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小さき者の本気

少し心震えた話。

近頃とあるところの児童館では
コマの技を競うという
システムを導入していて

ある日のある時間だけ
検定タイムというのを設けている。

コマは昔ながらの“コマ”で
いわゆるシューターで回すような
ベイブレードではなくて
紐を巻きつけて回転させる

あれだ。

ある休日に
1人の男の子が検定に向けて
丸一日練習していたそうな。

それも若い先生と競い合いながら。

最初回すこともおろか、紐をかけることもできなかったが
数時間の間でどんどん上達し
その男の子を半日で超えてしまった。

「ツバメ返し」

https://m.youtube.com/watch?v=yZ71RetbAGk

めげるかと思いきや

彼はそれでもめげず、むしろ
そのおかげで

「燃えてくる!先に走ってる先生を追いかけるよ!」

というほど
彼の中で火がついたそう。

するとそのあと
悩んでいた技もできるようになって
2人は戦友のように上達していった。

気がつくと帰りの時間になっていた。

先生が彼に目を向けた。

彼は仁王立ちして微動だにしない。
最後の一投に向けて精神を集中させているのかと思った。

ふと顔を見てみると
彼は泣いていたのだった。

「今、一回絶対出来てたんだ。まだやりたい。
練習したいんだ。出来てたんだもん。帰りたくない。」

わがままといえば
そうかもしれない。

けどその男の子の心にある
純粋な悔しいと思う気持ち、
本気だからこそ味わう苦渋。

自分なら出来ると信じる心。

なんだかその熱さに
若い先生は逆に胸をうたれたそうな。

もちろん、時間を大幅に過ぎていたため
その日はなくなく帰したのだが。。。

本気で挑んでる人を馬鹿にすることは
とても恥ずかしいと
心底思わされたお話でした。

かっこいいな、その男の子。

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