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言語とクリエイティビティの関係性は?@デンマーク

国によって、よく使われる単語が違うと思います。「ありがとう」はどの国でも多いかもしれませんが日本語では「大丈夫?」「すみません」という謝罪や心配する言葉が多いかと思います。
挨拶がわりに言うのは「良い天気ですね?」「今日は寒い(暑い)ですね」など当たり障りがないものが多そうです。

以前に韓国語を学んだときは、挨拶がわりに「ご飯食べた?」と声を掛け合うと聞いた記憶があります。食事の時間だけでなくいつでも聞くそうなので、食事を重要に思う文化なのだろうと察せられます。

さて私は数えるくらいのデンマーク語しか知らず、留学しました。
学校生活が始まると、いきなりデンマーク人がデンマーク語で話しかけてきてくれます。
その中で最初によく耳にしたのは下記でした。

1.Hvorfor?  なぜですか?
2.Hvad lavede du i dag?   今日は何をしていたの?
3.Har du sovet godt? よく眠れましたか?

1つ目のHvorfor?(なぜですか?)は聞かれると本当に大変です。日本の文化や風習を説明した時に理由を聞かれると、その歴史的背景や客観的事実としての説明、他の文化との比較などを考えないと答えられません。

生活の中でいろんな対話を経験しましたが、この質問を受けることで社会や自国の文化、自分自身について考える機会が多くなりました。「そもそもを問う」というこの行為、社会課題はもちろん企業で新規事業を立ち上げる時に使えると思います。

例えば、子供の貧困という社会課題を「一家庭の問題」と捉えると子供に食べ物やお金を渡せばいいとなるかもしれません。しかしシングルマザーが増えていること、非正規雇用に女性が多いこと、日本ではセーフティネットが十分機能していないこと、生活保護を受けることに対する抵抗感などが複雑に絡んでいます。目の前の子供を救うことは重要ですが、並行して貧困の連鎖を断ち切る という課題設定をする必要もあります。その場合教育の機会を与える方が有効かもしれませんので、思い込みで課題を設定することは危険です。

「日本では子供の貧困率が高くてね」という話をデンマーク人にしたとしたら、Hvorfor? と聞かれると思います。知恵を絞ってあれこれ説明することで、意図せずにいろんなことを考える機会になりそうです。

同様のことを仕事でも貪欲にやっているからこそ、デンマークではLEGOやカールスバーグ、ノボノルディスクなどの世界に通用する企業が生まれたり、新たなスタートアップ企業の活動が活発なのかもしれません。いやいや、デンマーク人はHvorfor?を対話の切り口として単に楽しんでいるだけかもしれませんが… 

学校でも「なぜ」を問う教育が行われているのかもしれないな思ったり。「Hvorfor?(なぜですか?)」だけでもデンマーク文化がかなり見えてくる単語だと思います。英語にだってWhyという言葉があります。しかし疑問詞の1つという扱いだと記憶しています。これと比較するとデンマーク語は遥かに頻繁に会話に出てきて、授業で習う前に覚えて使うようになるくらいの重要単語でした。

2つ目の「Hvad lavede du i dag? (今日は何をしていたの?)」は昼食や夕食時によく聞かれました。これを聞かれると説明する必要性に迫られて「私は何をしてたのだろうか?」と考えることができます。「今日はデンマークの授業を受けていたよ」と事実を答えるだけでなく「授業で助動詞を習ったけど、英語と使い方が違っているから難しかった」と答えたら、そこから話題が広がります。デンマーク人は相手の肩書とか所属ではなく、人そのものに興味を持ったり繋がりを作ったりする人達と言われています。自己紹介でも職業や会社名などは言わないけど、どこ出身で、何が好きで、趣味は何か?などは話します。好きなものや普段やっていることを聞くことでその方の人となりを知ることができます。家族でも友人でも、さらに深く知り合うには、何者かを聞くよりは「何をしていたのか」を聞くのが効率的なのかもしれません。

3つ目の「Har du sovet godt? (よく眠れましたか?)」もほぼ毎朝聞かれました。最初全く意味が分からなくて、そして毎日聞かれるのに覚えられなくて困りました。しかし4ヶ月後には友達に自分から聞いていました。

デンマーク人は「睡眠を大事にしているのかもしれない」疑惑。
私がいた学校では若いデンマーク人でも早く寝るみたいでした。21時ごろメッセージをくれた女子は「遅くにごめんなさい」と添えてくれて驚きました。全然遅くないし!
別の20代前半の女子に何時に寝るの?と聞くと「平日はできれば22時には寝たい、金曜日などはちょっと遅くてもいいけど23時かな」と答えてくれました。では早起きかと思えば、そうでもなさそうです。 睡眠時間をたっぷり取ることは幸せの国デンマークの隠れた秘訣なのかと思います。

アイデアが生まれやすいのはBがつく3つの場所と言われています。
Bus,Bed,Bath などリラックスできる場所ということで、デンマークにおけるデザインや社会システムの先進性は、実はよく寝るところから来ているのかどうか?もうちょっと調べてみたい気がします。

#デンマーク   #フォルケホイスコーレ #デンマーク語 #よく使う言葉 #睡眠時間 #課題の再定義 #対話 #人を知る #アイデアはどこで生まれるか

1. そんな!いいんですか!? 嬉しいです!! フォルケホイスコーレ作りのための勉強に使わせていただきます♪