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ちょっといいハナシ

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2021年9月の記事一覧

「うまくいかない」→「よく考える」=「学習する」のサイクルが無いのは「学習」ではない

もっと詳しく言うと、「やりたい、できるようになりたい」→「やってみる」→「うまくいかない」→「よく考える」→・・・となります。 そしてある時、「できた!」という充足感があるのです。 そういうサイクルでなく、「ならう」→「覚える」→「復元(テスト)する」という、ほぼ毎日変化のない学習では、どこにも「学習」がありません。 そういう労苦を何年も重ねて、「自分が何が出来て、何をしたいのかわからないまま」、会社などに就職した後も、「仕事を覚える」→「仕事をこなす」がただ黙々と続い

なぜ「お店やさん」がなくなると街が寂れるか・・

(長崎市) (西海市大島町) (波佐見町) ・・・3軒のお店を見て、「中には穏やかそうなおばあちゃんか、おじいちゃんがやってる(やってた)っぽい!」って思いませんか? 店構えは、店主の人柄を表すって言うか・・・ 私自身、個人業を始めて、いやと言うほど思うのは、「商いの原点」は、人とまっすぐ正直に向き合うということで、そこに求められる資質とは、「細かさ、丁寧さ、そして明朗さ」じゃないかということです。 そういう人柄が商人として身についた時に、街の人から見れば、「いつ

学校教育に決定的に欠けているものの一つ ⑧  教師にふさわしい人間性を養成し吟味するための基本理念

このシリーズの結論的なものだろうと思います。 この基本理念は何であるか?と尋ねられて、明快に答えられる人はいないでしょう。 近代化を焦る明治政府が、ヨーロッパ諸国の非難をかわす為に、型枠だけをとりつくった「教育制度」のツケを未だに児童・生徒が払わせられているのです。 現実的な問題として、我が子が学校でいじめに遭ったり、不登校などという事態に陥った時に、担任に相談しても埒(らち)が明かなければ、校長や教育委員会に相談すればいいと考えるでしょう。 しかし、ほとんどの場合、何も解

人から「ありがとう」と言われない仕事や働き方は しんどい

コロナ禍は、「仕事」の価値観までも揺るがしている。 息子は、大手チェーンのジムに登録していたが、感染リスクの為、もう長い間休会していた。 いよいよ退会しようと連絡したところ、すでに休会期限を越えているので、課金が発生しているとのこと。 これまで「友だち紹介キャンペーン」の案内ハガキなど、営業はマメに行っているくせに、「休会期限を過ぎてますよ」に関しては、メール1本無い。 クレジット確認を怠った息子にも落ち度があるが、こちらからアクセスしなかったら、「これ幸い」と課金させた

宮本 常一著「日本人を考える」より『逃げ場のない差別のひだ』

様々な文化人と宮本氏との対談集となっている同書の中で、標題の部分は秀逸な章だと思いましたので、紹介いたします。 同氏が日本中を歩いて感じた、地域の中の「差別」について述べたものなのですが、この(人の心の中にある)差別の中にこそ「戦争」の論理がある・・・と、読み終わってから自分なりに結論にいたりました。 キーワードは「土地」だと思います。特に日本の歴史において徳川時代におし進められ、日本全土にあった「ある特定の土地にしがみつくこと=生きる」という閉鎖的な環境がこれまでの「言

外国人に比べて日本人はグループに入れているかどうかをとても気にする

環太平洋をヨットでぐるっと廻ってこられた遠い親戚のH氏に同行し、諫早市にある日本小型船舶審査機構(だっけ?)へ。 道中いろんな話をしました。 現役時代はジェット戦闘機のパイロットでもあったというのに、とってもリベラルで穏やかな人物です。 彼はまず私に「喰っていけるか?」ではなく「どんな絵を描くのか?」ということをじっくりと聞いてくれました。 また、毎度手前味噌的内容で恐縮ですが、「日本人」というテーマの話になった時に「外国人に比べて日本人はグループに入れているかどうかを

昔の写真

嫁さんと知り合ったのが嫁さんが18歳の時で、そこから付き合い始めて、やがて結婚して今年で約36年。 この写真は、付き合い始めて数年後、新潟の出雲崎へ旅行をしたのだけど、民宿にクーラーが無く、あまりに暑くて、エアコンのあるレンタカーで夜どうし走っていたという思い出がある。 なんだかんだ紆余曲折あるけど、一番合っているのは動物などに対する価値観かなと思う。 私が、野良犬を飼いだしたり、ネコを拾ったりした時なんかに、呆れたりせず、ちゃんと名前を読んで可愛がってくれるところ。 2

ヨーロッパ人は、「お金にならないけど残さなくてはならないもの」を判っている。そして、そういうものを目指している人を馬鹿にしない

これは、NHK-BSの番組を観ている時に、ヨーロッパ在住の日本の方が言っていた言葉。 納得しました。 「お金にならない」      ↓ すぐに金銭的な利益にはつながってはいないけども、人の心の拠り所など、人にとって大きな意味があるもの。 これを我が故郷、長崎市で考えてみた。 人は必ず老いる。そして、故郷は特別な場所になる。 よってその「心の拠りどころ」である場所へ帰る。 その時には、思い出の中の風景の中に、かつての記憶を辿りたいだろう。 しかし、長崎に限らず、久し

人間はある程度の自然の中でなければ健全に思考し、生きていくことができない

ニューヨークにあるセントラルパークは、皆知っていると思います。 公園と言うよりは、広大な自然公園という感じなのですが、これは今から200年以上前から計画・造成されてきた人工的な公園ですが、今ではリスや渡り鳥など豊かな野生動物の生息する場所となっています。 これは当時のヨーロッパから移住してきた住人たちが、ロンドンのハイド・パークやパリのブローニュの森のように、「大都市の中には、豊かな自然のある広大な公園が必要だ」ということを主張してきたからにほかなりません。 そして、この

近所に「のらねこ不妊手術クリニック」が開設されたという奇跡

試行錯誤、自問自答した結果、個人(家族)で始めた、野良猫のTNR活動。 雄2匹を手術した後のある日、近くを通っていると目に飛び込んできた「のらねこ不妊手術クリニック」の看板。 なんというタイミングか!と驚いたのですが、やはり娘も同じ思いだったらしく、そのクリニックのことを、すぐに言ってきました。 ちょうど雌1匹の不妊手術を急いでいた時でしたので、獣医師さんやスタッフさんと話をして、なんとか9月1日の開業の日の夕方、ケージに収容することができ、手術をお願いしました。 前回

馬と人の絆のストーリー ~ 八丸 由紀子さんと馬車馬 ダイちゃん

私の亡き馬「ひん太」の為に、遠く仙台の地からリンゴや生牧草を贈ってくれた村上 敏章さんという方がいました。生まれ故郷は福島で、被災地復興も兼ねて、会ったことも無いひん太の為に、いつも温かい言葉とともに特産のリンゴなどを贈ってくれたのです。 村上さんから看板文字の制作を紹介してもらったのが、美馬森(みまもり)八丸牧場の八丸 由紀子さんでした。 「どんな施設なのだろう?」と思い牧場のHPを覗かせてもらったのですが、そこに書かれているコンセプトを少し読んだだけで、「ここの人たち

もし自分が障害を持ったら、パラリンピック馬術競技を目指す

車の中で、ふと高3の娘が言った言葉。 パラリンピックというものを、私も家族も今回の東京大会で初めて観たのだが、娘にとっても大いに感じるものがあったよう。 馬の世話をすることを好んで手伝っていた娘なら、きっといい選手になるだろう。

(今は)できないけど、やりたい。  だから(どうやったらできるか)考える

TVでたまたま観ていた時に、パラ・アスリートが話していた言葉の一部です。 今、すべての若者、子どもたちに必要な体験とは、これじゃないかと思います。 「やりたい」 ↓ 「考える」 ↓ 「ためす」(おそらく、うまくいかない) ↓ 「考える」(以下、くり返し) というサイクルこそが、「学ぶ」ことの源流であり、「生きること」だと思うのです。 実はこの「やりたい」という動機こそが教育の主体であるという考え方の教育学はフランスのルソーからモンテッソーリ、デューイらによ