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#53自分が一生懸命やっているだけでは意味がない理由~馬との交流からの学び~

 こんにちは、人馬交流分析士のりょーじ(@Horse Value)です。人馬交流分析って何?りょーじって誰?それをやって何になるの?という疑問への答えは#1をお読みください!

 さて、#40ではH.O.R.S.E.理論と交流分析の関係のお話をしてきました。大まかにお話しすると、僕が馬との交流で得た気づきである「人間は本来H.O.R.S.E.だよね」という理論と交流分析の人間観がすごく似ているよ、というお話をしました。

 ※H.O.R.S.E.理論について詳しく知りたい方は、#7や#28、#29を読んでください!※交流分析って何?という人は#30~#39を読んでください!

 とはいえ具体例を交えていかないと中々分からないと思いますので今回から、僕が学びを得た馬と人との交流を、交流分析を用いてより分かりやすく説明していきます。

 今日のラインナップはこちら!
・なぜこんなに一生懸命やっても分かってもらえないの(#21)という悩み
・分かってもらおうとするならまず観察すべし
・「自分主体だが自分本位ではない」ということ

 今回は、#21でお話しした僕と馬との心理的交流を取り上げていきたいと思います。これによって「体験→気づき」のプロセスがより鮮明になり、その時に僕が感じたことをより皆さんに分かりやすい形で説明できると思います!

 早速行きましょう!

なぜこんなに一生懸命やっても分かってもらえないの?

 このような体験は誰もがしたことがあるんじゃないかな、と思います。自分なりに一生懸命やったのに誰にも評価されない、認められない、そんな体験があるんじゃないでしょうか。

 そんな時、皆さんならどうしますか。評価しない誰かを責める、自分自身の能力の無さを責める、そんなことはここまで僕のnoteを読んできてくれた人ならしないと思います。

 でも、「それでよいや」「分かってもらえなくていいや」と思うのも寂しいです。一番悲しいのは「相手のために一生懸命やっている」のに相手がそれを受け取ってくれなかったり、喜んでくれなかったりすることです。

 そんな時どうしたら良いのでしょう。

 これまでも何度かお話してきたように「意志の力」は偉大です。絶対に成し遂げる、自分の気持ちを伝える、と強い意志の力でさらに一生懸命できるまで頑張る、ということはものすごいパワーを持っていますし、それによってうまくいくこともあるでしょう。

 でも、人間関係においては誰かに対して同じやり方で訴えかけ続けるだけではうまくいかないこともあります。むしろ関係が悪化してしまうこともあるかもしれません。

 #21でもお話ししましたが、相手を観察することなしに相手に理解してもらうことはできません


分かってもらおうとするなら観察すべし

 #21でお話しした馬との交流の例を交流分析を使ってみていきましょう。

 馬に乗っている時に、自分が思った通りの動きを引き出そうとして一生懸命働きかけるが抵抗にあってどんどんそれがエスカレートするという体験です。

 この結末は馬がパニックに陥ってしまい、本来できることができなくなってしまったり、暴れだしてしまったりする、というものになります。

 交流分析の視点で見ると、その時何が起きていて何をすべきだったのでしょうか。

 どのような自我状態にせよ、一生懸命な人というのはその自我状態で固定化されてしまっている状態です。先ほどの例では、訴えかけている人はCP(批判的親)の自我状態で厳しく指示を出している状態です。

 「一生懸命」しか方法がないその人は自分のやり方に固執してCPのみを使います。自分がその自我状態で接した時に相手はどんな感じか、交流はどんな感じか、を観察することができない盲目状態になっています。

 そんなパターンの結末は、エネルギー切れになって諦めて、それでもなおCPの自我状態で「あいつはだめだ」という反応になるか、相手のストレスが爆発して関係が破滅するかどちらかでしょう。

 客観的に見ると簡単なことですが、まず「自分が分かってもらえていない」と思ったら、自分が働きかけたときどのような反応をするのか、相手のどの自我状態が刺激されているのかを観察するのが重要です。

 交流分析という学問が本量を発揮するのはこんな瞬間です。自分の行っている交流を交流分析を使って瞬間的に観察することで、まず相手を観察し、その後交流を観察し、最終的には「自分」を観察することができるのです。

自分主体だが自分本位じゃないということ

 交流分析において重要な考え方は、自分によって相手が変わるということです。つまり、自分自身の働きかけによって相手を変えることができるという考えを持っています。

 しかしそれは自分がCP(批判的親)であれば相手が必ずAC(適応する子ども)になって言うことを聞いてくれるからCPで働きかけ続けなさい、ということではないのです。

 大切なことは「関係性が上手くいっていないと感じたらまず自分が変わりなさい」ということなのです。それが「自分主体」で関係性を創るということです。一つの方法でただただ強い意志を持って働きかけ続けるのは「自分本位」なのです。

 先ほどの例で言ったら、言うことを聞いてくれない馬や人に対してどのようなアプローチをすれば良かったのでしょうか。

 まずは、観察、特にどのような感情になっているのかについて観察です。例えばよく観察してみると「馬が怖がっている感じがした」とします。

 
 それが見て取れたらどんな自我状態かを推測しましょう。怖がっている、というのはAC(適応する子ども)のような反応です。ACなんだな、と推測します。

 それが分かったら後は相手の自我状態を変化させるように自分が変わります。ここでは自分のCPが馬のACを刺激しすぎて行動することを止めているのだな、委縮させてしまっているんだな、としっかり理解してまずは自分のCPを抑えてNP(養育的な親)で優しく接するようにします。

 そうすると馬は落ち着きを取り戻して指示を聞き入れられる状態になります。そしてそのタイミングでまた人間が指示を出すことによって今度は良い反応が得られる可能性が高まるのです。

お互いから目を背けて観察をやめたくなるときもありますが…そういう時は自分を観察しましょう

 もちろん、現実ではそのように分かりやすい1パターンだけではありません。もしかしたら相手がただただ自分のことをナメている(自由な子ども的要素)のが観察できるかもしれません。

 そういった場合はただ馬は遊んできているだけですので、CP(批判的親)であり続けることを選択した方が良いケースもあります。

 一つ注意してほしいのは、実際のケースでは「そもそも自分がどの状態か」自分で把握できていないことが多々あることです。例えばさっきの例のCPで居続ける人は自分がCPだと自己認識できていないかもしれません。

 なのでまずは相手を観察するのですが、その後に考えてほしいことは「自分がその相手を引き出しているんだ」という交流分析の前提に立って、「じゃあ自分って今どんな自我状態なの?」と自問自答することなのです。

 大切なことは、観察することです。相手を観察し、交流を観察し、自分自身を観察する。

 その先にしか良い関係はありませんし、お互いを理解することはできません。相手を理解することなしに、自分を理解してもらうことはできません。このお話は次回も続けてしていきます。楽しみにしていてください!

【今日のまとめ】自分が変わることによって相手が変わる、というのが大切なことです。そのためには相手を観察して、自分がそれに合わせて自分自身を変えていく必要があります。

 明日も一日頑張りましょう!


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