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漫画とアニメと小説の宿題。

活字離れという言葉は古いかな。しばらくはそういう風な言葉で、若い世代が本を読まないことを嘆くふしがあったけど、今の若い人たちは「文字」はすごくたくさん読んでると思う。

私が中学高校の頃とかは、人に手紙を書くなんてことを、普段やってこなかったし、苦痛だった。12月は、年賀状を書くことが、なかなか重荷だった。

今の高校生は、電子的ではあったとしても、短文の手紙のやり取りを男女問わず毎日やってるんだからな。時代は変わった。

とは言っても、我が家の子どもたちに限って言えば、メールのやり取りの範囲は限定的だし、難しい話はスルーできちゃうから、いろんな漢字が読めるようになっているわけでもないし、長文読解には苦戦している。そんな様子を見ると、「本を読め」と言いたくなる。

ストレートに言っても、きっと読まない。だから提案した。

「お互いに最近読んだり観たりして好きだったものを、トレードして感想を言い合おうよ、漫画でも映画でもいいよ。」

まんまと乗ってきた。しめしめ。

それぞれから出された課題。

中学生の次男からは、「リィンカーネーションの花弁 全11巻」(小西幹久氏による少年漫画)。

高校生の長男からは、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版 3作」(庵野秀明氏監督のアニメ映画)。

私からは、「宝島」(真藤順丈氏著の長編小説)。

「リィンカーネーションの花弁」は、前世の能力を呼び出した者同士が、それぞれの理念のもと、戦いあうという話。漫画の中の前世は、アインシュタインとか宮本武蔵とかピカソとかヒトラーとか、実在してた偉人たちとかで、異種格闘技のような趣がある。

ニュートンのキャラは、顔がリンゴになってて、武器も重力を操るリンゴとかで、それって、実在のニュートンが持ってた能力なの!?っていうところも多々あるのだけど、少年漫画ということで細かいことを言わずに読み進めると、結構面白かった。連載中なんで、続きが楽しみだ。

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」は、ずばり世代だったくせに、全然チェックしてなかったという私に、教養だからということで紹介された。確かに、教養としては押さえておくべきかもしれない。巨大ロボットに乗って、次々に迫りくる巨大な敵と戦う男の子の話。本人が望んで戦っているわけではなく、わけも分からないまま戦わされたりしてるうちに、陰謀(?)に巻き込まれるというもの。

随分と騒がれただけあって、大御所感はあったんだけど、やっぱりこれは、リアルタイムで見ててこその衝撃だったんだろうなぁと感じた。たぶん、アニメ界では、この作品がきっかけに、こういう風に変わったとか、なんか歴史的な何かはあったんだろうなぁと思わせるものはあるけど、また、そういうのを勉強して出直してきた方が良さそうだなと思った。

何よりもショックだったのは、序破急(Q)で終わりかと思ったら、続きがあって、今コロナで延期中だということを、3作品観終わったあとに知ったということだ。完結してるつもりで観てたから、3作品目で一時間が経過した辺りで、え、これって収拾つくのかってそわそわしてしまった。で、取っ散らかされたあとに、続く!サービス、サービスってなったから、呆気にとられた。

そして、「宝島」。戦後間もない沖縄が舞台。行方不明になった友人を探すというフィクションが話の軸にはなっているけど、日本に返還されるまでの実際の事件が背景で濃厚に絡んでいて、当時の若い人が抱えていたであろう思いとか痛みを、追体験させてくれるようなつくりになっている。

546ページもの、ボリュームのある作品で、方言も多用され、語り手も独特なので、とっつきにくいところはあるかなとは思ったけど、物語が始まりの部分とか、子どもたちの世代に近いし、歴史も好きだから、どうせ他の小説も読んでないんだから、独特な語り口なんてのも違和感と感じないでしょと軽い気持ちで提案したんだけど、ダメだった。

面白くなかったんだってさ。よくよく聞くと2ページくらいしか読んでない。2ページで面白いかどうか判断できるか!失礼だろ!と怒鳴りたかったが、抑えた。いきなり飛ばし過ぎた。次はうまくやろう。

結局、期限までに宿題をやり遂げられたのは、私一人。

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