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ふわふわと妖精のようなシマエナガの子育て|愛しい北海道ANIMALS

この連載愛しい北海道ANIMALSは、北の大地に暮らす動物たちを23年間にわたり見守り続けてきた結びさんによるフォトエッセイです。そんな結びさんの撮影する動物たちの姿は、おもわず息をのむほど美しかったり、可愛らしかったり、ときに猛々しかったりします。第7回は、“雪の妖精”とも呼ばれるシマエナガの魅力をお届けします。なにかと慌ただしい年の瀬に、ほんのひとときの寛ぎをどうぞ。

今年も残りわずかですね。
今回は、人気者のシマエナガの子育てです。

それは春先のことでした。愛犬の散歩中に偶然見つけたシマエナガの営巣。最初は、いるな~くらいで見ていましたが、いつも2羽で来ていたので少し観察してみることに。巣作りをしているとわかってから50日以上の観察になりました。

シマエナガ(島柄長)
スズメ目エナガ科。シマ(島)は北海道、エナガ(柄長)は尾が長いことを意味する。

場所は屋外スポーツ施設の一画。本来は人の出入りの多い所ですが、コロナ渦で人もまばら。人が少ないから選んだのか、燕のように人の手助けを得ようと選んだのか? そこは小さなシマエナガにとって天敵の多い場所でもありました。

巣材を運んでいる様子(左)
周りを警戒しながら餌を運ぶ2羽(右)

空を飛ぶ天敵、ちょっと面白かったハイタカとカラス。最初はハイタカが背後からカラスに迫っていましたが、あれ?撮影している間になんと形勢逆転……!さすが私が最強と認めるカラスです!

そして頻繁に現れたモズ。シマエナガの巣立ちを見届けてから約1か月後、こちらも子育てをする姿を確認しました。彼らも一生懸命だったんですね。

ハイタカとカラスの仁義なき戦い(左)
巣の近くへよく来ていたモズ(右)

さて、頻繁に巣に餌を運ぶシマエナガの親鳥、はじめの頃はふわふわの妖精のような姿だったのに、次第にすっかり疲れた姿に……。

ヒナたちの餌(虫)を運ぶ親鳥。ちゃんと前は見えてるんですかね?
餌を運ぶ間隔は気づいた時には5分~10分置き。大変!

待ちに待ったヒナと出会えたのは、観察をはじめてから52日目のこと。枝の中に上手に隠された巣でしたし、離れた車の中からの観察だったのでヒナの様子を確認するのは難しかったんです。

今回ご紹介するのは巣立って3日目、巣から少し離れた場所で餌を待つヒナと、憧れの「お団子」も見ることができました。残念ながら橋の下でしたけどね……。

ご飯まだかな~と様子をうかがうヒナ
来た~!次は、わたしよ~わたしだってば~
橋の下でお団子みたいに並ぶヒナたち。
そしてお気づきでしょうか?
ヒナの時はまだ顔が真っ白ではないんです

今回は12羽のヒナが巣立ちましたが、小さなシマエナガが巣立ちを成功させることは難しいようです。たくさんのヒナを育てる親鳥と可愛らしいヒナたち、この大切な命が懸命に生きる姿に立ち会えたことはとても運が良かったと思います。

木々の葉も落ち観察をしやすいこれからの季節「チーチーチー、ジュルルジュルル」と聞こえたらその合図! 今はふわふわな妖精を探して歩こうかなと思っています。

不慣れな私の写真と話をご覧いただき、ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

文・写真=結び

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全68種のかわいくて素敵な動物が勢ぞろい
北海道の野生動物をとらえた写真集

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愛しい北のANIMALS 優しい時間』結び 著

公園でも見かけるエゾリスから、超人気のエゾモモンガ、エゾシマリス、エゾナキウサギ、シマエナガ、珍しいエゾオコジョなど、北の大地でしか出会えない野生動物たちに、迫力の海の王者シャチ、ふわふわのフクロウの仲間まで、多数収録。ほのぼのとした姿、親子や赤ちゃんの愛らしい様子など、北の大地の素敵な動物たちの小さな物語やびっくりが隠れています。
撮影時の動物とのふれあいエピソードを描いたイラスト付きで、親子で楽しめる写真集になっています。
23年間にわたり、北の大地を撮影してきた北海道在住のフォトエッセイストが手掛けた、ほっこりと雄大さを兼ね備えた一冊です。

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