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簡単解説!!『問題行動への対処方法』

こんにちは!
今回は、よくご相談いただく問題行動への対処方法についてABA(応用行動分析)でのアプローチ方法をお話しさせていただきます。

子供の問題行動に対処するために、ABA(応用行動分析)の原理を使用することは非常に効果的です。
今回はABAについてご自宅でも実践できるように簡単にポイントを絞ってお話しさせていただきますので、是非参考にしてみてください。

行動の観察と記録

問題行動の詳細を観察し、記録することから始めます。

  • 行動の頻度: 問題行動がどれくらいの頻度で起こるか。

  • 行動の持続時間: 問題行動がどれくらいの時間続くか。

  • 行動の強度: 問題行動の強さや激しさ。

  • 行動の前後の出来事: 問題行動が起こる前後に何が起きたか。

行動の機能の評価

問題行動が何を達成しようとしているのかを特定します。主な機能には次のようなものがあります。

  • 注意を引くため: 大人や他の子供の注意を引くため。

  • 逃避や回避: 嫌な状況や課題から逃げるため。

  • 獲得するため: おもちゃや食べ物など、何かを得るため。

  • 感覚刺激: 自分の体の感覚を楽しむため。

対処方法の検討

問題行動の機能に基づき、適切な対処方法を検討します。

  • 代替行動の提示:

    • 問題行動を起こさずに同じ目的を達成できる適切な行動を教えます。例えば、注意を引くために叫ぶ代わりに、手を挙げて伝えることを教えます。

  • 強化:

    • おもちゃを片付けたらおやつを与えるなど、望ましい行動が見られたときに積極的に褒めたり、報酬を与えたることで、望ましい行動を強化します。

  • 消去:

    • 叫んで注意を引こうとした場合、無視するなど、問題行動に対して報酬を与えないようにします。

  • 事前対応:

    • お菓子コーナーでお菓子が欲しいと泣き叫ぶ場合は、お菓子コーナーを通らない、または、一緒にお買い物に行かないなど、問題行動が起きる前にその原因を取り除きます。

 一貫性の維持

介入が効果的であるためには、一貫性が重要です。そのため、お菓子が欲しくて癇癪が起きている場合に、今日は早く泣き止んで欲しいからお菓子を与える等、例外の対応をするとABAの対応は成立しなくなります。

実際の具体例


幼児が食事の時間に食べ物を投げる場合:

  1. 観察と記録: 食事のたびに食べ物を投げる頻度、持続時間、投げた後の反応(例:親が反応する)を記録。

  2. 行動の機能の評価: 食べ物を投げることで親の注意を引くことが目的と判明。

  3. 介入計画の作成:

    • 代替行動: 食べ物を投げる代わりに「手を挙げて話す」ことを教える。

    • 強化: 手を挙げて話した場合に、親がすぐに反応し、褒める。

    • 消去: 食べ物を投げた場合には無視する。

    • 事前対応: 食事の時間に親が子供の側にいて、積極的に話しかける。

これらの手順を踏むことで、問題行動の減少と望ましい行動の増加が期待できます。また、望ましい行動を強化することを意識する方が、自発的な動機での行動に紐づけられるため、結果的に問題行動が減るとも言われています。

次回は望ましい行動を強化する手段であるトークンエコノミーについてご紹介します。


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