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本と三線と石垣島      ✴︎〜11人の小学校体験記〜

クバの葉でつくる籠、お皿、水汲み、帽子に扇子🧺 昔の人は、日用品を竹や藁を使って作っていた、それが【民藝】。

与那国島から講師として来てくれた
“與那覇有羽”(よなはゆう)さん。お爺ちゃんやお父さんが日常的に作っていたやり方を、見様見真似で覚えて、今は与那国島の自宅が工房兼お店のようになっているそう。商品を作って内地におろしたり、お声がかかれば、今回のように作り方を教えてくれたりする與那覇さん。

縄ゆいが出来ないと、昔は仕事ができなかったらみんな結えるのは当たり前。

学校の保護者の方がPTAの活動として、與那覇さんに来てもらえるように声をかけたそうで、校長先生も何人かの先生も参加して、一緒に学び過ごした時間。
裏石垣という地域は、こういった地域も学校も交わって行う活動が活発だそうで、
先生と親とか枠組みをとっぱらって、みんな同じ土台で学ぶ姿勢が、子供たちの自発性を育んでいっている。そんな環境って素晴らしい。

日曜日でも体育館を利用。小学校もコミュニティの場所だから、と校長先生もとても寛容。


クバの葉は石垣島にはたくさん有るので、保護者が知り合いの人から譲ってもらったものを用意。
3週間ほど干して、水分を飛ばしたクバの葉を、
使う前30分〜1時間ほど水に浸して柔らかくする。もちろん、天候やクバの状態をみながら、その時々で時間や作れるものも変わってくる。

曲げて、捻って、試行錯誤しながらオリジナルの籠を
作る息子🧺

與那覇さんは言う。

“最初からハサミは持たないこと。ハサミを持つと切りたがる。切らずに、結ったりねじったり、使える部分が出てくることもある。”

“最初は大体でいい。最初から完璧は出来ない。 最初下手くそでも、何回も、何回も作る。失敗の中から次の策が見つかる。何度もする人には、勝てないんだよ。”

“見て、聞いて、倣う。まずは、それから。子供に、見せること、聞かせること、記憶が身体に染み付いて、初めてでもなんとなく格好ができているから”

帽子にする友達の子ども

與那覇さんが話す端々に、教訓のような言葉がたくさん散りばめられている。教えなくても、子供は見ている。基本的な危ないこと、してはいけないこと、を伝えたら、後は、自らが考えていけばよい。それが、自分を認め、自分を信じる力になっていく。

籠を作ると、大体の子供は頭にかぶるらしい笑

本土にもクバはあるけれど、シュロやビロウでも代用できるというし、藁で作る民藝品は全国ある。昔は物がないから、ある物で作っていただけで、なんら特別なことではないことも、今では、縄ゆいも出来ない人がほとんど。でも、何回かすれば出来る様になるもので、私も箸で練習するやり方を教えてもらったら、出来るようになった。

神社のしめ縄も、お爺ちゃんお婆ちゃんが結っているけど、次の世代にはなかなか伝わっていない。学校の授業の一環で、こういった時間も必要なんじゃないかなぁ。文化継承は大事だと思っているんだけど、みんなはどうだろう。

與那覇さんが作った鍋敷は、やっぱり美しい

その日の夜、街の公設市場前で歌うという與那覇さんの唄を聞きに行くと、私がずっと生で聞きたかった“とぅばらーま”だった。

メロディーラインは一緒で、島によって、部落によって、人によって歌詞が違うので、何通りものとぅばらーまがある。俳句のようなものかな。

商店街の一角がステージとなって、おじぃもおばぁも観光客も一緒に聞く、とぅばらーま。

アーケードに響き渡る歌声と三線

平和を願う歌。平和を願う踊り。

ある物でつくり、歌って、踊って暮らすこと。

なぁんにも、特別なことじゃないんだな。

音が鳴ると踊らないわけないさぁ








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