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羅睺羅【仏教用語解説】vol.27

【仏教用語解説】のコーナーでは、さまざまな仏教用語を解説していきます。

第27回は「羅睺羅らごら」です。

羅睺羅らごら
羅睺羅らごらはお釈迦さまの実の息子で、十大弟子のひとりです。原語のサンスクリット語では「ラーフラ」と言います。

彼が生まれたとき、父親であるお釈迦さまが「さまたげとなる者(ラーフラ)が生まれた」と言ったことから、「ラーフラ」(羅睺羅)と名づけられたと言われています。

私がこの話を初めて聞いたのは中学生くらいだったと思いますが、「なんてひどい名前の付け方をするんだ」と思ったものです。「ラーフラがあとから名前の由来を知ったら、傷つくんじゃないか」と心配までしました。

しかし、大人になってから考えてみると、「真理を求める修行のさまたげになると思ってしまうくらい、わが子がかわいくて、気がかりだったんだなあ…」と思います。

ところで、インド神話に「ラーフ」と言う名前の神さまが出てくるのですが、この「ラーフ」は日食や月食を起こすと考えられていたようです。この「ラーフ」と、お釈迦さまの息子の「ラーフラ」との関係性も指摘されています。

たしかに、地上の人間から見て、太陽や月の光をさえぎるというのはまさに「さまたげとなる者」ですね。

羅睺羅(ラーフラ)は、お釈迦さまが生まれ故郷のカピラヴァストゥにやってきた時に、20歳で出家したと言われいます。

不言実行の態度で修行に打ち込んだことから「密行第一」、あるいは誰よりも学ぶことを好んだことから「学習第一」と呼ばれたそうです。



ちょっと短いですが、今回は以上になります。これで十大弟子の解説がすべて終わりました。

調べていると、十大弟子についてはまだまだ興味深い話がたくさんありそうなので、ちゃんと出典等を見つけることができたら、また紹介させていただきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

それでは、また。


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