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#32自分の中にいる5人の小人 ~交流分析~

 こんにちは、人馬交流分析士のりょーじ(@Horse Value)です。人馬交流分析って何?りょーじって誰?それをやって何になるの?という疑問への答えは#1をお読みください!

  前回の#31では、人と馬との交流分析ではなく、人と人との交流分析についてお話してきました。この「交流分析」というのは心理学の1つの手法なんでしたね。今日は前回の続きなので、まだ読んでないよ、という人は#31から読んでください!

 
 馬と人との交流体験から人々が役に立つことをお伝えするというのが僕の役目なのですが、今回も含めて数回かけて、この心理学的手法「交流分析」についてお話ししています。

 というのも、僕の経験に基づく解説だけではどうしても学びがぼんやりとしてしまいがちだからです。#29まででお話してきたH.O.R.S.E.理論は僕が馬との交流の中で発見した「人間本来のあり方」なんですが、「そう在れたらいいけどどうしたらいいか分からない」となりがちで、どうも具体的な提案に欠けてしまいます。

 でも、世の中には、人と人との交流を細かく分析することを通じて「人間とはこういう在り方」なのだ、というのを発見し、在り方だけではなく行動にまで落とし込んだ学問があるんです。それが心理学の「交流分析」です。

 じゃあ、それとの一致を見ていかない手はないよね、ということで「交流分析」をまず皆さんにご紹介したいわけです。

 今回のラインナップは!交流分析のコアな概念自我状態について深ぼっていきます!
・自我状態は5つに分類できる!
・CP(Critical Parents)
・NP(Nutrial Parents)
・A(Adult)
・FC(Free Child)とAC(Adaptive Child)
・5つの自我状態の特徴一覧

 こんな感じです。覚えること多そう、と思った方も大丈夫です!ざっくり読んでもらっても大筋を理解できるように書いてありますし、最後にこれだけ覚えれば大丈夫、ということが書いてあるので参考にしてください。

 では早速行きましょう!

自我状態は5つに分類できる!

  前回、自我状態についてお話ししましたね。覚えてますか?

 「自我状態=今、ここの在り方」でしたね。

 その自我状態によって表れる行動が決まり、交流が起こり、相手の自我状態に影響を与える。相手の自我状態の反応(行動)によって新しい交流が起こり、自分の自我状態に影響を与える…こんな繰り返しが起こるんでした。

 つまり、自我状態は交流の中で変化をし続けるし、もちろん交流する相手が違えば大きく違うということになるのです。

 簡単な例をあげると、ある人に対してはすごく攻撃的だけど、別の人に対してはすごく優しいということは意外とよくあります。また、急に自分の話し方で怒りだす人もいるでしょう。そんなよくある交流の中での「フシギ」はほとんどこれによって説明できます。


 さて、交流分析はさらに先に進みます。観察によって、その自我状態を大きく3つ、細かく5つに分けたのです。

 その3つとはP(Parents 親)A(Adult 大人)C(Child 子ども)の3つです。自我状態の中には「親的な状態」「大人的な状態」「子ども的な状態」があるということです。

 イメージが湧きますか?

 例えば、親的な状態…誰かに対して「そんなことやったらだめでしょ」と諭すときのあなたの状態。

まさに「親」の姿が自分の中にいる状態と捉えてもらってオッケーです

 例えば、大人的な状態…何かを論理的に説明しているときのあなたの状態。

ロボットのように科学的・理論的・冷静な感じです

 例えば、子ども的な状態…無邪気に楽しんでいるときのあなたの状態。

ハッピー!な感じです(笑)

 あなたの中にこの3つの自我状態があるはずなのですが、どうでしょう?

 
 自分はこんな時に子供みたいになるな、急に他人に対して親みたいに厳しくなるな、とか急に冷静になることあるな、とか。逆にこんな自分ってあるんだろうけどなかなか出てくることないよな、とか。

 直感的にこれがイメージ出来たら人はもう大丈夫です!直感的に理解できなかった人は、この後の詳しい説明を聞いてくれれば大丈夫なはずです!


 さて、交流分析では、親にも色々な親がいるよね、子どもにも色々な子どもがいるよね、ということでP(親)とC(子ども)をそれぞれ2つに分類しています。

 Pの中にCP(Critical Parents)とNP(Nutrial Parents)、Cの中にFC(Free Child)とAC(Adaptive Child)があるとしています。

 このイメージは、親にもルールに厳しい規範的な親と、ただただ優しい保護的な親がいるという感じです。そして子どもには自由奔放な子も、お利口な子もいるという感じです。

 1つ1つ詳しく見ていきましょう!頭が混乱してきたら今日は一旦ここまでで休憩しても大丈夫ですよ!続きは明日読むという手もあります!


CP(Critical Parents・批判的な親)

 この自我状態は、誰かもしくは自分に対して「悪いことはしてはいけない」「失敗するな」「あいつは馬鹿に違いない」と言ったり思ったりする時の状態のことです。

常に善悪を裁く審判のような、良くも悪くもルールに厳しい状態です

 この状態の時、あなたが最も大事にすること、それはルールです。物事を「良い、悪い」の2つにわけて判断しがちです。

 あなたが誰かを批判して、その人の行動を正そうとするときはだいたい「〇〇なところが悪い」とか「〇〇するべきではない」と言うと思います。そういった行動や発言はCPという自我状態(在り方)から発せられているものです。

NP(Nutrial Parents・養育的な親)

 この自我状態は、CPと違って親の中でも擁護的な側面を持った状態です。「よくやったね」「偉い!」「ご苦労さん」と心から言ったり思ったりする時の状態のことです。

愛情を持って子どもや動物に接するような状態です

 この状態の時、あなたが最も大切にすること、それは「思いやり」です。とにかく相手に良いことをしよう、という思いを持ちます。

A(Adult・大人) 

 この自我状態は、とにかく冷静です。現実を探知して問題認識をするコンピューター的な役割を持ち、冷静に自分の感情をコントロールしようとするのもこのAの特徴です。

分析家のようにその瞬間を見ている状態です

 何か問題が発生した時にでも「まず問題の原因を究明しましょう」という冷静な人がいると安心ですが、そんな人の自我状態がAです。

FC(Free Child・自由な子ども)とAC(Adaptive Child・適応した子ども)

 C(子ども)の要素をまとめてみていきましょう。

 FCはまさに天真爛漫な子どもの状態です。「わーい」という感じです。皆さんがそんな状態になれるときはどんな時ですか?

 何か自分が夢中になれることをやっているとき、そんな状態が表れることが多いです。

 ご自身の子供時代を思い出してほしいのですが、天真爛漫なだけが子供じゃないですよね?大人や社会に順応しないと、という子供もいます。

 それが、ACという適応した子どもの状態です。親に反応することが多いです。時に素直に従ったり、時に反抗したりするんですが(ここがちょっと複雑ですよね)とにかく親や自分に力を及ぼしてくる人や物事への「適応しようとする反応」で出来ているのがACです。

ちゃんと椅子にすわって飲みなさい!そんな親の声が聞こえてきそうです

 大人になってもこの状態になることはあります!「先輩、ついていきます!僕を引っ張ってってください!」という時のあなたと「先輩、もう限界です、やめてください!」という時のあなたがACの状態です。

5人の小人の特徴の一覧

改めて、5つの自我状態の特徴一覧を載せておきます。この言葉でだいたいイメージしてみてください。

 大切なことは、直感的に覚えることです。そのために、5つの自我状態に自分のイメージしやすい名前をつけると良いと思います。

 僕が名前を付けてお伝えしてしまうと、変な印象を与えてしまうかも、と思ってあえて僕がどうイメージしているのかは言いません。皆さん独自でつけてみて、できたら教えてください!

 さて、今日覚えてほしいことは1つだけです。

 自我状態には親、大人、子ども、という分類があって誰もがその状態を持っている。

 とても大切なことです。これは誰かの特徴を示して、あの人ってPだよね、と言っているわけではありません。これはあくまで自分の中にいる小人の性格なのです。

 誰もがその5人の小人を飼っていてどれが表に出てくるかで自我状態が変わる、というイメージを持ってください。その上で覚えられる人は細かいCP、NP、A、FC、ACとかその要素を覚えてください。

 次回もさらにこの小人たちについて深堀りしていきます!

 明日も一日頑張りましょう!


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