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おすすめの書籍

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ウェッジから刊行された書籍の中から、ほんのひとときがおすすめする、旅や文化・歴史に関するものをご紹介していきます。
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#齋藤孝

『自省録』は私たちの人生の錨となってくれる一冊|齋藤孝『図解 自省録』より

いまの時代は、毎日の生活を送るにも、ストレスが増えています。気候変動の影響も大きくなり、各地で戦争が起き、また生成AIも出てくるなど、世の中もどんどん変化していく。「どこか生きにくい、自分の心が保ちにくい」と感じている方も多いのではと思います。 そうしたとき、マルクス・アウレリウス・アントニヌス(以下マルクスと略)の『自省録』は、ちょうど船の「錨」にあたるものとなります。激しい風が吹いたり波が荒れたりしても、錨を下していれば、船は漂わずに一定の位置に停泊できます。現代の私た

2023年は親鸞聖人御誕生850年!劇的な生涯と思想を知る2選

2023年は親鸞聖人の御誕生850年という節目の年であり、2024年は浄土真宗立教開宗800年の節目の年でもあります。ここでは親鸞聖人の事績や思想を知るうえで、お薦めの書籍を2点ご紹介します。 図解 歎異抄 たよる まかせる おもいきる 齋藤 孝 著 「歎異抄」は、鎌倉時代後期に書かれた日本の仏教書として知られ、作者は親鸞に師事した唯円とされています。現代でも司馬遼太郎や吉本隆明、西田幾多郎、五木寛之などの知識人・作家にも多大な影響を与えたことで知られています。 鎌倉仏

古きなかに新しさを知る 人生の本質を古典から学ぶ5選

「人生とは選択の連続である」(ウィリアム・シェイクスピア)、「今日という日は、残りの人生の最初の一日」(映画:アメリカン・ビューティーの一節)など、生き方や人生観にまつわる名言や格言は多く、いつの時代にも人の心を捉えて離しません。それは時が経っても、人間の本質的な部分はさほど変わらないという証明でもあります。混迷する今だからこそ、過去の著書に学ぶことも大切だと私たちは信じています。ウェッジブックス発刊の古典をリバイバルした書籍の中から、人生の指針となる5冊をご紹介します。

“能”の世界がよくわかるおすすめの2冊|齋藤孝「大人のための読書案内」(5)

弊社では過去の作品の電子書籍化に取り組んでいます。この度、今に通じる普遍的なテーマを掲げる本書『「何から読めばいいか」がわかる全方位読書案内』を電子書籍化しました。ここでは宣伝も兼ねて、その内容をちょっとずつご紹介していきます。最終回となる5回目は、知れば知るほど奥深い魅力を感じられる「能」の世界について。 まことの花を咲かせる能 世阿弥の著書『風姿花伝』(世阿弥、野上豊一郎・西尾実校訂、岩波文庫)は、世阿弥が一族に伝えた書。世阿弥の言葉は「初心忘るべからず」や「秘すれば花

“茶の湯”と“歌舞伎”の世界がよくわかるおすすめの9冊|齋藤孝「大人のための読書案内」(4)

弊社では過去の作品の電子書籍化に取り組んでいます。この度、今に通じる普遍的なテーマを掲げる本書『「何から読めばいいか」がわかる全方位読書案内』を電子書籍化しました。ここでは宣伝も兼ねて、その内容をちょっとずつご紹介していきます。4回目は、いまも日本人に広く愛されている「茶の湯」や「歌舞伎」の世界について。 茶の湯の世界 日本全国に禅宗が広まるのと同時に、広がっていったのが茶道です。そして安土桃山時代には千利休が侘茶を完成させ、現在の茶道の形となりました。千利休の生涯は、伝説

“般若心経”がよくわかるおすすめの6冊|齋藤孝「大人のための読書案内」(3)

弊社では過去の作品の電子書籍化に取り組んでいます。この度、今に通じる普遍的なテーマを掲げる本書『「何から読めばいいか」がわかる全方位読書案内』を電子書籍化しました。ここでは宣伝も兼ねて、その内容をちょっとずつご紹介していきます。3回目は、仏教の真髄となる教えが凝縮しているといわれる「般若心経」について。  仏教で、宗派や時代を超えて愛されているのが般若心経です。『空海「般若心経秘鍵」』(空海、加藤精一編、角川ソフィア文庫)は、空海が般若心経とは何かを語った本。訳から引用して

“仏教”と“禅”がよくわかるおすすめの5冊|齋藤孝「大人のための読書案内」(2)

弊社では過去の作品の電子書籍化に取り組んでいます。この度、今に通じる普遍的なテーマを掲げる本書『「何から読めばいいか」がわかる全方位読書案内』を電子書籍化しました。ここでは宣伝も兼ねて、その内容をちょっとずつご紹介していきます。2回目は、「仏教」と「禅」について。  仏教の本は山ほどあるのですが、とにかく大枠を知りたいときには『図解 ブッダの教え』(田上太秀監修、西東社)がおすすめです。ブッダの弟子の10人はどんな人だったかとか、ガウタマ・シッダールタがどう悟りを得たかとか

“儒教”がよくわかるおすすめの8冊|齋藤孝「大人のための読書案内」(1)

弊社では過去の作品の電子書籍化に取り組んでいます。この度、今に通じる普遍的なテーマを掲げる本書『「何から読めばいいか」がわかる全方位読書案内』を電子書籍化しました。ここでは宣伝も兼ねて、その内容をちょっとずつご紹介していきます。初回は、日本文化を理解するうえで欠かせない「儒教」について。  日本文化を語るとき、仏教や儒教の話を欠かすことはできません。しかし仏教はともかく、儒教は身近ではないと感じる人も多いでしょう。『儒教とは何か』(加地伸行、中公新書)や『沈黙の宗教――儒教