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ポーランド・ジャズのお仕事上半期リスト

最近は「図書館ウォーカー」を名乗って旅エッセイストぶっておりますが、まだまだ多くの方にとってはオラシオと言えば「ポーランドのジャズを専門とする音楽ライター」なのかもしれません。

思うところあって、音楽分野のほうではここ4年くらいの間に仕事のやり方をだいぶ変えました。細かい説明を省いてかんたんに説明しますと、

オファーが来たらやる

ということです。えっ、そんなの当たり前でしょって? ではもう少し説明しましょう。

もう自分から営業とか情報提供とか招聘のお手伝いとかそういうのはやらないことにしました。「仕事を増やすアクションを、いったんやめてみる」ということになるのでしょうか。

このやり方に変えた当初は、正直言って「たぶんもう仕事はなくなるだろうな」と覚悟していました。ところがです、ところがですよ。

別に仕事はなくなりませんでしたし、もともとそんなに多くもなかったので(笑)、減ったとさえ言えないくらい変化がありませんでした。

まあ自分の話はこの辺にしましょう。今年上半期は、なぜかポーランド・ジャズがらみのお仕事がたくさん集中したので、備忘録も兼ねてここに載せておきたいと思います。

上の流れだと「自分から営業しなくても仕事がばかばか来るオレすごいでしょ?」みたいな感じになっちゃうのですが(笑)、僕が言いたいのはそれではなく「半ばリタイアしているこんな僕にも仕事が来るくらい、日本でポーランドのジャズが盛り上がってきている」ってことなんです。

ライナー執筆

アダム・バウディフ/レジェンド~ヘンリク・ヴィエニャフスキの音楽にインスパイアされたアルバム

ピオトル・オジェホフスキ&クバ・ヴィエンツェク/ドラキュラの主題

アダム・ピエロンチク/シマノフスキ X-RAY

すべて原盤はポーランド最大の音楽出版社PWM Edition発のクラシック音楽レーベルANAKLASIS内のジャズ・シリーズ「REVISIONS」カタログ中の作品です。国内仕様版は東京エムプラスさんのディストリビューション。
ANAKLASISはペンデレツキの楽曲からタイトルを採っていることでもわかるようにクラシックの中でも現代音楽によりフォーカスしたレーベルなのですが、出版社が興した&現代音楽メインのレーベル&ただのジャズ・カヴァーではないコンセプトのシリーズって、たぶん日本だとあり得ないだろうなという感じがしますね。

それぞれのアルバムのライナー書くときに聴いたり調べたりした音源について、↓の各記事でリストアップしています。

インタビュー記事

スワヴェク・ヤスクウケ(CDジャーナル2023年3月号)

ピオトル・オジェホフスキ(JAZZ JAPAN Vol.154 5/23発売予定)

二人ともポーランドのジャズ・シーンを代表するピアニストですね。オジェホフスキは4月下旬に初来日。現代音楽とジャズを股にかける天才の、非常に貴重なインタビューだと思います。
ヤスクウケは先日待望の再来日を果たし、現在もツアー中ですね。ヤスクウケは過去にCDジャーナル誌上で何度かインタビューしていて、どれも面白いことを言ってます。ネット上に上がってない記事なので、かんたんに読んでいただけないのが残念ですが、すべて合わせて読むと彼の音楽創作に対する姿勢がわかってきて、よりその音が面白くなるんですよ。
その他、クバ・ヴィエンツェクのインタビューも近日発売の某誌に掲載予定ですので、情報解禁になればお知らせいたします。

ライヴ関係の記事

スワヴェク・ヤスクウケ(Sławek Jaskułke)と横山起朗、才人二人による日常に寄り添うピアノに包まれる一夜〈POLISH PIANISM Concert〉

THE PIANO ERAのスピンオフとして、ポーランド出身&留学経験のある才人ピアニスト・コンポーザー2人がステージをシェアするというコンサートPOLISH PIANISM Concertが行われることが決まり、急遽3日くらいで書いてくれと言われたイントロダクション記事でした。
なぜ僕にこの仕事が来たかと言うと、1)スワヴェクは僕がコアポートの高木さんに紹介した、2)横山さんは留学時に偶然ワルシャワで出会って友人同士だった、3)コンサート・タイトルの「POLISH PIANISM」は僕が選曲解説したコンピ「ポーランド・ピアニズム」(コアポート)の英題から採られている、という3つの理由だからだと思います。
そして無事コンサートは先日5.13.に開催され、2人とも観客をそれぞれの音楽で魅了しました。上1)~3)のような絡みがあるので個人的に感無量で、聴きながらちょっと泣いちゃったのでした。

ポーランド・ジャズの現在地を知る ライヴ・レビュー(JAZZ JAPAN Vol.154)
上のピオトル・オジェホフスキのインタビューと同じ号に載っています。彼や一緒に来日したミュージシャンたちが演奏した一連のコンサートをリポートしています。

トーク

ANAKLASIS広報イベントで来日ミュージシャン3人とクロストーク at ポーランド大使館
ライナーを書いたANAKLASISの3枚のうち2枚のリーダーたち、ピオトル・オジェホフスキ、クバ・ヴィエンツェク、アダム・ピエロンチクの3人と、20分間だけですがQ&A方式のクロストークのお相手を務めさせていただきました。僕お得意?のぼやっとした感じの質問もしたのですが、深い考えを聴かせていただくことができました。このやりとりについては、またここnoteでまとめる予定です。
大使館でお話しするのは2度目なのですが、今回は数年人前でのトークから遠ざかっていたこともあり、ちょっと緊張してました(笑)

ポーランドのジャズ・アーティストの来日はさらに来月6月にクラクフを拠点にしている若手ピアニストのマテウシュ・ガヴェンダが続きます。母国でもあまりやらないソロ・ピアノの日もあるようですし、彼のレギュラー・トリオでの演奏もあります。
ちなみにガヴェンダ、僕がクラクフに行ってた日に偶然カフェに入ってきて、店にいたジャズ・ファン?の女の子たちにきゃーきゃー言われてたのを思い出します。彼もジャズそのものも若者にも人気があるんですよ。
ポーランドのジャズ、盛り上がってるぞってことで、最後にこの来日情報で〆ととさせていただきます。


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