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世界から愛される千年の都、京都の浪漫に触れる5冊

京都は、2020年秋、米国の権威ある旅行誌の読者投票にて魅力ある都市、世界一に選ばれました。日本人はもちろん、世界中の人々からもこよなく愛される京都。その魅力を尋ねられたら、美しい景色、奥深い文化や歴史、美味しい食べ物、そうしたことは、誰もが答えられるでしょう。けれど、京都のさらなる魅力を知っていただきたい…そこで、今回ご紹介するのは一歩、二歩、いえ、三歩奥へとずいっと踏み込んだ京都に関する5冊です。ありきたりのガイドブックでは決してたどり着くことができない、そんな京都へあなたをお連れします。

「そうだ 京都、行こう。」の20年

ウェッジ 編

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京都の魅力をあまねく追求した、
伝説的キャンペーンの軌跡。

「そうだ、京都、行こう」の広告キャンペーンは、1993年の秋より始まりました。本書は20年間のポスターから写真とコピーを抜粋し、まとめたもの。スタート当初からナレーションを担当されている俳優・長塚京三さんの京散歩や写真家の高橋勝二さん、コピーライターの太田恵美さんのキャンペーン秘話も収められています。日本中を巻き込んで賞賛を浴びた本シリーズですが、用いられた写真はいずれも鳥肌ものの素晴らしさで、多くの日本人の共感を誘うキャッチコピーとともに、ダイレクトに心に響いたことでしょう。京都好きにはもちろん、広告宣伝といった分野に興味がある方にもおすすめです。

≪本書の内容≫
秋(清水寺、平等院、東福寺、銀閣寺など)
冬(三十三間堂、伏見稲荷大社、知恩院、金閣寺など)
春(渡月橋、醍醐寺、高台寺、平安神宮など)
初夏(詩仙堂、安楽寺、常寂光寺、比叡山延暦寺など)
夏(嵐山、貴船、石清水八幡宮、萬福寺など)
思い出の地から足をのばして―長塚京三さん、大人の京散歩
色彩が冴えわたる町―写真家 髙﨑勝二さん
「そうだ 京都、行こう。」の20年―コピーライター 太田恵美さん

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京都異界に秘められた古社寺の謎 
歴史を動かした京千二百年の舞台裏

新谷尚紀

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知られざる京都の一面に触れ、
幻惑させられるような読書体験を。

日本の都としての京都の歴史は、延暦13年(西暦794年)に始まります。平安の地となることを願って平安京と名付けられたその都は、その名称とは裏腹に様々な厄災に見舞われ続けました。そうして天狗や鬼等が跋扈する魔界・異界を宿し、権勢を誇り栄えた陰には常に敗者の悲哀や恨みが…本書はそうした見落とされがちな「異界」「闇」を、土地の記憶を深く濃くとどめる寺院や神社を切り口にして、探訪してみようというもの。光あるところには陰があるーそれも含めての京都なのです。読後、背筋にゾクりと感じたのは、新しい見識を得た刺激によるものか、はたまた別のものなのか…どうぞ、手に取って確かめてみてください。

≪本書の内容≫
【怨霊鎮魂】史上最強の怨霊を鎮める「白峯神宮」
【天変地異】敗者の霊を鎮め疫病を祓う「御霊神社」
【冥 府】冥界への通路が潜む「六道珍皇寺」
【首 塚】二つの怨霊を封じ込めた「明智光秀の首塚」
【怪異譚】安倍晴明と魔界をつなぐ「一条戻り橋と真如堂」
【丑の刻】京都の深層に宿る鬼女の怨念「貴船神社と鉄輪井」
【酒呑童子】鬼の首を埋めて化外の民を退ける「首塚大明神」etc.

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とっておきの角度で見る
京都の「この瞬間」

水野克比古

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写真集、随筆集であり、ガイドブック。
美しい味わいに満ちた、読む宝石。

龍安寺、東福寺、健仁寺、祇園…等々の名だたる名所から千両ヶ辻といった通好みの場所まで、およそ70ヶ所を圧倒的美しさの写真とともに紹介。京都を50年以上撮り続け、国内はもとより海外から高い評価を得ている水野克比古さんが写真と文章を手がけています。京都を知り尽くした著者ならではの文章は、随筆としても一級品。本書は芸術家としての視点と京都への愛が織りなす賜物と言えるでしょう。また桜と紅葉の情報も充実し、1日コース案内もあり、その他東山、嵐山等の人気観光エリアの散策コース、四季を通しての見どころ等も紹介され、ガイドブックとして実用的なのも魅力です。

≪本書の内容≫
第1部 京都ならではの絶景
朝原山からの朝日/京都の虹/平野神社/竹林/庭の石/奥村家の椿/建仁寺の茶の花/影/広沢池/将軍塚展望台からの夕焼け
第2部 神社・寺院をめざして
下鴨神社/勧修寺/祇園/平安神宮/詩仙堂丈山寺/等持院/貴船神社/賀茂川/浄住寺/東林院/松尾大社/霊艦寺/法金剛院/日向大神宮/法界寺/霊源院/智積院/千両ヶ辻/伏見稲荷大社/大覚寺(旧嵯峨御所)/岩戸落葉神社/地蔵院/三千院/白龍園/常寂光寺/東福寺/龍安寺/金戒光明寺/龍源院/石峰寺/上賀茂神社
第3部 めぐる楽しみ
桜の歩き方/紅葉の歩き方/東山の歩き方/日蓮宗(法華宗)寺院の歩き方/嵐山の歩き方/花カレンダー/祭カレンダー

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京都 和モダン庭園のひみつ

文:重森千靑 写真:中田 昭

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吸い込まれるように美しい写真と、
奥行きある文章で語られる庭々。

例えば、日本人からも海外からの人々にも大変な人気を誇る東福寺の「井田の庭」。近代日本を代表する作庭家・重森三玲による設計で伝統的な市松模様をサツキの刈り込みと蔓石で表現した、大胆な意匠です。京都にはこうした伝統と現代的センスを融合させた見事な庭園が沢山あります。本書は三玲の孫にあたる作庭家の重森千靑さんが厳選した“和モダン庭園”を紹介。京都写真の海外個展経験も豊かな中田昭さんが写真を担当しています。第一部は、三千院等の名園の美しい写真とわかやすい特徴説明(英文も併記)、第二部は三つの代表的な庭園様式の説明や、高名な作庭家たちの紹介で構成されています。

≪本書の内容≫
第1部 京都和モダン庭園案内

三千院/慈照寺/詩仙堂/平安神宮/天授庵 ほか
第2部 和モダン庭園鑑賞のツボ
・日本庭園は自然の縮景―四季、時刻、天候による変化
・庭園形態の違いによる楽しみ方
・なぜ日本庭園はモダンなのか
・植物が果たす役割
・永遠不変性を表現する石組 ほか
付録 モダンな庭園を設計した作庭家たち

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京都の路地まわり道

千 宗室

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ページをめくるごとに心磨かれる、
家元の感性冴え渡るエッセイ集。

伝統ある茶道の裏千家の家元であり、日本ペンクラブの副会長を務めた経験を持つ千宗室さん。そのまなざしを通して描かれる京都の日常とは。登場する写真も、デジタルカメラと縁が薄いと語る著者が絶滅寸前のリバーサルフィルムで撮ったもの。えもいわれぬ味わいに満ちた写真も本書の魅力のひとつと言えます。慌ただしい日常の中で看過しがちな物事に目を止め、ちょっと立ち止まりゆうるりと思惑する…そんなことの大切さに気づかせてくれる本書。優しくも厳しくもあるまなざしから語られる文章が、心に染み入ります。

≪本書の内容≫
己丑(主人のスタイル/瞬きの秋)
庚寅(写真/巨木の森 ほか)
辛卯(長火鉢/ぬくぬくできる場所 ほか)
壬辰(冬の大台所/夜へ走る ほか)
癸巳(年未年始あわただし/二月の書庫 ほか)
甲午(茶花/川辺の奇譚 ほか)

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今回は見どころ案内だけではなく、京都の多面的な表情を知ることができる5冊をご紹介しました。世界の人々をも虜にする、その魅力の深い理由を知る喜び、愉しさ。そうしたものを感じていただけたら幸いです。

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