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二重目標と対話 〜「やりたいこと」と「やりたくないこと」

前任校の同僚にマサのやりたいことって何?
って聞かれて、
黙って言うことを聞かないこと、と答えたマサです。
これってやりたくないことだったな…と思っていると、
生徒との面談で気づいたやりたいことやりたくないことの使い分け。
この2つの共通点と活用方法について考察してみます。

1 何やりたいより何したくない?

自己紹介や面談が多い年度始めのこの時期。
生徒に「将来やりたいことは何?」とよく聞きます。
しかし、ほとんどの生徒は具体的な目標がありません。
一方で、質問を変えてみて
「逆にやりたくないことってある?」と聞くと、
割りとたくさんでてきました。
なぜネガティブな質問にはレスポンスがあるのか考えてみると、
青砥瑞人さんのネガティビティバイアスかな?と思いました。

人は、ポジティブな出来事や情報よりもネガティブな出来事や情報のほうに注意を向けやすく、
また、それが記憶にも残りやすいようです。
だったら、やりたくないことの質問から対話を深めていけば
やりたいことが見えてくるのでは?
と思い生徒面談でトライしてみました!

2 木村泰子さん「教師の役割は生徒の通訳」

やりたくないことの原因や経緯の対話を通して、
生徒がやりたいことを一緒に探して、見つけていきます。
そうやって見つかったやりたいことは、生徒が上手く言語化できなかっただけです。
「本当はやりたかったんだけど、何て言ったらいいか分からなかった」
「そんなことを仕事にできるなんて知らなかった」
そのような生徒の想いを言語化することが教師の重要な役割です。
木村泰子さんはこれを通訳とおっしゃっていました。

そうやって見つかったやりたいことと、
最初に言っていたやりたくないこと。
この2つを上手く活用するのが二重目標です!

3 二重目標でゆるい制限をかける

二重目標とは上限と下限を作るイメージです。
例えば元素記号を
できればCaカルシウムまでは書けるようにする!
最低でもNeネオンは覚える。
といった感じです!
これはドラゴン桜で学んだ手法です。

ドラゴン桜 12巻

このように、やりたいこととやりたくないことの狭間を行ったり来たりすることで、
自分自身のペースでのんびり学べます。
三日坊主になりにくいです!
その過程で、生徒が持つアイデンティティに気付けます。
ペースが落ちる原因、やる気がでたきっかけなどを教師との対話の中で言語化できます。
すると、自分自身の性格や目標が具体的に見えてきます。
このような経験を積むためには、二重目標というゆるい制限が有効です!

4 対話的な学びの手法を営業職から学ぶ

二重目標はあくまでも手段であり、それを通して生徒の話を聞くこと
教師あるあるですが、教師は生徒に知識や経験を教えがちです。
それでは生徒が主語になれません。
対話スペシャリストの営業職では、相手が話したいことをたくさん話してもらうことを大切にしているようです。 

そのためには相手の性格や趣味を考察する必要があります。
このスキルは教師も同じです。
生徒のやりたいことを考えて、見つけて、言語化する。
そうやってやりたいことが具体的になっていけば、
学校での学びも主体的になります。
学ぶことが楽しくなります。

やりたいことの言語化のためには、
やりたくないことの導入から始める。
生徒の心をほぐして、言葉にならないやりたいことを通訳する。
このような経験をこれからもたくさん積んでいきます!
生徒のやりたいことの見つけ方を極めるスペシャリストになります!

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