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薔薇の庭で母を待つ

初夏になると、薔薇が咲き始めます。
私が幼少の頃、庭には薔薇が咲いてました。

当時はちょっとしたブームだったのか、
どの家にも薔薇があったように思えます。

玄関の前にクリーム色の薔薇。
庭の真ん中に真紅の薔薇。
庭の一番奥にはオレンジの棘の鋭い
蔓薔薇がありました。

学校や遊びから帰ってきて、母が留守でいない時は、
玄関の前の薔薇と一緒に並んで母を待ったものでした。
クリーム色に心を慰められながら。

庭の濃くて深い赤色の薔薇の美しさに、
飽きずにずっと眺めてました。

花が散ると、花びらを集めて、
大事に持ってましたよ。
ままごとの器に入れて
ゴージャスなおかずにしたり。

不思議なことに、私の中では
庭の薔薇はいつも咲いている映像が浮かびます。
咲いていない時の記憶がありません。

薔薇を植え、育ててた母がすごいなぁと
大人になってから気づき、憧れて、
ミニバラの鉢植えを買ってみたけれど、
蕾はたくさんついてたのに、
咲かずに枯れてしまいました。

私はガーデニングには不向きなのか、
どんな花も咲かせることができません。

でもいつか私が薔薇の庭を作り、
もう帰ってくることもないだろう
母を待ちながら、
落ちた花びらを拾い集めていたいです。


俳句ポストの5月の兼題「薔薇」に向き合うと、
薔薇にまつわる幼少の頃を思い出しました。

薔薇と言えば、今は品種も色も無限にあるし、
モチーフとなった映画や小説なども山のように
あるので、イメージを絞り込むのも大変。

少女マンガが好きな私には、
薔薇と言えば、王子様や美青年。
「ベルサイユのバラ」「キャンディキャンディ」
「ポーの一族」などなど。
薔薇の園には美形ありなのです。


薔薇に関する歌もたくさんあります。



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