富楼那【仏教用語解説】vol.24
【仏教用語解説】のコーナーでは、さまざまな仏教用語を解説していきます。
※第1~23回はこちら。
第24回は「富楼那」です。
富楼那はお釈迦さまの弟子で、十大弟子のうちのひとりです。
より詳しい名前は「富楼那弥多羅尼子」と言い、これはサンスクリット語の「プールナ・マイトラーヤニープトラ」を漢字で音訳したものになります。
「プールナ」は「富楼那」、「マイトラーヤニー」は「弥多羅尼」となります。「プトラ」は「子」という意味で、ここだけ意訳されています。
実は、「マイトラーヤニー」というのは富楼那のお母さんの名前だそうです。ですから、「プールナ・マイトラーヤニープトラ」は、「マイトラーヤニーの子、プールナ」という意味になりますね。
ちなみに、「プールナ」には「完全」とか「満杯」という意味があり、この意味をとって「満願子」と漢訳されることもあるそうですよ。
富楼那はお釈迦さまと同じ生年月日であったと言われています。また、彼の母親のマイトラーヤニーは、【仏教用語解説】第23回で解説した「阿若憍陳如」(お釈迦さまの最初の5人の弟子のうちのひとり)の妹であるという説もあるそうです。
さて、十大弟子には、それぞれ最も秀でていた分野を冠して「○○第一」という称号が与えられています。富楼那はお釈迦さまの弟子のなかでも特に説法に優れていたので、「説法第一」と呼ばれています。
これまで解説した十大弟子の称号は次のとおりです。
舎利弗→「智慧第一」
目連→「神通第一」
摩訶迦葉→「頭陀第一」
須菩提→「無諍第一」、「解空第一」
阿難→「多聞第一」
優波離→「持戒第一」
十大弟子の解説は今回で7人目なので、残り3人となりました。
引き続き解説していきますので、次回も読んでいただけると嬉しいです。
それでは、また。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?