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十大弟子【仏教用語解説】vol.28

【仏教用語解説】のコーナーでは、さまざまな仏教用語を解説していきます。

第28回は「十大弟子じゅうだいでし」です。

十大弟子とは

十大弟子というのは、お釈迦さまの弟子のなかで、主要な人物10人のことを指します。それぞれ特に秀でていた分野の名前を冠して、「○○第一」という称号もつけられています。

前回の【仏教用語解説】で、10人全員の解説が終わりました。各記事のリンクは以下のとおりです。
(①~⑥は4年前にやっていたお寺ブログの記事で、かなり文字数が少ないです)

舎利弗しゃりほつ→「智慧ちえ第一」
目連もくれん→「神通じんづう第一」
摩訶迦葉まかかしょう→「頭陀ずだ第一」
須菩提しゅぼだい→「無諍むじょう第一」、「解空げくう第一」
阿難あなん→「多聞たもん第一」
優波離うぱり→「持戒じかい第一」
富楼那ふるな→「説法説法第一」
阿那律あなりつ→「天眼てんげん第一」
摩訶迦旃延まかかせんねん→「論議ろんぎ第一」
羅睺羅らごら→「密行みつぎょう第一」、「学習がくしゅう第一」

すべての経典で重視されているわけではない

大変有名な十大弟子ですが、実はその内容には所説あって、お経典によって異なるそうです。【仏教用語解説】で取り上げたのは、日本で十大弟子と言えばこの10人、とされているもので、維摩経ゆいまきょうを典拠としています。

また、そもそも十大弟子という規定を考慮していないと思われるお経典もあります。

たとえば『妙法蓮華経』では、第1章にあたる「序品じょほん第一」において、お釈迦さまの説法を聞くために集まった聴衆の紹介がされるのですが、お釈迦さまの弟子のうち十大弟子に含まれていない人の名前がたくさん出てきますし、一方で十大弟子のひとりである「優波離うぱり」の名前はあがっていません。

ですので、「十大弟子」というのは、数多あるお経典のなかにおいては決して絶対的な規定ではない、ということだろうと思います。

とはいえ覚えるのは楽しい

ちょっと話は変わりますが、私は仏教の勉強をし始めたばかりの頃、「十大弟子」とか「四諦八正道したいはっしょうどう」とか「十二因縁じゅうにいんねん」とか、何かしら「数」が決まっている仏教用語を一生懸命暗記していました。ひとつひとつの単語を覚えていくより、「お釈迦さまの有名な弟子10人」という形で覚える方が、覚えやすかったんですよね。

全部暗記できたときは達成感がありますし、お経典や解説書などを読んだときには「あ、十大弟子のひとりの舎利弗尊者そんじゃが出てきた」なんて思って、うれしくなったりします。

やっぱり、何かひとつの分野について勉強をし始めたばかりの頃って、とにかく色々な言葉を「覚えたい」と思うものですからね。

【仏教用語解説】では、これからも、「覚えておいたらお経典を読むのがちょっと楽しくなる言葉」を紹介していけたらいいなと思っております。

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今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

それでは、また。



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