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生きる

先日友人とお勧めの本の話をしていた時に『たまに谷川俊太郎さんの詩集を眺めると癒される』と言っていたのを思い出して
そういえば私も持っていた気がする・・・と本棚をさがしてみたら、、、あった。

私がまだ24歳の頃に買った本で、
当時の私は勤めていた中学校で初めてのクラス担任をさせてもらっていた。
(その後辞めてしまったので、最初で最後の担任になったのですが・・・)

当時のSNSはmixiが主流で(今の子たちは知ってるのかな?)
mixiのコンテンツの中の楽しみの一つに『コミュニティ』というものがあった。(instagramやtwitterで言うタグみたいなもの?)
好きなアーティストや、趣味なんかのコミュニティに入って仲間を見つけたり情報交換する場。
私は『納豆が好き』『オシャレが好き』『ノラジョーンズが好き』『宮崎県民』みたいなコミュに入っていた気がする。

私が入っているコミュニティの中に『谷川俊太郎』というコミュニティがあって、そこでこの『生きる』という詩に出会った。

『生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木漏れ日がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみをすること
あなたと手をつなぐこと』

これは出だしのほんの一部で
ここから20代の谷川俊太郎さんの『生きる』がたくさん綴られている。

その『谷川俊太郎』というコミュニティの中に
『生きる』というトピックがあった。

『谷川俊太郎さんの傑作の一つ【生きる】をお手本に
みんなの【生きる】をつなげていこう』
というもの。

そのトピックには、コミュニティに所属している人たちが自由に自分の言葉で『生きる』を綴っていた。

『生きているということ
いま生きているということ
それは〇〇〇〇』
という風な感じで。

当時の私は、クラスの生徒が大好きで、何でも共有したい!!
私が感じた事を知って欲しい!あなたたちの感じた事も教えて!!
といった感じで、まるで恋人かのように生徒の事を思っていて、
この『生きる』も、生徒に伝えたい!あなたちならどんな言葉を綴る!?
と、道徳の授業でこの詩を書いて見せてもらった。

当時の私も『生きる』を書いた記憶がある。
そしてこの本を開く時に、それが中に入っていないかな・・・とドキドキしながら開いたのだけれど、残念ながら入っていなかった。
あったとしても、当時の彼の事ばっかり書いていたんだろうけど。

あれから10年以上
当時はじめたばかりのフラはせんせいになって
お母さんにもなった。
色んな出会いと別れもあって、少し強くもなっている。
思うようにいかない事もたくさんあって泣きながら運転していた私は
いまだに泣きながら運転している事もあるし(照)、あの頃の感受性はまだ残っているのかな。

もう一度、今の自分の『生きる』を書いてみたい。

生きているということ
いま生きているということ
それは花の香りを吸い込むこと
流れ星を探すこと
ふわふわした綿毛を吹くこと
夕焼けの色を思うこと
太陽の光を浴びること
汗をかくこと

生きているということ
いま生きているということ
それはフラ
それは海
それは詩
それはジーンズ
それはノラジョーンズ
それはイブピアッチェ
それはチーズとワインと映画

生きているということ
いま生きているということ
音楽が美しいと思うこと
ことばを味わうということ
涙が流れるということ
伝えたい事があるということ
心の中に生きている人がいるということ

あなたの『生きる』は何ですか?


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