見出し画像

都市伝説:AI時代に残るエンタメとはなんなのか…

以前こんな記事を書いた。これを書いたしばらく後、思っていたよりも早く、世界にはその変化が訪れていた。2022年11月に発表されたchat GPTによって、AIソリューションが急速に拡大し、今も現在進行系で僕たちの常識を塗り替えていっている。僕たちの仕事や生活はどうなってしまうのだろう。2023年4月。これを書いている現時点の僕にはわからない。これがシンギュラリティというやつか。その波に見事に飲み込まれる最中、僕は筆をとり、このnoteを"歴史には価値のない化石の一つ"として書き記しているのかもしれないーー。

――2023.04.02 ほにゃの日記

今のこの時代を、「人類が "生存のために必要な労働"(前回のnoteに記載) をしなくても豊かに生きていける社会になるまでの、イチ過程」として捉えると、これから僕たちが向き合うべき課題は大きく2ジャンルなのではないだろうか

課題解決型の仕事、欲求探求型の仕事。

課題解決型の仕事とは、人類の生存にとって必要な「宇宙船地球号の正常化」という課題に向き合う仕事と定義したい。テクノロジーによって全うに持続可能な社会を実現していく。目の前に見えているあらゆる社会課題を解決していく仕事である。

欲求探求型の仕事とは、「人間同士が、より快適にそのへんてこで不完全な精神性をぶつけ合ったり、ぶつけ合わなかったりしながら、さも満足そうな人生をいかに簡単に体感できるか?人の満足感を向上するためにテクノロジーを駆使していく」仕事と定義したい。一見すると課題のないところに、より高い満足感を、よりインスタントに提供するためのお仕事だ。

欲求探求型の仕事の行き着く先。

欲求探求型の仕事の代表格として挙げられるのは、創作物を作るエンタメの領域じゃないだろうか。
この領域について、個人的な背景もあり、より踏み込んだ妄想を書き連ねたい。

人による創作が不要になる日

創作や創造というものが、最も代替不可能な、ホモサピにのみ許された崇高な活動だと思っていたのだけれど、ここ最近のAIの創作物からして、どうもそうではないという事に、僕もそうだけど皆も気づき始めたんじゃないだろか。

エンタメ領域の創作物は、近い未来、確実にAIによる創作物に支配されていってしまう(と僕は思う)。特に記録媒体を介したstaticな世界での創作では、AIの右にでるものはいなくなるという可能性まである。

  • 緻密に計算された、SFやサスペンスのような創作物は、その下敷きはかんたんにAIに置換されてしまうのではないだろか。

  • 宗教、思想、そこからくる新しい文化的なアイディアや表現も近いうちにAIが発信するのではないだろか。

創作に携わる人たちもほとんどが人ではなくて良いわけで、監督の表現手段として使われる俳優なんかも、AIが生成したほうが、効率よく完璧なアウトプットができるかもしれないというのは皆、想像に難くないのではないだろか。

そう考えると監督のみが、唯一それらをまとめてFIXさせる人として残るかもしれないが、それすらもAIができるかもしれない。

制作の現場で感じるフィーリングや熱情なんてものは、実は成果物にはなんの関係もなく、無情にもAIが学習により導き出した、最適な表現が人々の心を捉えてしまうかもしれない。(これまで仕事だった仕事が、テクノロジーによってすべて置き換わっていってるのと同じように)

そうなると、いよいよこういった類の創作には、人が入り込む隙がなくなってくる。

舞台やライブは残るかもしれない

媒体を通したものがAIの創作物で溢れかえったとき、もしかすると一方では、刹那的で、偶発的で、瞬間的なものの信頼感とその価値が急激に高まり、AIによって供給過多になった、staticな創作物の価値を追い越すときが来るかもしれない。

リアルタイムの嘘偽りない人間が描写するモノというブランドに価値がつき、不確定で予定調和ではないことが起こり得る即興性だったり、その瞬間、同じ場所で時間を費やしているという証明に、皆お金を払うのかもしれない。

グルーブ感、ケミストリーこそ至高でそれを体感できるのが、それをプレイする側と少数のネジの外れた人間であることを考えると、今後はプレイ側に回れる、体感することを可能にする装置やテクノロジーがホットな分野になるのかもしれない。

ほにゃ

「人間の愚かさこそ」が「人足りうる価値」になる日


AIの進化を考えると、人に残される価値は、結果的に人の「不完全さ」や「愚かさ」や、それによって生じる「苦節」だったり、「ドラマ」みたいなものと、そこへの「共感」であり。それらが唯一、人が創造できる、娯楽の要素になってくる可能性がある。

不確定さや失敗をハラハラしながら見る。
もしかすると、過程を楽しむ日本のアイドル文化が、その源流になるのかもしれない。

いや、その不確定さや失敗やそこに反応して起きる化学反応も、いずれはAIで再現されてしまうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?