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焼肉の帰りに。

妹が大学に入学したので、家族でお祝いに焼肉を食べに行った、その帰り道のこと。
4月だというのに、風は骨に沁みるほど冷たく、耳が凍りそうに痛くて、一刻も早く家に帰りたかった。

けれども、お祝いの二次会を家でするために、コージーコーナーでケーキを買っていたので、走ることができない。

すり足で早歩きして、信号待ちの時はその場で小さく足踏みをし、ようやく家までの最後の曲がり角を曲がった。
両親は私の少し後ろで、妹は前で、体温を下げないように肩を上げながら急いでいる。

嘘みたいな寒さ、家が見えてくる安堵、ケーキを持つ高揚。
なぜだか、ネジが外れたように、全てが可笑しくなってしまった。

家族以外で周りに人はいなかったので、久しぶりに外で大笑いをした。
高校生みたいに、外で「ゲラゲラ」と笑った。

4月の真冬みたいな夜、変な早歩き、二次会のケーキ。
大人になっても、条件が揃うと、いつでも「ゲラゲラ」と笑えるのだった。

生きてるんだなあ。
と、感じた。

私は死ぬ前に、春の冷たい夜に大笑いした、この光景を思い出しそうな気がする。

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