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アフターソーシャルメディアから考える情報の付き合い方

■こんな人に読んでほしい
・企業や個人として情報発信している人
・情報の多さとどううまく付き合うか悩んでいる人
・隣の同僚にどのような話題を振ったらいいか分からない人

スマホを開けば次々と立ち上る「通知」中身はSNSのタイムライン、ニュースサイトからの「最新のお知らせ」等様々な情報の嵐。
例えばYouTubeだけでも1分間に300分(12日半)分の情報がアップされているらしい。


もはやひとりの人間にさばききれる量の情報ではない。そんな現代において、私たちは情報とどのように付き合えばいいか、またどのように情報発信をしたらいいか、について考えるヒントをくれるのがこちらの本です。

①情報のズレとは?


 「最近の若者は…」という言葉は古代ローマ時代の古文書からも見つかっているくらい古今東西共通のテーマ。
 それがSNSの発展により、更に「ズレ」が広がっているということが「ワニの口」型の図で説明されています。本書ではその「ズレ」の正体を多数の定量データを用いて指摘。
 世代間による情報情報への接触スタイル、関心のあるジャンル、ニュースの捉え方などが紹介されています。
 こうした世代・性別間によるズレを理解することが現代の「情報接触スタイル」や「メディア」を理解することにつながります。

②SNSの実態


 SNSの利用方法の違いについても論じられています。
 例えばSNSをコミュニケーションツールとして使う人と検索ツールとして使う人。
 Twitterは個人的な趣味の情報を得るため、インスタは最新の流行を知るため、Facebookは政治・経済・社会の情報を得るため、など用途に応じてSNSを使い分けているとのことです。
 こうした多種多様なツールから情報を「すきま」や「ながら」時間に流し読む、というスタイルが浮かび上がって来ました。
 「ハズレ」を掴みたくないために、YouTubeとTVを同時並行で鑑賞する若者の様子などリアルなメディア接触の実態がとても興味深かったです。

③「ズレ」を前提とした情報との付き合い方とは?


 本書で示されている情報接触スタイルの変化として、情報の選択方法、信頼性への対策、情報接触時間の概念といったものが挙げられていました。

SNSはプッシュ型からプル型(消費者が自分で情報を選ぶ)へ。

ニュースを見るのは決まった時間ではなく、自分の興味がある時、あることを。

情報の流通経路はブラックボックス化している。

など、メディア接触の現状が紐解かれている過程で多すぎる情報の中で、自分と隣の人が持っている情報には「ズレ」があることを前提として行動する必要があると思いました。
 また情報接触の違いから来る認知や価値観のギャップを無理に埋めようとするのではなく、相手に寄り添う姿勢が必要だという指摘も印象的でした。

 様々なツールの発達により、一個人からトヨタ自動車までありとあらゆる層が「メディア」になる時代。
 「情報」は人の知性にとっての栄養となるもの。気付かないうちに毒をばらまいていないか、腐った物を頭に詰め込んでいないか、発信をする側も受信する側も正しいメディア理解が必要になります。この本はそのための「教科書」的な役割を果たしてくれると思いました。

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