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タイの道端でホテル名について考える

タイに1人旅をした時の旅行記です。

数年前、会社員として事務をしていた私の唯一の楽しみは一人旅に出ることで、国内や海外に行ってまだ見ぬ土地をうろうろすることでリフレッシュしていました。
英語のレベルは中学生程度。性格は楽天的でのんびりしており、時間の感覚がうすく慌てやすいです。(トラブルの予感しかしない)
友達との旅行では無駄な移動はしないようにしてますが、一人旅の時では街の雰囲気を感じるためグーグルマップを見てぐるぐる歩くのが好きです。頭が空っぽになるなる爽快感。かと言って、あまり危険なところには行かないように、自分なりに神経をつかって散策します。

タイは南国だし都会でもあるから、異国の雰囲気も楽しめて治安もよく、気をつけていれば女性一人旅でも楽しめるだろうと旅先に決定しました。
HISで飛行機とホテルをとり、あとは自由時間のフリープラン。
オプションで有名な寺院を半日でめぐるツアーを追加し、あとは遠出せずバンコクで過ごします。
そして、旅の柱としてタイを代表する老舗高級ホテルであるマンダリンオリエンタルバンコクのアフタヌーンティを、予約代行サイトを通じて予約しました。

マンダリンオリエンタルバンコクのアフタヌーンティは、タイでアフタヌーンティといえばここ!と言えるほど有名で、「オーサーズラウンジ(作家たちの休憩室)」という白亜のコロニアル調のラウンジは、サマセット・モームや世界の文豪が執筆活動を行なった歴史ある建物です。
宿泊ならどんなに安くても5万円以上ですが、アフタヌーンティのみなら6千円弱で2時間すごすことができます。(私は予約代行サイトを利用しているので手数料がプラスされました)
映画「サヨナライツカ」で中山美穂さんが滞在していたホテルでもあり、もちろん映画を見てからタイへ向かいました。

バンコクの街中はBTSという高架鉄道が南北に走っていて、駅でワンデイパスを買えば大体の移動ができます。
そして、中心部のBTSの駅毎に、巨大なショッピングモールが隣接しており、どんなに外がギンギンに暑くてもモールの中は冷房が寒いくらいきいていて、フードコートに行けば地元の有名店が入ってたりしていました。アジアでお腹を壊すことの多い私でも、1人で食事がしやすかったです。

本題のマンダリンオリエンタルバンコクのアフタヌーンティについて。

まず、いく前から少しびびってたのですが、公式サイトに「オーサーズラウンジではすべてのお客さまに洗練されたドレスコードをお守りいただきますようお願いしております」とあります。「女性はエレガントな服装とお履物を‥」というわけで、ふむふむと、ワンピースと靴をアフタヌーンティ用に準備しました。

12時からの予約だったので、午前中は準備と移動だな、とアバウトに考えていたのですが、久しぶりにフルメイクしたり、爪にマニキュアを塗ったり(ぬっとけよ)、ワンピース着てストッキング履いてとしていたらすでに11時。
急いでホテルを出て最寄りのBTSの駅まで歩き出しました。

ここでタクシーを乗ればよかったのですが、1人で海外のタクシーに乗ったことがなく、できるだけBTSで向かいたかったのです。
そして、ホテルから向かう際、BTSの路線を乗り換えなきゃ行けなかったのですが、間違って別方向のBTSに飛び乗ってしまい、時間のロス。
マンダリンオリエンタルバンコク最寄りの駅、サパーンタクシン駅についたころ、ちょうど12時になっていたのでした。

サパーンタクシン駅からマンダリンオリエンタルに向かうには、隣接するチャオプラヤー川の船着場から専用船(!)でむかうか、駅のタクシーでむかうのがおすすめとのこと。駅から850mの距離なので、普段の私なら歩いてむかいますが、五つ星ホテルにむかうには専用船でむかったほうが旅情があるというもの。
とはいえ、もうすでに遅れているし!駅のタクシー一択!とタクシーに乗り込みました。
歩けば11分、タクシーなら6分程で着くはずです。

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このタクシーの運転手さんが英語が苦手だったようで、「マンダリンオリエンタルホテル」と何度行っても、ガイドブックの地図を見せてもうまく伝わりません。
(タクシーの運転手で地図が読めないってどういうこと‥)

地元の人には「オリエンテン」と言ったほうが伝わるとガイドブックに書いてあったので、イントネーションを変えて「オリエンテン」「マンダリンオリエンタルホテル」と繰り返す私‥

嫌な予感が漂う中、
「オー!」
と何か判明したように明るい笑顔になった運転手に、ほっと胸を撫で下ろし、シートに沈んで車窓を見ていました。

しばらくすると
あれ‥
なんか、私の方向感覚と違う方にむかっている気がする‥
いやいやまさかね‥

「ついたよ」「ここでしょ」と、
嫌な予感ががんがんする中、下ろされたのはガイドブックのマンダリンオリエンタルホテルと違う白い外装のホテル

ええと‥

マ、マンダリンホテル!!!

混乱しながら、ホテルのフロントで「マンダリンオリエンタルホテルですか?」と聞くと、「ノーノー」との返事。

ここで初めてグーグルマップを開くと、850mの距離にいたはずが、2.3kmも離れたマンダリンホテルにいることが判明しました。
歩いて30分もかかるじゃん‥

さっき見送った運転手のにこやかな笑顔がフラッシュバックします‥

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マンダリンホテルの近くで再びタクシーを拾い、「オリエンテン」と告げると
「イエス、マダム」とにっこりして返事。

通じるじゃん!!!!
最寄りの駅でマンダリンオリエンタルホテルを知らないってどういうこと‥
私も焦っていたけど‥伝え方が悪かったの?
そしてマンダリンホテルがあるってなに‥

生憎の渋滞のなか、頭がぐるぐるするまま、電話する勇気はなかったのですが、公式サイトのメールアドレス宛に遅れる旨を連絡したのでした。(サンキュー、グーグル翻訳)

ついたのは12時30分。私の心配をよそに、マンダリンオリエンタルホテルに着くと、にこやかに出迎えていただき、オーサーズラウンジの一番開けた席に通してもらえました。
アフタヌーンティは素敵だったのですが、何せ気持ちのアップダウンがありすぎて、呆然と過ごしたことを覚えています。

タイ2

周りをみると普通の格好の方もいて、いろいろと気負いすぎていたなぁと思いました。
最後にホテルの方に写真を撮ってもらったのですが、せっかく着飾ったのに、汗でベトベトになったおのぼりさんがにっこり笑っているのでした。ほほえみの国で笑えてよかった。

何はともあれ、行ってみたかったところに行けてとてもいい思い出ができました。
この旅行記を書いていて、当時を思い出して反省したり、首をかしげたりしましたが、その時の心情が少しでも伝わると嬉しいです。

読んでいただき、コップンカー!

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#マンダリンオリエンタル #一度は行きたいあの場所 #スキしてみて #旅行

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