オンラインブックフェア 映画「タゴール・ソングス」誕生記念ー 100年後に、この本を心を込めて読む、あなたは誰ですか?
《ONLINEブックフェア》
映画「タゴール・ソングス」誕生記念
100年後に、この本を心を込めて読む、あなたは誰ですか?
期間:2020年5月1日〜100年後もずっと続きますように。
会場:note & 全国の本屋さん(募集中)
本フェアは、映画「タゴール・ソングス」の誕生を記念して開催いたします。100年以上前に生きたインドの詩人 タゴールの言葉が、ベンガルの人々をはじめ、今もなお、多くの人の人生に寄り添い、心に宿っています。それは決して、タゴールが詩聖とされるほどの偉人性に起因するものではないでしょう。タゴールは詩「百年後」の中で、「今から百年後へ向けて 今朝 春の歓びに触れたこと あの花 鳥たちの歌を あの深紅の輝きを 心から あなたに届けられるだろうか」とよみました。100年という歳月は人間にとっては気の遠くなるような時間かもしれません、しかし、一度、春の喜びを言葉に、詩に、本に、芸術にした途端、ひょいとその時間を飛び越えて受け継がれていくのです。
今回は、タゴールの詩「百年後」から着想を得て、「100年後に、この本を心を込めて読む、あなたは誰ですか?」 をテーマに、さまざまな方に選書とコメント、そしてイラストレーションを寄せていただきました。
今を生きる「あなた」にも、この言葉と本と絵が届きますように。
《映画情報》
「タゴール・ソングス」
(監督:佐々木美佳、構成・プロデュース:大澤一生、配給:ノンデライコ)
劇場:全国巡回中!
※仮説の映画館にも参加中!
《ONLINEブックフェアとは》
インターネット上で開催するブックフェアです。毎回ひとつ「テーマ」を設定し、老若男女、ご近所さんから著名な方、日本、いや世界中、たまには地球外の生命体も……と、さまざまな方に選書&コメント、そして小文やイラストレーションを寄せていただきます。選者のみなさまは、随時増えていく予定です。このテーマで、この方に本を選んでほしいなという想いでお声がけさせてていただくことを続け、常に成長するブックフェアを目指しています。「本を選ぶ」ことを軸に、選者のみなさまの言葉や哲学に出会っていただき、オンラインブックフェアの読者のみなさまの好奇心の栄養、アイディアの糧、日々のヒントに繋がる場所にしたいという想いがこめています。選書いただいた本は、選者の手元にある本の写真も添えて紹介しています。写真からも、選者と選ばれた本の関係性を感じていただけたら嬉しいです。気になる本は、実際に本屋さんに行って手にとっていただけたら、このうえなく幸せです。
《はじまる前にご案内とお願いです》
※本フェアはみなさまにご購読いただくことによって運営をしております。一部無料ですが、ご購入いただいた方は、全コンテンツをお楽しみいただけます。また、贈物として、フェアにて紹介している本のリストをPDFにてダウンロードしていただけます。
※本フェアは随時、選書&コメントや書店リストを増やすなど更新していく予定です。ご購入者さまには、都度、更新の通知をさせていただきます。その際に新たに課金は必要ございません。成長するフェアを、お楽しみください(2020年5月19日更新、2020年10月5日更新)。
※ONLINEブックフェアを実際に店舗やECで開催していただける本屋さんには、ブックリストをお送りいたします。お気軽に、「お問い合わせフォーム」よりご連絡ください。
※フェアに掲載されている全ての内容の、許可のない転載や二次利用はご遠慮ください(感想は大歓迎です!)。
それでは!! 最後まで、
オンラインブックフェア
映画「タゴール・ソングス」誕生記念
100年後に、この本を心を込めて読む、あなたは誰ですか?
をどうぞお楽しみください。
はじめに)
佐々木監督と本屋しゃんの出会い。
「差」は「繋がり」、映画「タゴール・ソングス」が生まれた。
佐々木美佳監督。1993年福井県出身。
映画「タゴール・ソングス」を初監督作として、世に送り出した生みの親。
わたしが監督とはじめてお会いしたのは、神保町にある韓国文学専門のブックカフェ「チェッコリ」さん。会う場所の候補をいくつか提案してみたところ、監督は迷わずチェッコリさんが良いと返事をくれた。「インドの詩人の話を、韓国文学を専門にする本屋さんで話す」いろいろな文化の空気が混ざり合う中で、想定外の化学反応が勃発しそうだ、という気持ちで、とても楽しみだった。いざ、チェッコリさんでお初にお目にかかった監督の印象は、いつも笑っているんだろうなという眩しい笑顔。しかし、である。その笑顔の深淵には鋭い眼差しと、芯の強さを感じ取らずにいられなかった。2人とも韓国で昔から親しまれている五味子茶(オミジャ茶。5つの味を持つお茶で、古来より、その日の体調などにより味が変わるとされている)を飲みながら、タゴールについて、映画について、お互いについて……閉店まで話し込んだ。
このように書くと、わたしは以前からタゴールに興味関心があったようだが、実を言うと、映画「タゴール・ソングス」を知るまで、タゴールのことは一切知らなかった。タゴールはわたしの人生に存在していなかった。しかし、ある日突然、わたしのTwitterのタイムラインに佐々木監督の映画に関するツイートが流れてきて、すっかりと心奪われた、というわけだ。インドが好きという気持ちが土台にあったこともあるだろうが、チラシや公式サイトに添えられている「今から百年後ー私の詩の葉を心を込めて読むあなたは誰か?」 という言葉にドキッとさせられたのを覚えている。わたしは、その「あなた」になりうるだろうか。チェッコリさんでの夜は、最初から最後まで、佐々木監督の明るさと真剣さを一身に受ける時間だった。あぁ、わたしは、タゴールと映画への興味もさることながら、佐々木監督の魅力に誘引されて今日この機会が実現しているのだなと、しみじみと感じた。
佐々木監督の実家は浄土真宗で、さまざまな行事を通じ、仏教が身近にある環境に育った。慣れ親しんだ仏教が、インドから伝わってきたことを知り、自分が生まれ育った世界と、遠い異国の文化のつながりを知りたいという想いが湧きあがり、東京外国語大学でヒンディー語を学びはじめ、ベンガル文学のゼミに所属。そこで、インドの詩人 タゴールが遺した歌、そう、「タゴール・ソング」に出会う。その数は2000にもおよぶとされている。これらの歌は、今でもベンガルの人々に愛され、老若男女問わず、彼らの人生に寄り添いながら歌い継がれている。しかし、意外にも、はじめは、タゴール・ソングを聴いても、その良さにピン! とこなかったという佐々木監督。わたしなら、ピン! とこなかったら、「ああ、わたしには合わないな」と、そこでつながりを断ってしまいそうだが、佐々木監督は違う。この歌をこんなに愛しているベンガルの人たちと自分の気持ちのギャップは何なのか、その差を埋めたい! という想いから、タゴール・ソングを卒論の研究テーマに設定し、研究と魅力探求の旅に出かけた。
その研究と旅の中で、ベンガルの人々との出会いと交流を重ねることで、タゴール・ソングがいかにベンガルの人々の人生に溶け込んでいるのかを体感したとともに、タゴール・ソング一つ一つが監督自身の人生にも繋がり、タゴールの言葉が自分のものになっていく感覚に包まれたという。そんな自身の体験も相まって、タゴール・ソングそのものは然り、何よりも、歌とベンガルの人々の関係に魅了されていったのだ。
そこで生まれたのが映画「タゴール・ソングス」。論文だけでなく、音と映像と物語で伝えられる「映画」にすることで、この魅力を伝えたい、と。本作は、タゴールの人生や業績を時系列に解説しているわけではない。こういう順番で聴きなさい、この歌詞の意味はこのように捉えましょう、などと導線も敷かれていない。最初から最後まで、誰かにとってのタゴール・ソングにあふれている。あの人にも、この人にもタゴール・ソングがしみ込んでいて、彼も彼女もタゴールの詩の葉をポケットに1枚は忍び込ませている……。驚いたことに、わたしの人生にも寄り添ってきた。今、まさに、欲しい言葉が、歌い手たちの声を通じて、わたしの体と心を通り抜け、その感触と詩が肌に残った。きっと、この映画を見ると、誰もが、自分の人生にすっと寄り添ってくれる言葉に、詩に、歌に出会える、と信じてやまない。
映画「タゴール・ソングス」誕生のきっかけは、佐々木監督の「差」と「繋がり」への興味がもたらしたのではないだろうか。そもそも、監督がヒンディー語を学ぼうとしたきっかけは、仏教を介しての自分の世界とインドとの「繋がり」への興味だった。そして、タゴール・ソングに食らいついたのは、自身の気持ちとベンガルの人々の思いとの「差」への疑問と関心(もしかしたらもどかしさも含め)だ。監督が、さまざまな「差」を、壊すか越えるかをしなくてはいけない障壁ではなく、自分の足、自転車、車、飛行機、船……さまざまな手段で渡り合える道や川や空のようなポジティブな間のように捉え、その「差」を理解しようとする果敢な行為そのものが、その先の圧倒的な他者への理解に繋がり、さらに監督のその理解が、また別の他者と、縁という形で繋がりをもたらしている。佐々木監督は、このように、さまざまな「差」を「繋がり」に代え、どんどん縁を作っている。わたしもその1人だし、このオンラインブックフェアもその輪の中に存在していると思う。
しかし、「差」を理解することは容易ではないし、時に恐怖すらも伴うと思う。そこにあえて、歩みを向けることができるのは、佐々木監督が旺盛な好奇心と他者への信頼と優しさを備えているからでしょう。チェッコリではじめてお会いした時にわたしが感じた、佐々木監督の鋭い眼差しと芯の強さは、映画「タゴール・ソングス」にかける強い思いと、そんな監督の生き様の現れだと、今、想起する。
今日という日から、この場所から、タゴールの詩が、佐々木監督の想いが、そしてブックフェアにご参加いただいたみなさまの言葉が、100年後のあなたに届きますように。
(文・なかむらしょうこ/本屋しゃん)
1)ラビンドラナート・タゴールとは
ラビンドラナート・タゴール(1861-1941)。
インドを代表する詩人。詩聖として今もなお尊敬され、愛されている。しかし、彼の才能は詩にとどまらず、小説家、劇作家、音楽家、画家など多岐に渡る表現活動で活躍をした。1910年には宗教的瞑想生活の中から生まれたベンガル語詩集『ギーターンジャリ』を刊行。その英訳により1913年ノーベル文学賞を受賞。非ヨーロッパ語圏では、はじめての受賞だった。また、表現者としてだけではなく、ビシュバ・バラティ大学の前身の寄宿舎を創設する教育者としての一面、農村改革運動を先導するなど、社会活動家としても奮闘し、ガンディーらの独立運動の精神的支えでもあったと言われている。
そんな人生の中で、タゴールは2000曲以上も書いたとされる歌が、今回の映画の題材である「タゴール・ソング」だ。詩聖と称され、ノーベル文学賞受賞者で偉人というイメージが先行する一方、これらの歌は今もなお、ベンガルの人々の中に生き続けているもっとも身近な詩人だと言えるかもしれない。
2)「うたという街灯りと、火守りの人々」
(文:佐々木美佳)
ベンガル、というインド東部の西ベンガル州やバングラデシュに暮らす人々が口を揃えて言う「タゴールが人生を教えてくれた」「私たちはタゴールと一緒に生きている」という言葉。写真を見たら仙人のようなおじいさんに見える詩人タゴールが、ベンガル人みなから愛されているってどういうことなんだろう。1916年に初来日したタゴール、日本では「詩聖タゴール」だとか、「非ヨーロッパ語圏で初めてノーベル文学賞を受賞したインドの大詩人」だとかという大きなイメージしか伝わっていないのに。この不思議なギャップはなんなのだろう。その謎が知りたくなって、私はタゴール・ソングをベンガルの地で探す旅に出ました。
その旅から見えてきたタゴールの存在というのは、もちろん「偉人」や「ベンガルの人の誇り」ということでもあるのですが、ベンガルの人にとってはそれよりも寧ろ、タゴールは「いつでもそこにある街灯り」とも言えるのかもしれません。どんなに悲しくて涙に濡れてしまう夜があっても、タゴールの歌を聴く人の心をポッと灯してくれます。タゴール・ソングの歌いびとの声に人々が集まって輪を作るときもあります。そして街灯りがあり続けてくれるのは、その火を守りたいと思った人たちの努力の結晶とも言えるかもしれません。100年後の子供達にまでタゴール・ソングが伝わっているという事実を、「灯よ 私の心を照らしてくれ この人生を満たしておくれ 聖なる灯で」というタゴール・ソングを堂々と街中の子供が歌う姿を通じて私は知りました。
タゴール・ソングに心動かされた人々がまた誰かに歌を伝えたいという熱量を、映画『タゴール・ソングス』にぎゅっと詰め込みました。街灯りとしての映画館に光がともるまで、しばしの間、このインターネットを介した言葉のやり取りで、タゴールのバトンを繋いでいけたら嬉しいです。それがかすかな光だとしても、穏やかな世界の到来を待ち望むための希望になるはずですから(文・佐々木美佳)。
3)選者のみなさんから映画へのメッセージ
コムアイ(水曜日のカンパネラ)からのメッセージ
もし 君の呼び声に誰も答えなくとも ひとりで進め
もし 誰もが口を閉ざすなら
もし 誰もが顔をそむけ 恐れるなら
それでも君は心開いて 心からの言葉を ひとり語れ
(タゴール「ひとりで進め」より)
という厳しい歌詞には、楽しくてしょうがなくて溢れてきたような、そんなメロディがついていた。
ベンガルの子供たちが、家や道端で、タゴールの歌に生き方を教わるのに、学費は要らなかった。それぞれの生命力の溢れるままに、音と詩を楽しみ、歌はそれぞれの個性の背中を押した。
それぞれのスパイスが主張しているのに、全体でひとつのハーモニーになっている、カレーのような愛しいインドの人々。この映画を通して、タゴールの歌に親しむことで、日本の教育で協調性を学んだ結果、存在を忘れられてしまった私たちの機能の一部が、もう一度目覚めますように。(文・コムアイ)。
4)タゴールに出会うためのブックリスト
(選・文:佐々木美佳)
①人と思想119『タゴール』著:丹羽京子(清水書院、2016)
映画『タゴール・ソングス』を制作するに当たって、インド・バングラデシュに行く前に、チームみんなで読んだ本です。これを読めばタゴールがどんな人生を歩んで、どんな詩を書いて、人々にどのように受け止められていたのかということが手に取るように分かります。映画を見る前にタゴールのことを予習してみたい方、映画をみた後にタゴールのことをもっと知りたくなった方に手にとっていただきたい一冊です(文・佐々木美佳)。
②『わが黄金のベンガル』著:ラビンドラナート・タゴール 訳:内山眞里子(未知谷、2014)
「きみの呼びかけにだれも来ないなら ひとりで行け」という一節で、という一節で、タゴールの一番有名な歌「エクラ・チャロ・レ」に出会いました。タゴール・ソングって聴いてもよくわからない、難しいな、と思っていた矢先にこの歌に出会い、印象が変わりました。タゴールが「自らのくに」と称しまとめた歌たちは、私たちが生涯で必ず出会う、困難や苦しみ、そして暮らしを育むこの土地について語りかけてきます。遠い世界のタゴールが、一気に身近に感じられる一冊です(文・佐々木美佳)。
③『百年文庫18ー森』著:モンゴメリ、ジョルジュ・サンド、タゴール (ポプラ社、2010)
モンゴメリ、ジョルジュ・サンド、そしてタゴール。「森」をテーマに引き寄せられた三人の作家の短編が並ぶ、不思議な一冊です。まさに森に迷い込んだかのように突然タゴールの短編「カブリワラ」に出会うなんてことも、誰かにとっては幸せな出会いであるはず。小さな女の子と果物売りのおじいさんが出会うお話は、誰もが持っている幼い頃の記憶を優しく揺さぶります。森の奥先に何が見えるかはあなた次第(文・佐々木美佳)。
《その他の佐々木監督おすすめ タゴール関連書籍》
・『迷い鳥たち』著:タゴール 訳:内山眞里子(未知谷、2016)
※タゴールが日本滞在中に書き上げた詩集です(佐々木監督)
※本屋しゃんがはじめて読んだ、タゴールの詩集。
・『お母さま』著:タゴール 訳:内山眞里子(未知谷、2011)
※未知谷より刊行の『迷い鳥たち』『わが黄金なるベンガル』『お母さま』の3つの詩集は、装丁が美しい。そっと枕元に置いて、寝る前に1ページずつ触れたいなと感じました(本屋しゃん)
・『ギーターンジャリ』著:タゴール 訳:内山眞里子(未知谷、2019)
※新しく刊行されたタゴール本です。この世にはベンガル語版、英語版、2つのgitanjaliが存在していると言われますがそのどちらもが翻訳されている贅沢な一冊です(佐々木監督)
・『ベンガルの苦行者』著:タゴール 訳:内山眞里子(未知谷、2006)
・『タゴール詩集―ギーターンジャリ』著:タゴール 訳:渡辺照宏訳(岩波書店、1977)
※映画にコメントを寄せていただきました教誨師・延命院の副住職の渡邉照香さんのお祖父様が翻訳されました。ベンガル語本の韻文訳に英語本の散文訳を付した画期的な名著です(佐々木監督)
・『迷い鳥 タゴール詩集 新装版』著:タゴール 訳:川名澄(風媒社、2015)
※切れ味のある翻訳で私はとても好きな一冊です(佐々木監督)
・『ギタンジャリータゴール詩集 歌のささげもの[新装版]』著:タゴール 訳:川名澄(風媒社、2017)
・『死ぬ瞬間―死とその過程について 』(改版)著:エリザベス キューブラー・ロス 、訳:鈴木晶(中央公論新社、2020)
※タゴールの詩が冒頭部に引用されている名著です(佐々木監督)
※タゴール関連本は、多くの古書店でも取り扱われています。
ぜひ、こちらもチェックしてみてください→日本の古本屋
5)みんなの選書
テーマ「100年後に、この本を心を込めて読む、あなたは誰ですか?」
いまから百年後に
わたしの詩の葉を 心をこめて読んでくれる人
あなたはだれか?
(タゴール『百年後』より一部抜粋)
タゴールの詩「百年後」に触れると、「人」が生きるうえで感じる喜びや感動、悲しみや苦しみ、そして悩みは、100年前と何も変わらないこと、さらに100年前の言葉が時代も国も超えて、現代を生きるわたし達の人生にも寄り添ってくる不思議さと幸せを感じずにいられません。それらの言葉、詩、歌は、タゴールから、佐々木監督へとバトンタッチされ、そのバトンは、「映画」を通じて、多くの人にさらに繋がれようとしています。
きっと、みなさんにも、ベンガルの人々にとってのタゴールの詩のように、人生に寄り添ったり、心の中でずっと美しく響いている言葉や本があるのではないでしょうか。それぞれにとって大切な言葉や本は、100年後、誰かの手の中にひとひらの葉となって落ち、誰かによって心を込めて読まれるかもしれません。
そこで、今回のブックフェアでは、「百年後」の「あなた」の手のひらに渡っていて欲しいと思う本を選んでいただきました。
100年後に、この本を心を込めて読む、あなたは誰ですか?
(文・なかむらしょうこ/本屋しゃん)
(イラスト:カワグチタクヤ)
選書をしてくれたみなさま(50音順、敬称略)
井上経久(新潟・市民映画館 シネ・ウインド支配人)、一條宣好(敷島書房 店主)、稲葉俊郎(医師)、金承福(クオン代表)、コムアイ(水曜日のカンパネラ)、佐々木美佳(タゴール・ソングス監督)、長嶋祐成(魚譜画家)、山田正史(古本詩人ゆよん堂)&中村翔子(本屋しゃん)、今後、増えていくかもしれません。
みなさんがどんな本を選ばれたのか、その本にどんなコメントを寄せられているのか。どうぞ、選者のみなさんの一冊と言葉に出会ってください。
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