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カルティエと日本 半世紀のあゆみ『結 MUSUBI』|日本とパリのつながりから生まれるアート
フランスのジュエリーブランド・カルティエが日本に初めてブティックをオープンして50年を記念し「カルティエと日本 半世紀のあゆみ『結 MUSUBI』」展が東京国立博物館の表慶館で開催されています(7月28日まで)。
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1847年にパリで創業したカルティエは、今年で100周年を迎えるトリニティ・リングをはじめとするジュエリーや時計で知られるブランド。1984年にカルティエ現代美術財団を設立し、アーティストを支援、個展などを開催してきました。北野武氏や村上隆氏など、日本人アーティストの個展も数多く開催してきました。
本展覧会のテーマである『結 MUSUBI』という言葉のルーツは、日本神話にでてくる「産霊」。「結びつくことによって神霊の力が生み出される」ことを意味するとされています。本展では、カルティエと日本のこれまでのつながりに関する作品や、日本美術に着想を得てデザインされたものが出品されています。
東京国立博物館表慶館に入ると、まず目にするのが、美しい色彩のパネルの数々。これはニューヨーク在住の日本人アーティスト・澁谷翔氏がカルティエに依頼され、35日間日本全国を旅して描いた作品。浮世絵師・歌川広重の『東海道五十三次』(1832年)に倣って日本橋から旅を始めた澁谷氏は、47都道府県すべてを訪れ、空の景色を描いたといいます。これらは、毎日地元の日刊紙に掲載されました。
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© Cartier
左右対称である表慶館右側の展示室には、「カルティエと日本──芸術と美を称える文化」と題し、日本美術にヒントを得たコレクションや、これまで日本で開催されたカルティエの展覧会に出品された作品が展示されています。
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19世紀後半、ヨーロッパにジャポニズムブームが訪れ、日本の浮世絵が印象派の画家たちに影響を与えたと言われていますが、ちょうどその頃、1898年にルイ・カルティエは父と共に事業経営に参画しました。ルイは日本に訪れることはなかったものの、パリの「日本美術友の会」の会員として日本のオブジェや書物の膨大なコレクションを収集し、デザイナーたちにも勧めたといいます。
今回の展示では、「カルティエ コレクション」やメゾン カルティエを象徴する作品やアーカイブ資料など、日本美術コレクションを含む展示品が170点以上出品されています。
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また、梅と桜、藤などの花々、虎や亀などの動物など、日本の自然がヒントとなった作品も展示されています。藤の花は、19世紀末に日本からヨーロッパに伝わったと言われています。
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表慶館左側の展示室には、「カルティエ現代美術財団と日本人アーティスト──永遠の対話」と題して、これまでカルティエ現代美術財団とかかわりのあった国内外アーティストの作品が展示されています。
ヨーロッパでは主に映画監督として知られる北野武氏に絵画の個展開催を依頼したり、日本で個展を開いたこともない若いアーティストに出品を求めるなど、独自の視点で知られるカルティエ現代美術財団。出品者は、画家に写真家、ファッションデザイナーなど、多岐にわたります。
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カルティエ現代美術財団で個展を開いた日本人写真家、杉本博司氏、荒木経惟氏、森山大道氏のほか、アメリカの巨匠・ウィリアムエグルストン氏の作品もご覧になれます。会場では、荒木氏、森山氏による作品のスライドショーも流れています。森山氏のスライドショー「Dog and Mesh Tights」(犬と網タイツ)は日本初公開。
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これまで日本で計5回のカルティエ展を開催してきた中で好評だった、ヨーロッパの王族のティアラやジュエリーも必見です。ぜひお出かけください。
写真提供=カルティエ
文・写真=西田信子
「カルティエと日本 半世紀のあゆみ 『結 MUSUBI』展
会期:7月28日まで
会場:東京国立博物館 表慶館
開館時間:9時30分~17時、金・土曜日は19時00分まで(入館は閉館の30分前まで)
観覧料:一般1,500円、大学生1,200円
休館日:月曜日、7月16日(火) ※7月15日(月)は開館。
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