見出し画像

鳩の豆鉄砲は、まあまあ強烈だ。(映画「MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」を観て)

面白かった!

良い映画の感想なんて、このひと言に集約されるので十分だ。ひたすら細かく感想を描写しなくても、「面白かった!」が作品に光を当てるのだから。

──

「MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」
(監督:竹林亮)

コメディ映画って、映画好きの方にとってどんな位置付けだろうか。

映画の中にあるコメディ要素……

コメディ、つまり映画の中での笑いどころというのは、映画の中でスパイスのような役割を担ってきた。いや、スパイスというよりも、おつまみみたいな存在だろうか。あったら嬉しいけれど、なくても成立するもの。つまりは、「必ずしも必要とはいえないもの」くらいの低い位置付けで、コメディというものは捉えられてきたのではないだろうか。

もちろん、コメディ映画における果敢なチャレンジはたくさんの映画監督によってなされてきた。

例えば、「ハングオーバー」シリーズ。派手な展開と笑いの仕掛けがこれでもか!と盛り込まれ、観る者を決して飽きさせることがない。

「MONDAYS」は、「ハングオーバー」の対極のコメディ映画だと僕は思う。ユニークなのは、1週間のタイムループという設定だけだ。窓に鳩が突撃してくるとか、真夜中に不意に停電が起こってくるとか、せいぜいその程度のこと。大きな事件は一切起きず、どこにでもあるような会社のいち風景が延々と繰り返されるだけのコメディ映画である。それが、べらぼうに面白い。

上映時間はたったの82分。

それなのに、物語にぐいぐい引き込まれていけたのは、やはり映画監督と脚本の力によるものだろう。繰り返しになるが、大したモチーフは使われていない。たまたま「鳩」がモチーフのひとつのように、豆鉄砲の連発が、そこそこの衝撃を与えているという“奇跡”のような作品といえる。大したことないモチーフから着想されたアイデアが、数珠繋ぎのように結ばれ、着々とキャラクターが物語を前へ進めていく。もはや感動さえ覚えるほどだ。

「MONDAYS」には、「パーム・スプリングス」のような、洗練されたプロダクションは存在しない。それでも見劣りしないのは、アイデアのセンスが絶妙だから。クスクス笑いの誘引って、実は相当高度なものなのだ。

──

今も昔もタイムループ作品はありますが、「MONDAYS」を観ると、改めてまだまだ気付かれていないアイデアがたくさんあるように感じます。

まあでも今回は、主演の円井わんさん、助演のマキタスポーツさんの素晴らしさが光っていました。誰しも二面性というか、裏表というか、胸に秘めていることってありますよね。そういった「普遍性」もしっかり表現されている作品でした。Netflixで観れます。

#映画
#映画レビュー
#映画感想文
#MONDAYS
#MONDAYSこのタイムループ上司に気づかせないと終わらない
#コメディ
#竹林亮 (監督・脚本)
#夏生さえり (脚本)
#円井わん
#マキタスポーツ
#Netflix

この記事が参加している募集

映画感想文

記事をお読みいただき、ありがとうございます。 サポートいただくのも嬉しいですが、noteを感想付きでシェアいただけるのも感激してしまいます。