東京で、わざわざ行きたい小さな書店へ
本も雑誌もスマートフォンやタブレットなどの情報端末で読むことが当たり前の現代。紙の本には逆境の時代ともいえますが、本との予期せぬ出合いが期待できる書店の棚は、今も昔も変わらず読書ファンをひきつけています。
特に、“独立系”と呼ばれるチェーン店ではない個性的な小売書店は、読書好きに支えられて、東京では増加傾向にあり、そのスタイルは十店十色です。
今回は、書棚ごとにオーナーがいるシェア型、店主が偏愛する分野の本を集め、界隈の人々のサロンとなっている書店など、小さくとも個性的な輝きを放つ書店をご紹介します。各店主の方には、読めば旅に出たくなる、おすすめの本も教えていただきました。
□■ 神保町 ■□
PASSAGE・bis! BOOKS & CAFE
オーナーは仏文学者の鹿島茂さん、店主はご子息の由井緑郎さんで、362ある棚ごとに棚主がいる共同書店だ。棚主は作家や版元、音楽家から内科医まで多彩。ジャンルもさまざまな思い思いの“推し本”が手書きポップで彩られる、本への愛に満ちた空間
\店主おすすめ/
旅に出たくなる1冊
『ラーメン大全』
西尾了一 著 旭屋出版
2021年 定価4,730円
□■ 祖師ヶ谷大蔵 ■□
BOOKSHOP TRAVELLER
“本屋ライター”として『東京 わざわざ行きたい街の本屋さん』(G.B.)などの著作を持ち、独立系書店の動向に詳しい和氣正幸さんがオーナー。和氣さんや棚主が選んだ新刊販売と書店のアンテナショップを兼ねており、本好きの間では知られた存在だ
\店主おすすめ/
旅に出たくなる1冊
『東京ホテル図鑑』
遠藤 慧 著 学芸出版社
2023年 2,750円
□■ 駒沢大学 ■□
地理系ブックカフェ空想地図
子供の頃から無類の地図好きだった田中利直さんが開いた地図関連書籍専門のブックカフェで、古地図や道路地図、路線図などを眺めながら過ごすことができる(ほとんどの書籍は販売しておらず、店内閲覧のみ)。地図好きのためのイベントも実施
\店主おすすめ/
旅に出たくなる1冊
『東海道新幹線の車窓は、こんなに面白い!』
栗原 景 著 東洋経済新報社
2016年 1,100円
□■ 北品川 ■□
KAIDO books & coffee
旅をテーマに、全国の歴史や文化にまつわる約12,000冊の本を扱うブックカフェ。旅関連のイベントを開催することも。販売用の古本と閲覧用とがあり、購入できる本もある。「この店で出合った本から旅のきっかけが生まれるとうれしい」と、店主の佐藤亮太さん
\店主おすすめ/
旅に出たくなる1冊
『望郷の道(上・下)』
北方謙三 著 幻冬舎文庫
2013年 各755円
写真=荒井孝治
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