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Web3が浸透する未来を考える feat. アフリカ

私の妄想記事にご興味持っていただきありがとうございます。
Web3の事業を考える者としてWeb3について勉強し、未来を考察してみました。
見当違いのことを書いていたらたくさんご指摘いただけると嬉しいです。
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面白いと思ったらシェアいただけると嬉しいです。

▼前書き

ここ4ヶ月ほど、ずっとWeb3の事業について考えてきました。
1ヶ月に1事業のペースで投資家の方々に壁打ちさせていただき、かなりブラッシュアップできてきたと思います。
この過程の中で自分なりにWeb3の現在と未来がクリアになってきた感覚があります。
特に未来については妄想でしかないですが、なかなか面白い妄想ではないかと個人的に思っています。
先に妄想の結論を申しますと、
”Web3の発展には、アフリカで暗号通貨による金融包摂を実現する”
ことが必要だと考えています。
この結論に至る説明とともに、現在のWeb3の使われ方やWeb3が浸透するための課題などを綴りました。
私の備忘録として妄想をつらつらと書いていきますが、読んでくださった方々にとってほんの少しでも何か役立つものがあると幸いです。
とにかくWeb3はおもしろい!

※本記事では、”Web3”、”金融包摂”というワードが頻出します。
・Web3:ブロックチェーン技術を用いたインターネット
・金融包摂:金融サービスを正当な価格、タイミングで平等に受けられる機会があること
ということだとご理解いただいた上で読み進めていただけますと幸いです。

▼現在のWeb3

・投資 / 投機目的

先進国におけるWeb3サービスの活用動機は、基本的にすべて投資 / 投機だと考えています。
なぜこんなにも投資 / 投機熱を帯びているかというと、ICO / IEO(暗号通貨の上場)の上場スピードがIPO(株式の上場)よりも圧倒的に早く、従来の経済システムよりもリターンが早く多く得られるためだと考えています。
その分成長と衰退の新陳代謝が激しく繰り返されており、少し前まではWeb3サービスならなんでも注目されていましたが現在は技術+サービス内容+著名な人物が関わっているかが重要視されています。

以上を踏まえると、今の先進国におけるWeb3サービスは信頼できるかつユーザーが儲かるサービスでないと使われません。
起業する側としては、この信頼と技術の部分をどう担保するかがとても悩ましいです。

・国による取り締まり

国の信頼=通貨の信頼と言っても過言ではない程、法定通貨の尊厳を守ることは国にとって重要なことだと考えています。
そんな中で、法定通貨よりも暗号通貨が信頼を勝ち得てしまうと国にとって脅威になります。
理由は、国の経済をコントロールできなくなるためです。
国は新しく紙幣を刷ったり、市場の紙幣を回収することで国の経済をコントロールしています。
そのため、各国は暗号通貨を取り締まる方向に動きやすいです。

イメージとしては、いきなり治外法権の小国(=経済)が誕生して独自の経済ルールが既存の国の経済ルールを乗っ取っているようなイメージです。

・金融包摂

アフリカでは暗号通貨のおかげで金融包摂が進みつつあります。
理由は、
・銀行口座を持っている人:約20~40%
・携帯電話を持っている人:約80%
・課題:送金にかかる費用と時間 / 法定通貨の不安定さ
にあります。
まず銀行口座を持っている人が少ないため、銀行を介しての送金・借入・融資・貯金・投資など日本にいると当たり前にできることができない人の方が多い状況です。
一方で携帯電話の普及率は高く、ネット金融インフラへのアクセスはかなり進んでいます。
そして、送金コストや法定通貨の不安定さからビットコインの取引額が大きく、もはやアメリカよりも大きなビットコイン市場という記事も出ています。

アフリカでは、法律よりも先にユーザーの深刻な課題を解決する方法が浸透していきました。
その先駆けがM-PESAによるモバイルバンクであり、次に来ているのがCBDC(Central Bank Digital Currency / 中央銀行
デジタル通貨)と暗号通貨だと考えています。

・不可逆

国の取り締まりやCBDCが進行しても、投資 / 投機対象・金融包摂のツールとして魅力的な暗号通貨に資金が集まることを止めることはできません。
そのためWeb3は今後生き続け、まだまだ成長していくと思います。

ただ、その成長にはどのような過程があるのでしょうか?
次の章ではその成長過程について考察していきたいと思います。

▼Web3が成長するために必要なこと

・暗号通貨の持続可能性

Web3がより成長するためには、
暗号通貨が法定通貨と同じように現物商品の売買に使用できる
ことが必須だと考えています。
その理由は、暗号通貨がモノやサービスとの交換可能なものにならなければ通貨に価値が保存されないためです。


もう少し噛み砕いてご説明します。
あるWeb3ゲームがあったとします。
そのゲームではモンスターを育成して強くし、強いモンスターは他ユーザーに売却することが可能です。
育成コストと売却益は以下のように理解できます。
・モンスターの育成にかかったコスト:モンスターの購入代金+育成にかかったガス代(+時間)
※ガス代は簡単にいうとデータを更新するために支払った費用。
・モンスターの売却益:売れた金額 - モンスターの育成にかかった時間以外のコスト
そして、売却したユーザーは日本人であれば日本円に換金して初めて好きなものを買えるようになります。
するとゲーム内通貨の価値は、モンスターの育成にかかったコスト分の価値がついたことになります。
この育成と売却が繰り返されることで、モンスターを購入できる人が減り、育成する意味がなくなり、ゲーム内通貨は下落するのではないかと考えています。


以上を踏まえると、持続可能性があるWeb3サービスは
・ずっと使われ続ける(ガス代が発生し続ける)
・新規ユーザーが増えるなどして出金よりも入金が増え続ける
そんな究極のSaaS事業を実現する必要があります。

現在、持続可能なサービスは、
・DEX(+CEX)(暗号通貨の銀行)
・投資DAO(投資リターンが得られ続ける限り利益が増えて、ガバナンストークンの価値が上がる)
・NFT
くらいだと理解しており、今後は上記事業に収斂されていくのではないかと個人的に考えています。
ただしマーケ / トークノミクスがうまくいけば、持続可能性がなくとも数年間は莫大な利益を生み出すことは可能だとは思います。
(余談ですが、Watch to earnはWeb2で大活躍だった広告の新しい形を提示しており、持続可能な新たなサービスになるかもしれないと個人的に注目しています。)

私は、成長し続けるには持続可能性が必要だと考えています。
しかし前述のように、現在のWeb3サービスは持続可能なのか疑問が残るものが多々あります。
Web3サービスは通貨とSaaS事業の両面を持っているため、より成長していくにはSaaS事業としてだけでなく通貨として流通することが必要だと考えています。
法定通貨がなぜ持続可能であるかの答えは現物商品の売買に使える(=ずっと使われ続ける)が実現できているためだと理解しています。
よって通貨の代替物として暗号通貨が広まった時、もう一段階Web3サービスがブレイクスルーして使われ方が多様化しそうだなと妄想しています。

・まずは金融包摂から

Web3をより発展させて持続可能なものにするためには、
・暗号通貨の価格が安定すること
・自国の法定通貨支払いよりも暗号通貨支払いの方がメリットがあること
のどちらかが少なくとも必要です。
現在先進国ではどちらも満たせておらず、暗号通貨の保有者は投資 / 投機目的に偏っています。
早く乗ってちゃんと利益を確定して降りられた人が勝つゲーム(ほぼポンジスキーム)になってしまっています。
上記2点を満たしている環境で金融包摂を実現し、現物商品との交換に暗号通貨を使えるようになることがWeb3の発展に効果的だと考えています。
そのエリアがアフリカだと考えています。

▼私が考えるWeb3が浸透した未来

・アフリカの経済発展

2030年には世界の新生児の30~40%がアフリカから誕生し、 2050年には世界人口の1/4がアフリカ生まれの人になる見込み(現在の倍近くに増加)です。
この増加ペースはエリア別で見るともちろんトップです。

世界の地域別の人口増加

人口の増加に伴って経済も発展してきており、アフリカ最大のGDPであるナイジェリアの人口増加率と成長率の大きさは世界TOPレベルとなっています。

2050年の世界 BRICsを超えて:その展望・課題・機会

また、アフリカの人口ピラミッドは以下のようになっており、デジタルネイティブ世代である若年層がボリュームゾーンにあります。

2022年のアフリカの人口ピラミッド

全世界のモバイル決済の60%がアフリカに関連するものであることからも、
銀行口座をもたず携帯電話でデジタル通貨を管理する流れは進み続けることが予想できますし、暗号通貨がその一役を買うのではないかと考えています。

・CBDCの覇権争い

暗号通貨によるアフリカの発展に期待していますが、ナイジェリアやケニアではすでに暗号通貨の規制が始まっています。

そしてナイジェリアではCBDCであるeNairaを発行することでデジタル通貨を流通させようとしています。
今後、暗号通貨と比較してどちらの方が使いやすいか or 法規制によって通貨の信頼が試される形になりそうです。

中国がデジタル人民元を導入したように、BTCに対抗してCBDCを発行する流れは止められないのではないかと考えています。
以上のことから各国によるCBDCの発行合戦が始まり、より信頼性のあるCBDCが世界の覇権を取るのかもしれません。

・BTC版EUが生まれる

エルサルバドルのようにBTCを法定通貨とする国も増えてくることが予想されます。
理由は、
・暗号通貨の価格が法定通貨よりも安定していること
・他国の通貨を法定通貨としていることで金融政策を取れないこと
が該当する国は、BTCを法定通貨とするメリットがあるためです。
エルサルバドルに関しては、後者に当てはまります。

エルサルバドルはかつて、元々の自国通貨が不安定であることから米ドルを法定通貨としました。
通貨の価値は安定しましたが、自国の金融政策を取れないためアメリカの金融政策が自動適用されてしまうことをどうにかしたいというニーズがありました。
そこで、BTCを活用することで米ドルからの管理を抜け、BTCをマイニングするための地熱発電施設でBTCの発行を行うといった施策を打ち出しました。
現在は米ドルとBTCの両方を法定通貨としており、米ドル紙幣への信頼は依然厚いためBTCの導入はなかなか進みきっていないようです。

ただし、上記2点に該当する複数の国が連携してBTC版EUが生まれることはありえないでしょうか?
国間でBTCを共同保有することで既存の法定通貨よりも信頼のある金融システムを作ることができるのではないかと妄想しています。
EUは地理的に近いからこそ成り立つものかとは思いますが汗

※当記事を投稿する直前に中央アフリカにてBTCを法定通貨とするニュースが飛び込んできました。
やはりBTCの法定通貨化が進んでいますね。
ただ、現行通貨が国外発だった場合はBTC採用国だけの問題ではなくなる点が複雑な問題になってきそうです。

▼今我々ができること

・Web3の真の価値を発揮する

Web3のサービスを考えるときによく問われることは、
Web3でないといけないプロダクトなのか?」
ということです。
この問いはまだ正解がないWeb3業界の中で明確に回答することは難しいかと思います。
そんな中で私が思う答えは「Web3は金融包摂を実現するツール」だということです。
きれいなWeb3の成長順序は、
①金融包摂
②現物商品との取引
③各種Web3サービス
だったと思うのですが、市場は先を読むものなので③の成長が著しい状況です。
今後①〜③がそれぞれ前後しながらWeb3サービスがより成長していくのだろうなと考えています。

・アフリカで金融包摂を実現したのち

以上を踏まてWeb3サービスによって、
①金融包摂
②現物商品との取引
をはじめに実現するのはアフリカだと考えています。

そして、アフリカで①②を実現したその先には、エネルギー産業のリープフロッグが起きるのではと妄想しています。
先進国は既存のエネルギーインフラから抜けにくい中で、新興国がエコな新技術を使った発電施設を作ることで先進国のエネルギー産業を追い越すのです。
この未来を作ることが私の超理想です。

・一緒にやりませんか

現在までさまざまな事業を投資家の方々にご提案してきて、アフリカで金融包摂を実現するための事業に至りました。
ご評価いただき始めており、次はモック・プロトタイプを作るところかなと考えています。
アフリカ産業・Web3・金融・ブロックチェーン・地球温暖化にご興味ある方とぜひお話ししたいですし、もしこの記事にご共感いただけましたら一緒に未来を作っていきたいなと思っています。
お気軽にTwitterなどでお声かけいただけますと幸いです!

▼参考にした記事一覧

品田さんの記事を読んで時代はアフリカじゃんと熱くなりました。
アフリカ事業に興味ある方に超おすすめです!

アフリカ経済について面白く学べます!
このビデオでリープフロッグ、M-PESAについて初めて知りました汗

オフグリッドソリューションからの金融サービスの流れを作ったM-PESAの凄さが丸わかりのレポートです。

https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/knowledge/publication/chitekishisan/2013/04/cs201304.pdf?la=ja-JP&hash=7BE3EB7F0CA48352996691DF0804260674EFC530

M-PESA, M-KOPAについてコンパクトにまとまっている記事

USDC(米ドルのステーブルコイン)を用いた貿易はすでにある

アフリカのモバイル事情

アフリカのフィンテックが熱いという話

アフリカのスタートアップ参考

PwCの2050年の世界予測レポート

https://www.pwc.com/jp/ja/japan-knowledge/archive/assets/pdf/world-in-2050.pdf

エルサルバドルがBTCを法定通貨にしたことによるデメリット

暗号通貨 VS. CBDC

暗号通貨 VS. 法定通貨

世界のクリプト規制一覧(アフリカ載ってない。。)

アフリカ×Web3×フィンテック

アフリカの暗号資産事情


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