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社会を変える、その主語になる覚悟があるか(配信作品「新聞記者/The Journalist」を観て)

日本国内において数々の映画賞を獲得した映画「新聞記者」。監督を務めた藤井道人さんが、再びNetflixで同テーマの作品を作り上げた。

配信から数日あまりだが、週末で一気に鑑賞した。

言いたいことはたくさんある。あまりに楽観論というか、ここで描かれた「誠実」な人たちがこれほど誠実に仕事ができるのか。新聞というメディアが中心となって世論が動いていくといったこととか。政治や社会問題に無関心な若者だって、かなりステレオタイプな描かれ方をしていて、それこそ監督による「アンダーコントロール」なんじゃないかと。

ただ、それを差し置いても、やはり日本語作品において、(フィクションという建て前ではあるものの)現実に起こった事件をもとに、政治とメディアの攻防をこのレベルで批判的に作り上げる意欲には心が打たれる。

批評や批判ということが、どんな意味を持つのか分からなくなっている時代だ。誹謗中傷と区別がつかなくなっているほど、知性や感性が貧しくなっている中で、「焼き直し」の批判を覚悟でリメイクした製作陣を讃えたい。

問われているのは、色々な物事が複雑に絡んだ世の中において、誰が突破口を開いていくんだっけ?ということ。

誰かがやってくれれば良いや。で、本当に良いのか。

それぞれの持ち場で、各自が主語になること。その覚悟を持って仕事をしていけば、きっと世の中は変わっていく。

そんな製作陣のオプティミズムに、すっかり感染されてしまった。それくらい、この作品には力がある。

(Netflixで観ることができます)

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