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ニッチ(niche)という言葉を知って以来、頭のなかがニッチでいっぱいになってしまった話

1か月ほど前、「ニッチ」という言葉を知ったのですが、それ以来「ニッチ」について考えない日はありません。
今のところ、2024年の研究テーマ候補、第1位です。

まず「ニッチ」という言葉について、「ニッチなジャンル」というような言い方は誰でも聞いたことがあると思います。
あるいは、ビジネスの文脈で、大手企業が参入しないような小規模な市場を「ニッチ市場」と呼び、そのような市場を狙ってマーケティングすることを「ニッチマーケティング」と呼ぶ…こういう用例を目にしたことがある人もいるかもしれません。

では、建物の壁をくり抜いて、彫像や花瓶を置くために作られたくぼみのような空間のことも「ニッチ」と呼ぶのは、ご存知だったでしょうか。私は知りませんでした。日本でも、単に「ニッチ」あるいは「ニッチ棚」という名前で、家を建てるときに作られることがあるみたいです。

そもそも「ニッチ」(niche)は「隙間」とか「裂け目」を意味する英語らしいのですが、私が知って衝撃を受けたのは、ここまで紹介したどの用法とも違う「ニッチ」です。

「生態的地位」としての「ニッチ」

生態学という分野で、ある生物種が生態系のなかで占める位置のことを「生態的地位」と言い、これを「ニッチ」とも呼ぶそうです。
この場合、「ニッチ」はその生物種が食べるものや生息するエリアなどで決まるらしいのですが、これは自然界におけるいわゆる「ポジション」とか「椅子取りゲームの椅子」のようなものなんだろうと思います。

この「生態的地位」としての「ニッチ」がすごく面白いなと思って、『ニッチ構築―忘れられていた進化過程―』という本格的な本まで買ってしまいました。
出版社HPに掲載されている内容解説には次のように書かれています。

生物は、自ら環境を変化させる。その変化が、次の世代以降の進化に影響する―これがニッチ構築の主張だ。従来の進化理論では、生命は環境に対しては一方的に受け身にしか反応しない存在だった。選択は、常に「自然」が行う。だが、ニッチ構築進化論では、生物体はもっと能動的で主体的な存在だ。環境が生物体に働きかけるように、生物体も環境に働きかける。そのプロセスが進化にとっても生態学にとっても重要だ。

共立出版HP(https://www.kyoritsu-pub.co.jp/book/b10010584.html

「生物は、自ら環境を変化させる」という考え方。これがとても刺さってしまいました。

生物体はもっと能動的で主体的な存在だ。環境が生物体に働きかけるように、生物体も環境に働きかける。

この言葉を「私」と「環境」の関係に当てはめて、

「私はもっと能動的で主体的な存在だ。環境が私に働きかけるように、私も環境に働きかける」

と言うことが可能なのではないか。

私はこの先、不安定で不確定な社会という環境の影響を受け、その環境のなかで生きていくわけですが、私が環境に働きかけることもできるはずです。

もちろん、ボーっとしていたら環境の変化に翻弄されるだけだと思いますが、「私は自ら環境に働きかける、能動的で主体的な存在だ」と思うと、力が湧いてきます。

共感してくださる人がいたら、「私」は「私たち」になりますね。

「私たちは自ら環境に働きかける、能動的で主体的な存在だ」

環境の影響を受けつつ、自らも環境に働きかけ、これまでのニッチを捨ててこれからのニッチを構築していく。

来年はこんな感じの実践と発信をしていきたいなと思っています。

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