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自ら学ぶ、自ら修める。

先日、宇都宮高校の同窓会に関するnoteを書いた。

偶然かどうか、毎日新聞の連載「ぐるっと東日本・母校をたずねる」にて、宇都宮高校が取り上げられている。1回だけでなく、複数回にわたって母校にまつわる記事が発信されるというのだ。

3回目となる今回は、宇都宮高校の卒業生である千葉雅也さんが取り上げられていた。

僕は2002年度卒で、千葉さんは1996年度卒。

高校時代は顔を合わせる機会がなかったけれど、千葉さんが同じ高校(通称、宇高うたか)の出身だと知ってから、勝手に親近感を抱いている。記事では、僕も指導を受けたことのある有坂隆二さんの話が出てきて。今回も興味深く読むことができた。

しかしそれ以上に目に留まったのは、記事の終盤に書かれていた自修館じしゅうかんのこと。

建物自体は2015年から使われるようになったそうだが、その前身となる自習室というものが存在していて。確か図書室(高校にしては、かなりの書籍を有していたと思う)の隣にあったのだが、僕は大変お世話になっていた。

今は19時半まで使用可能と書かれているが、当時は21時まで空けてもらっていたと思う。鍵の開け閉めも生徒に委ねられていたが、高校3年生から僕が責任者を担っていた(高校時代はリーダーとは縁遠かったが、自習室のヘビーユーザーだったこともあり、僕が任されたのだと思う)。

記事には、こう書かれている。

ユニークなのは管理方法。リーダーの生徒を中心に清掃や閉館時の施錠などを担当し、開館予定日などの連絡はリーダーがツイッターで発信する。「エアコンも利用していいが、常識の範囲内の温度で」などと呼びかけたりもする。
建設費は、同高卒業生が「高校教育の充実に」と県に寄付した資金でまかなわれた。「後輩諸君が自ら身(学問)を修めるべく励み、切磋琢磨(せっさたくま)することで、将来我が国を支え世界で活躍する人材となってほしい」との思いから「自修館」と命名。

(毎日新聞2023年6月21日朝刊 連載「ぐるっと東日本・母校をたずねる」より引用)

今も、当時の自習室のスタンスが受け継がれていることを嬉しく思う。

誇張でもなく、僕は高校3年の6月に部活動を引退してから、毎日14時間の勉強に励んでいた。授業以外では、勉強時間の大半を自習室で行なっていた。塾にも通わず、大学受験に臨めたのは母校のおかげであり、自習室は合格の鍵でもあった。

自習室には、ごくまれに「冷やかし」で訪ねてくる生徒もいた。少しだけ騒がしくなる瞬間もあったが、僕がわざわざ注意する必要はなかった。生徒一人ひとりが黙々と、さも当たり前のように勉強に励んでいる姿を見て、冷やかしたちはすぐに離れていったのだ。

僕の記憶だと、自習室で定められているルールはほとんどない。私語厳禁ということも、特に決められていなかったはずだ。だけど、あの空間で私語を交わしていたり、分からないところを教え合ったりというようなことは、全く行なわれていなかった。

そういう場所を、10代で経験できたのは財産だったと胸を張って言える。

ただ黙々と、自習、つまり自分で習うべく勉強に取り組むこと。現在も「自修=自ら修める」として、当時のスタンスを踏襲しながら勉強に励んでいる。

受験勉強など、ただの詰め込みだという風潮が強まりつつある。しかし千葉さんは記事の中でこう語っている。

今の生徒には、徹底的に勉強してくださいと言いたいですね。受験勉強は重要です。個人的には、やはり詰め込み的な努力は避けられないと思います。それなしに考える力は身につきません。(中略)いろんな意味で人生の基礎になります。

(毎日新聞2023年6月21日朝刊 連載「ぐるっと東日本・母校をたずねる」より引用)

人生100年時代。在校生の頑張りに目を細めるだけでなく、僕も負けじで自習・自修に励まなければならないだろう。

彼らにとって「ああいう大人にはなりたくないな」なんて、思われたくはない。卒業生として、少し先を歩いている先輩のひとりとして、これからも精進したいと思う次第だ。

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