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「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」が記憶に残るとき

先週末、長男と一緒に、「暴太郎戦隊ドンブラザーズVSゼンカイジャー」を観てきた。GWに一部劇場による限定公開で始まったものの、なかなか行く機会がなく。ようやく終映に近いタイミングで観ることができた。

僕は、幼少期に戦隊シリーズを観ていなかった。

38年の時を経て、どこからか長男が「ドンブラザーズ」という単語を仕入れてくる。初めてしっかり観る戦隊シリーズは、もちろん心躍るほどの感情は湧かなかったけれど、それでも十分に、登場人物たちに愛着を覚えることができた。(毎週の放送はそれなりに楽しみになり、週末は地方のヒーローショーにも出向くこともあった)

ちなみにドンブラザーズは、おそらく長男にとって、最初で最後の戦隊シリーズになる。

現在放送中の「王様戦隊キングオージャー」は、ほぼ初回の時点で観るのを止めてしまったからだ。(「キングオージャー」が面白くないわけではなく、今年に入って猛烈に「ウルトラマン」シリーズにのめり込んだのが原因だと思われる)

毎日ウルトラマンの話題に事欠かないが、テレビシリーズ終了から2ヶ月ほど経ったタイミング。ドンブラザーズの映画は楽しみにしていたようで、ウキウキしながら新宿バルト9まで足を運んだ。

2022年7月公開「暴太郎戦隊ドンブラザーズ THE MOVIE 新・初恋ヒーロー」は、30分という短さ。やや消化不良の作品だったが、今回はたっぷり1時間。主人公の桃井タロウ(演・樋口幸平)ら、馴染みのメンバーがあれやこれやとドタバタ劇を繰り広げるのはテレビシリーズ同様だったが、前作のゼンカイジャーも登場する。がちゃがちゃと盛り上がって、それはそれで面白かった。

ちなみに物語の軸は、桃井以外のメンバーが、ドンブラザーズを脱退するかどうか。戦闘員(?)の契約期間が満了になり、生活に足る収入を得られた状態の彼らは、ヒーローでない「ふつう」の生活を志向する。

「構わん、お前たちの人生だ」と告げる桃井に、思わぬ悲劇が訪れて──というのが筋書きだ。ウルトラマンシリーズと異なり、戦隊生リーズはかなり大人も意識しているようで、ちょっとした「大人の事情」に、大人である僕もドキっとすることが何度かあった。

なんといっても、ユニークなのは、「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」という名前。どんぶらどんぶら〜と、童話『桃太郎』がモチーフになった作品という斬新さ。仲間のメンバーは、厳密にいうと「仲間」ではなく、「お供」。令和という時代に、主従関係をベースにしたドラマというのも興味深く。入り口が友情ではないからこそ、「友情」が垣間見えると、胸が熱くなるわけで。

そういった、普段のドラマのセオリーをちょっとだけ崩したような物語。僕の記憶にも、長男の記憶にも、しばらく残れば良いなと思う。

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