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音楽業界チラ見 2019

先ほど映画「イエスタデイ」を見終わって、俺はやっぱエド・シーランが好きだと思い。彼の音楽業界に対する貢献を調べていたら、年に1-2度訪れるある連盟のページにたどり着きました。

とても地味なサイトなのですが、世界の音楽業界のデータが詰まっているサイトがあります。世界中のレコード会社1300社の代弁であると謳うIFPI-International Federation of Phonographic Industoryのオフィシャルサイト。

2019年のデータブックがリリースされました。興味はあるのですが、60万円近く(5000ユーロ)もするので、一昨日発表されているオーバービューだけを記録しておきます。

Global revenue growth (音楽市場の成長): +8.2% 音楽市場は、これで5年間連続での成長を記録しているわけですね。SpotifyやApple Musicといった課金ストリーミングサービスの利用者が増えている(+24.1%)ことが起因しているのは、疑わない事実です。その中でも、日本の音楽市場はUSに続いて第二位(3位はUK)であることも面白い。

Streaming share of global revenues(音楽市場でストリーミングが占めるシェア): +56.1% 内訳は、広告型(ビデオストリーム含む)が14.1%、サブスクが42.0%。デジタルダウンロードが7.2%ですが、サブスクで常時アクセスできる事が通例になってくれば、この割合は減少傾向となるでしょう。これからフィジカルの減少をストリーミング、特に月額サブスクビジネスが食いつつ、音楽業界を毎年新たな方式で成長をしていくと思われます。それには、レコード音源だけではなく。ライブコンテンツやレコードやCDで発売されたライブラリも鍵となると思っています。

Growth in overall streaming revenue(音楽ストリーミングサービス全体-つまり課金も無料・広告型も含むってことか-の成長): +22.9% 114億を記録していて、これからも最大の収入源を突っ走るでしょうね。著作権同様に、プロのアーティスト、パフォーマーに還元されていくことを願います。

Physical revenue decline(フィジカル-CDなど-による利益の減少): -5.3% 映画の世界もそうですが、デジタルの成長と共に、フィジカルメディアが減少するのは不思議ではありません。アメリカやスペインでは、まだフィジカルが残っているんですよね。日本もそう。日本はフィジカルの減少(-4.8%)がデジタルの成長に結びつかず、数少ない2019年の音楽ビジネスがマイナス値(-0.9%)を付けた国になってしまいました。フィジカルビジネスで足掻くよりも、色々整備を施してストリーミングを発展させていく方がレコード業界の将来の為だと思っています。ただ、日本の握手券商法、フィジカル独占(デジタル提供なし)、違法コンテンツなどが業界に見直され、デジタルストリーミングに健康的に進んでいけば、世界の流れと同様に市場の発展に繋がって行くと思います。

Growth in paid streaming subscribers(課金型音楽ストリーミングサービス利用加入者数の成長): +33.5%

市場データの他にも、アーティストのランキングも発表されています。「IFPI Global Recording Artists of 2019(あらゆるフォーマットへの消費者アクセスを調べたもの(ストリーミング、デジタル、フィジカル、アルバム&シングルセールス、等)」は毎年気になるところ。エド・シーランはテイラー・スウィフトに続いて第2位でした。映画の爆発的ヒットもあり、Queenが5位にいるのも何だか嬉しいもんです。早々たるアーティストが飾る中、アルバム世界ランキングの中で、ARASHIが330万ユニット売り上げて、テイラー・スウィフト(320万)を抑えて1位となっています。世界第1位のARASHIだよ。でも残念ながら、消費のほとんどは日本国内でしょうね。こういうところに、日本の文化と経済の皮肉を感じてしまいます。

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