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JリーグOBたちの脚の角度がすばらしい

パブリックスペースにおける男性陣の「脚おっぴろげ」問題、根深いですね。

僕はあれ、日本のジェンダー環境が生んだ社会病理だと思っています。

運転免許を持っていないので、日常でも旅でも移動は公共交通を使うことになるのですが、脚おっぴろげ状態はおっさんはもとより、僕が見たところ中学生・高校生の運動部男子たちのマナーがほんとうに悪いです。

脚はこれ以上ないくらい広げていますし、用具が入ったでっかい鞄とかも床に投げっぱなし。姿勢もまるで家にいるかのようにだらしなく、ものすごく邪魔です。

運動部って上下関係厳しいですし、礼儀みたいなのビシビシ叩き込んでるんだと思うのですが、その「教育」の行き届く範囲ってきっと担任とかコーチとかの目が光っている場所だけなんでしょうね。先生が電車やバスで部活から帰る時の学生たちを見たら、そのマナーの悪さに愕然とするのではないでしょうか。

でも、運動部の男子学生がことさらマナーが悪いのはたぶん、テレビに映るプロアスリートのせいでもあると思うんですよ。特に「脚おっぴろげ」に関しては。

テレビに出演している男性アスリート(「元」も含め)がイスとかソファに座っている姿、ほとんど例外なくむちゃくちゃ脚を広げているんですよね。あれはほんとうに教育に良くないと思います。プロの人がそうなら、別に俺たちもいいよねって僕が子どもなら思っちゃいますもん。

アスリートは脚が筋肉で太いから、閉じるのは難しいのではという意見もあるかもしれません。しかしよく考えてください。これもジェンダー問題ですが、女性には脚をぴっちり閉じているのがあるべき姿だという「常識」を押し付けていますよね。でもそんなふうに閉じるのって、ものすごく筋肉が要ります。男性は試しにやってみればいい。つらいです。

つまり、脚の筋肉があるほうが閉じ続けることができるはずなのです。それに、座っている男性アスリートの広げ方は「筋肉があるから、そのぶん閉じられない」というレベルの角度ではないです。完全に二人分、優しく見ても1.5人分くらいのスペースをとる広げ方をしています。

きっと彼らは、公共交通に乗っているときも同じ感じじゃないのかな?それか車移動だから別にかまわんとかなのか。もしくは、仮に電車やバスではちゃんと閉じているのだとしたら、やっぱりテレビ番組で座っているときもそれができるはずですよね。なんで閉じないんだろう。

別に僕は、今の社会で女性に押し付けているような「ぴっちり閉じ」をやれと言っているわけじゃないです。それに、家でも同じようにしろと言っているわけでもない。とりあえず公共空間では、男も女も(もちろんそれ以外の人も)人一人分に収まる感じの脚の閉じ方(自然に少しだけ開いている感じとも言う)をするのがマナーなのでは、と思うのです。

やっぱり、心のどこかに「男は、そしてアスリートはこれでもいいんだ」という甘えがあるのではと思ってしまいます。何回でも言います。彼らは閉じられるはずなのです。

なぜそんなにしつこく言うかといいますと、絶好の「脚をちゃんと閉じている」男性アスリートたちがいるからです。それは、JリーグのOBたちです。

サッカー選手こそ、脚を酷使するスポーツなのだから、筋肉もあって脚が太いはずです。でもテレビに出ている元有名Jリーガーたち、前園さんとか中澤さんとか、みんなきちんと人一人分くらいのスペースに収まるように脚を閉じています。

僕は正直サッカーというスポーツは好きじゃないし、サッカー選手に対しても偏見と言うか苦手意識もあります。今回のワールドカップでも、ドイツやスペインに勝って決勝トーナメントに行ったことに驚きはしたものの、別にどうでもいいという気持ちしかありません。

でも、元Jリーガーたちのすばらしい脚の閉じ方を見て、かなり見直しました。前園さんくらいの世代の人たちから後の選手は、9割方座っているときにきちんと脚を閉じています。その徹底ぶりに、それくらいの世代から公共空間での脚の処し方について何か具体的に教育方針があるのでは?と思ったくらいです。

今はワールドカップで盛り上がっていて、サッカー関連のいろんな番組が放送されています。番組のゲストとして、元Jリーガーたちが出演することも多いでしょう。そのときはぜひ、彼らの脚のすばらしい角度をご確認ください。

運動部の男子学生たちは彼らを見習ってほしいし、他のスポーツのプロ選手たちもちゃんとしてほしいところです。だって、できるはずなのですから。


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