 おばあさん:「・・・?」 私:「?」 あ! 私は気づきました。最近のタロウさん、顔つきが変わったから、別馬に見えているんだ

          あらっ、タロウちゃんいなくなっちゃったの?

          自分の飛び方

          群れのカモメたちは餌を捕るために。 でも、ジョナサンは「飛ぶ」ために飛びます。 どれだけ低く飛べるか。高いところまで行けるか。 どれだけ遅くゆっくり飛べるか。速くとべるか。 くちばしを、最適な空気抵抗になる角度にして、 最大の揚力と運動性を発揮するために、 翼の先端の羽根先を慎重に調整しながら。 でもただ、自分が空で「できることと、できないことを知りたい」だけなのに、それが奇行とされ、「カモメは餌を捕るために飛び、長生きするのが生きること。」という長老や群れの価値観に受

          恐れることがコワいのではないのです。

          恐れることがコワいのではないのです。 2年前の梅雨明け。 はじめて鞍なし、手綱なしで、裸馬のルーカスに乗ったときは、 正直、相当コワかったです。 「ルーカスが急に走り出したらどうしよう。」 すがるものがないのですから、落馬しかありません。 恐怖です。 それまでの信頼? 恐怖におののいているときは、正直、信頼さえ忘れますよ。 一番大切な信頼を忘れてしまいます。 そばに誰かいてくれて、ルーカスに声をかけてくれたり、 私に声をかけてくれれば・・・。 いえいえ、何もしなくても

          恐れることがコワいのではないのです。