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暴君と悲劇(映画「マクベス」を観て)

シェイクスピアの4大悲劇のひとつである『マクベス』を映像化。Apple TV+で配信されたばかりの「マクベス」は、前評判の噂に違わず、濃厚な出来だった。

特にデンゼル・ワシントンさんの「錯乱ぶり」は凄かった。本作は全編白黒なのだが、彼の表情のカラフルなこと!正気を失い「暴君」と化した様子はおぞましく、悲劇に転落していく姿は哀れだった。

妻とともに野心を持ったことで、仕えてきた王を暗殺する主人公・マクベス。忠実でありたいとも望み、裏切ることへの葛藤も見せ場のひとつ。理想と現実の間で悩み、結果的に妄想と幻想に駆られ、あまりに早い転落に至ってしまう。

短く撮られた分、起伏の大きさが際立つ。

こんなにも美しい悲劇を、僕はかつて体験したことがなかった。

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