小嶋陽太郎さんの青春小説「悲しい話は終わりにしよう」&「気障でけっこうです」について
皆さまこんにちは。
今回は小嶋陽太郎さんという、私が大好きな作家さんの作品を2つ紹介させていただきます。
まず一つ目は
『悲しい話は終わりにしよう』です。
何もかもが上手く行かずドヨ~ン.......…と、私の心が沈みに沈みきっていた頃にブックオフで手にした作品です。
悲しい時に、いかにも悲しそうな本を買ってしまったのです。
「終わりにしよう」と言いながら、なかなか終わりがやって来ない。
読んでみますと、本当に悲しい内容でした。
いえ、悲しいというよりは、重苦しい。
そう。胸苦しくなる作品でした。
さらに沈んでしまったではないか、と思いました(笑)
長野県松本市を舞台にした、信州大生3人と中学生3人の友情や恋心を描いた青春小説です。
最初から最後まで、ずっと「雨」が降り続いている。そんな印象の作品です。雨が止んでいる間でさえ、やはり靄や霞の様に湿度が高く、読み手に「雨」の匂いや音を感じさせる様な描写が続きます。
さらに沈んだのは事実ですが、買い物としては大正解でした。
読み始めて1分もたたない内に(こりゃぁ凄い!)と、私の脳が覚醒しました。
・眠りから覚めた、まだ意識が不明瞭な状態の表現
・古い萎びた革張りのソファに手をおいた時の感触
この2つの描写がとにかく素晴らしかったです。
世の中には、私が知らないだけで本当に素晴らしい作家さんがいるんだな、と改めて気付かされました。
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そして2つ目は
『気障でけっこうです』です。
どう考えても「悲しい話は…」と同じ作家さんが書いたとは思えない、バカ面白い作品です。ページをめくるたびに、いちいち面白い。まさにジワる作品です。私は電車内で読む気にはなれません。絶対に変な目で見られる自信があります。
内容はといいますと、
ある女子高生と、公園に生えていたおじさんの話です。
公園に生えてるおじさん? ってなりますよね。
詳しくはお話できませんが、確かに生えてたんです、おじさんが。
その二人の会話がめちゃくちゃ笑えます。
本編の「気障でけっこうです」を読み終わりますと、その後に『ハムスターと私』という作品といいますか、別章のような形で本編の中のある場所におけるストーリーが新たに展開されます。(この手法、上手いです)
こちらの会話シーンで私は涙と鼻水を垂らしました。笑いすぎて。
そんな作品です。
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という事で、小嶋陽太郎さんの2作品を紹介させていただきました。
今後、目が離せない作家さんです。
宜しければぜひお読みになってみてくださいね。
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