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朝刊にワールドカップの結果を載せられるか(日本対ドイツ)

日付を跨いで、24:00に試合が終わったワールドカップのドイツ戦。

僕は1対3で負けると予想していましたが、後半30分から立て続けに2点取るという、試合としては一番面白い展開に。リアルタイムで観戦されていた方、実は現地観戦していた方が続々とSNSに興奮をアップしていて、「寝落ち組」のひとりとしても嬉しいです。

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他の地域は分かりませんが、東京の毎日新聞は、ワールドカップ勝利の誌面を大きく掲載していました。

1面に「日本 独に初勝利」という大見出し。「2-1 ドーハの歓喜」「初戦 格上に堂々」と続きます。全24面の中、5面をワールドカップ関連記事に使っているという盛り上がりです。

もともと「試合結果が出た上で印刷しよう」と決めており、

・勝ち
・引き分け
・負け

の3パターンの誌面はだいたい組まれていたはずです。とはいえ、後半30分から試合が動いたわけですから、誌面のトーンや内容も180度変わったでしょう。特に15面のスポーツ欄はギリギリの編集がなされていた跡が見受けられました。

ドイツ戦の前に行なわれていた「モロッコ対クロアチア」の試合結果は、双方のチームメンバー、ボール保持率(シュート数、CK数、FK数を含む)、交代メンバーがそれぞれ掲載されています。しかしドイツ戦は日本のスタメンのみしか掲載されておらず、ボール保持率や交代メンバーに関する記載もありませんでした。(ちなみに森保監督の試合後インタビューは「33文字」分の掲載でした)

ボール保持率は正確な数値が必要なので、掲載なしでもやむを得ないと思いますが、あまりにも数値がおざなりになっている感は否めません。

また、カタールワールドカップでは、交代枠が5人に増えています。他の結果速報をチェックすると、森保監督は5人の交代枠を使っています。後半開始から久保→冨安となっているし、先制点を挙げた堂安選手も後半26分(先制点をあげる4分前)に交代して入ってきている。

速報性が大事にされている一方で、よく読むとニュースの「粗」は見受けられます。

とはいえ、印刷に間に合う最終期限の「25時」に間に合うかどうかのタイミングだったわけで。この時点では、「いかに当時の熱狂を伝えられるか」が最もニュースバリューが高いと判断したのでしょうし、それは間違っていなかったと思います。

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こういった編集視点で新聞を眺めると、色々な気付きがあります。

もうひとつ忘れてはいけないのは、現地記者、日本に滞在しているスタッフのやり取りの上で誌面が成り立っているということ。「まだか、まだか」とヤキモキしながら誌面作りに取り組んでいたのでしょう。僕らがのんびりと朝刊で結果を知ることができたのも、そういった方々の努力があってのことなわけです。

そして、サッカーファンの中には、この誌面を長期保管される方もいるはず。「紙」に残る情報の価値について、改めて考えられた朝になりました。

次回のコスタリカ戦は19:00キックオフ。次編集時間も少し余裕がありますから、今回より充実した内容になりそうです。どんな「違い」になるか楽しみです。

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